ドル円 米CPIの発表注視、前後の市場は荒れ模様か(10/10夕)

東京市場で揉み合い。149円前半を中心とした50ポイント強のレンジ取引で、方向性はやや乏しかった。

ドル円 米CPIの発表注視、前後の市場は荒れ模様か(10/10夕)

米CPIの発表注視、前後の市場は荒れ模様か

〇本日のドル円、149円半ばまで値を上げるも基本レンジ取引
〇149円台では上値重いが、150円を超えると150.75-80が次のターゲットに
〇本日は米CPI、新規失業保険申請件数、要人発言に注目
〇ドル高・円安方向、本日東京高値に当たる149円半ばの攻防にまず注目
〇ドル安・円高方向、本149円が最初のサポートか
〇ドル円予想レンジ:148.30-149.80

<< 東京市場の動き >>

東京市場で揉み合い。149円前半を中心とした50ポイント強のレンジ取引で、方向性はやや乏しかった。

ドル/円は149.30円レベルで寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。ゴトー日の仲値要因などが取り沙汰されるなか、一時的に前日高値を超え149円半ばまで値を上げたものの続かず、結局元のレベルへと押し戻されている。16時現在では小安い149.10円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「米ハリケーン」について。
前者は、前日ジェファーソンFRB副議長による「インフレ率は目標の2%に非常に近い」との発言を含め、やや弱気コメントが多くみられるなか、明らかになった注目の9月開催分の米FOMC議事録要旨は予想よりも若干「強気」な内容。9月会合で「0.5%の利下げ」が実施されているが、全会一致ではなく「一部の参加者は0.25%の利下げを支持」していたうえ、「9月の決定が将来における利下げペースを確約するものではない」という幅広い合意があったことも示されていた。一方、それとは別に幾つか米当局者発言も伝えられており、それぞれジェファーソンFRB副議長は「基本的なインフレ基調は2%に向かっている」、サンフランシスコ連銀総裁「年内に1-2回の利下げが実施される可能性高い」、ダラス連銀総裁「より緩やかな利下げが適切」−−などといった内容だった。

後者は、バイデン米大統領が、ハリケーン「ミルトン」は信じられないほどの破壊力を持つと警告し、安全な避難場所を確保するよう促したうえで、民主党と思しき一部からフェイクニュースが拡散されていると苦言を呈していた。一例を挙げると、「救援資金が不法移民支援に流用された」−−などという根拠のない主張への反論になる。その「ミルトン」は南部フロリダ州に上陸し、州内では家屋破壊や停電などの被害が発生しているようだ。カテゴリー的には5段階の「3」で、今後「2」に低下する見込みとされるが、まだまだ予断を許さない。一方、今回の「ミルトン」襲来を受け、投票権擁護団体がフロリダ州の有権者登録期限を延長するよう求め、連邦地裁に訴えを起こしている。米大統領選にも多大な影響を及ぼしていることは間違いないない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先でも指摘したように本日東京で一時149円半ばを示現し、直近の戻り高値を更新。しかし、夕方には逆に149円割れを意識した値動きとなっている。先日の三村財務官発言「為替市場の動向は緊張感持って注視」もあり、やはり150円がある種のシーリングと捉えられているようで、接近するもなかなか超えられない状況だ。ドルはこのあとも頭の重い展開が続く公算が大きい。
引き続き市場は日米金融政策に注目。なかでも米の政策が注視されているものの、なかなか方向性が定まらない。発表される米指標や発言をめぐり一喜一憂の繰り返しだ。そうしたなか、本日発表される米消費者物価指数(CPI)がおおいに注目されており、内容次第では本日も発表前後の市場は大荒れか。ちなみに予想値は、前月比プラス0.1%で前年比はプラス2.3%。またコア指数は同様に前月比がプラス0.2%、前年比はプラス3.2%程度が予想されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクはドル高方向に高そうだが、本邦当局の円安けん制への警戒感などもあり149円台では上値が重い。150円は近くて遠い存在だ。ただ、仮に超えればフィボナッチを参考にした150.75-80円が次のターゲットに。
対して下値は、基本底堅いイメージ。ただ147-148円の米雇用統計発表後の実質的な「取引空白地帯」をまだしっかりと埋めきっていないことはやや気掛かりだ。

本日は米経済指標として、9月の消費者物価指数や、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。後者もさることながら、前者がとくに注目を集めており、数字如何によっては相場が荒っぽい変動をたどる可能性もある。またNY連銀総裁による講演など、要人による発言機会も多く、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.30-149.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる149円半ばの攻防にまず注目。しっかり超えれば150円が名実とも視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間に一度も割り込めなかった149円が最初のサポートか。下回っても基本は底堅そうだが、148円を下回ると要注意だろう。

米CPIの発表注視、前後の市場は荒れ模様か

ドル円日足


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