ドル円 発表される米指標に注目、波乱はあるか(10/17夕)

東京市場はドルが底堅く推移。一度も149円を割り込むことなく底堅かったが、149円後半では上値も重かった。

ドル円 発表される米指標に注目、波乱はあるか(10/17夕)

発表される米指標に注目、波乱はあるか

〇本日のドル円、調整的な動きで149.25レベルまで下落、その後はレンジ取引
〇今夜の9月米小売高、新規失業保険申請件数、ECB政策金利発表に要注意
〇150円を上抜けした場合、テクニカルには150.75-80が次のターゲット
〇ドル高・円安方向、150円の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、本日東京安値149.25レベルが最初のサポートか
〇ドル円予想レンジ:149.00-150.30

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが底堅く推移。一度も149円を割り込むことなく底堅かったが、149円後半では上値も重かった。

ドル/円は149.60-65円レベルで寄り付いたものの、ドルの上値は重い。そのためか、調整と思しき動きが先行しやや下押しが先行するも、下値も限られた。149.25円レベルで下げ止まると、その後はレンジ取引に。16時現在では寄り付きと同じ149.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなか早朝の発表された豪経済指標を受け、豪ドルが荒れ模様。対円では99.60円台から100円を超えるレベルへ一時急騰する局面も。

一方、材料的に注視されていたものは「中東情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、イスラエルによる攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区で人道危機が深刻化していることを受け、国連安保理が緊急会合を開き対応を協議した。緊急会合では、各国からイスラエルへの非難が相次いだという。またイスラエルの後ろ盾ともいえる米国でも、若干の色彩の変化がうかがえ、実際米国務省のミラー報道官は記者会見で、イスラエル軍によるレバノン南部ナバティエの庁舎空爆に不快感を示すとともに、イスラエル側に攻撃の意図を確認していると述べていた。しかし、当のイスラエルが依然として頑なな態度を崩さないなど、簡単に状況が好転するとも思われない。

後者は、ウクライナのゼレンスキー大統領が最高会議で演説し、ロシアとの戦争終結に向けた「勝利計画」の内容を初めて発表した。「米国が懸念を示す長い射程の兵器によるロシア領内への攻撃の許可」など5項目から成り立っており、評価をする声も聞かれたが、ロシア外務省は「ゼレンスキー氏がNATOをわが国との直接衝突に追い込んでいる」と批判。またNATOも、事務総長が「現状では全面的に支持できない」との考えを示していた。前途多難の様相だ。また、米国とウクライナの首脳電話会談が実施され、米国は4億2500万ドルの追加軍事支援を表明したものの、先でも指摘した「米製長射程兵器によるロシア領攻撃」については今回も慎重姿勢を維持したという。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円高値は149.81円。基本的なリスクはドル高方向だが、やはり150円にはとどかなかった。依然として150円が近くて遠い存在とも言えそうだ。しかし、ドルの下値はますます底堅さを増しているうえ、149円台というレベルも徐々に見慣れてきた。ここで仮に上抜けても、当局の懸念する「急激な変動」に当たらないことで、150円トライの機運が強まりつつあるとの声も聞かれている。定着するか否かは別にして、そろそろ150円超えのファーストトライがあっても不思議はないだろう。
市場の関心は、引き続き日米金融政策に高い。なかでも米金融政策が注目を集めているなか、本日は注目の9月米小売売上高が発表される予定となっている。こちらも内容にまずは要注意。8月実績のプラス0.1%から改善すればドル買い、といった見方も取り沙汰されていた。また、それとは別に雇用データ、週間ベースの新規失業保険申請件数を波乱要因として警戒する声も少なくない。なお、先でも取り上げた中東を中心とした地政学リスクの高まりにもしっかりと注視しておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は150円を視界内に捉えつつ、とどかない。ここ数日は取引時間の多くを149円台で推移するも上げ渋りの様相だ。いま少しドルの強保ち合いが続いても不思議はないが、材料的なものを考慮すると、そろそろ上抜けしても不思議はないだろう。ちなみに、以前にもレポートしたように150円を上抜けた場合には、150.30円台まで切り下がってきた移動平均の90日線、そしてフィボナッチポイントの150.75-80円などがターゲットとなる。

本日は米経済指標として、9月の小売売上高や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。また米企業の決算発表も相次ぐうえ、米国以外のファクターとしてECBによる政策金利の発表も実施される見込みだ、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.00-150.30円。ドル高・円安方向は以前から指摘していた150円の攻防にまずは注目。抜ければ90日線が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の149.25円レベルが最初のサポートか。下回っても基本は底堅く、目先は149円割れ程度が精々かもしれない。

発表される米指標に注目、波乱はあるか

ドル円日足


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