高値圏で底堅い動き。本日は米ADP雇用統計と米7ー9月期GDP速報値に注目
〇ドル円、米国時間朝方にかけ153.87まで上昇
〇株価の堅調、米金利上昇に伴うドル買い圧力、大統領選トランプ勝利を見越してのドル買いが背景
〇その後は153円台前半でのもみ合いに転じる
〇ユーロドル、1.08を挟んで方向感に欠ける動き
〇ドル円は直近高値圏での堅調推移続く、21日線が90日線をゴールデンクロスする等、地合い好転
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測後退、介入警戒感後退等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:152.50ー154.50
海外時間のレビュー
29日(火)のドル円相場は堅調な値動き。(1)米金利低下に伴うドル売り圧力や、(2)本邦輸出企業の実需のドル売り、(3)加藤財務相による「投機的動向含め為替市場動向を緊張感をさらに高め注視」との円安牽制発言が重石となり、アジア時間午後にかけて、安値152.75まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)株式市場の堅調推移(世界的な株価上昇→リスク選好の円売り圧力)や、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)トランプ氏勝利を見越したトランプトレードが支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値153.87まで上昇しました。
その後は、(7)米9月JOLT雇用動態調査(結果744.3万件、予想800.0万件)の市場予想を下回る結果や、(8)アトランタ連銀公表GDPNow(結果+2.8%、前回+3.3%)の下方修正を嫌気する形で、一時153.02まで反落する場面も見られましたが、下がったところでは押し目買い意欲も根強く、すぐに反発に転じると、(9)米10月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果108.7、予想99.5)の市場予想を上回る結果や、(10)米主要株価指数の底堅い動きが支えとなり、本稿執筆時点(日本時間10/30午前6時20分現在)では、153.40前後まで持ち直す動きとなっております。
29日(火)のユーロドル相場は上下しつつも方向感に欠ける展開。(1)欧州株の堅調推移や、(2)米金利低下に伴うドル売り圧力、(3)ドイツ11月GFK消費者信頼感指数(結果▲18.3、予想▲20.5)の市場予想を上回る結果が支えとなり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0827まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)トランプ氏勝利を見越したトランプトレードの活発化や、(5)次回ECB理事会での大幅利下げ観測、(6)短期筋の利食い売りが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0769まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間10/30午前6時20分現在)では、1.0815前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は直近高値圏での堅調推移が続いております。ここ数週間の上昇局面で、主要レジスタンスポイント(90日移動平均線突破→一目均衡表雲上限突破→200日移動平均線突破)を相次いで突破した他、強い買いシグナルを示唆する「21日移動平均線と90日移動平均線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く印象付けるチャート形状となりつつあります(4時間足や週足でも強い買いシグナルが点灯しているため、短期的にも中長期的にも上昇トレンドの本格再開を示唆)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日米金融政策の視点(追加利上げ観測が後退しつつある日本vs過度な利下げ期待が剥落した米国)や、(2)日米政治の視点(衆院選での与党惨敗に伴う日本売りvsトランプ氏勝利を見越したトランプトレードの再開期待)のいずれにおいても、ドル円相場に上昇圧力が加わり易い環境が整っています。政府・日銀による介入警戒感は続いているものの、足元のように不確実性が極めて高いタイミング(日本の政局不透明感拡大+米大統領選直前のタイミング)で為替介入に踏み切ることは容易ではないと考えられるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は米10月ADP雇用統計と、米7ー9月期GDP速報値が予定されているため、米国時間朝方にかけてのボラティリティ急拡大に警戒が必要でしょう(これら2つの経済指標が市場予想を上回る場合には、米ソフトランディング期待の高まり→米FRBによる利下げ観測後退→米金利急上昇→米ドル買いの経路で、ドル円に強い上昇圧力が加わる公算大)。
本日の予想レンジ:152.50ー154.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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