ドル円149円台前半、米CPI控え高値圏で膠着 (10/10午前)

10日午前の東京市場でドル円は最近の高値圏でのもみ合い。

ドル円149円台前半、米CPI控え高値圏で膠着 (10/10午前)

ドル円149円台前半、米CPI控え高値圏で膠着

10日午前の東京市場でドル円は最近の高値圏でのもみ合い。朝方、149.31レベルで取引の始まったドル円は、米9月CPI発表を今晩に控え様子見気分の強い中、午前中149.01-31の狭いレンジでもみあいました。東京時間正午現在は149.20での取引です。

日経平均株価は、昨晩米市場で主要株価指数が上昇した流れを受け、買いが先行。円安進行も好感され、自動車等輸出関連銘柄が主導して序盤の上げ幅は300円を超えました。しかしこのところ上げを主導した情報技術系銘柄には、円の長期金利が上昇していること等を嫌気して利食い売りが入るなど、その後は業種によってまちまちの動きとなって上げ幅を縮小。結局117円高で午前の取引を終了しています。

昨晩海外市場では、FRBの早期利下げ観測後退の流れが続き、米国時間に米長期金利が再上昇。米10年債利回りはFOMC議事要旨発表前に4.07%台まで上昇しました。ドル円も欧州序盤の安値148.27から米国時間終盤にかけほぼ一方向で上昇し、149.36の高値をつけ、そのまま高値圏の149.32でアジア時間につないでいます。

テクニカルにはドル円は、引き続き一目均衡表の「雲」の中での推移。横ばいの範疇ながら徐々に下値を切り上げており、節目の150円、150.78レベルの90日移動平均線等が徐々に射程に入りつつあります。一方サポートは146.56の一目均衡表の「雲」下限や145.50レベルの転換線等。 

未明に公表された9月のFOMC議事要旨では、「インフレ見通しの上振れリスク減少と雇用の下振れリスク増加」という共通の現況認識の下、やや予防的に利下げを行った様子がうかがえます。意外感があったのは、0.5%の利下げに反対し、0.25%の利下げ実施を主張したボウマン理事に対して、一定数の参加者に同調の動きがあったという記述です。7、8月の雇用統計の結果を受けて、参加者の中に「労働市場の冷え込みや低・中所得世帯の予算への継続的な負担を受けて、予想以上に消費者支出が減速するリスク」を懸念する参加者と、「労働市場の状況がさらに大幅に悪化するリスクは増加していない」と考える参加者の両方の見方があり、結果として前者が過半数を占めたことから0.5%の利下げが実施されたという過程が見えます。その後明らかになった9月の雇用統計の結果だけを見る限り、今のところ、後者の見方のほうに分があるとも言え、そもそもこれからの利下げペースは緩やかにするとの方向性を示していたFRBの、今後の利下げ余地は一層少なくなっていると考えられます。

そして今晩の米9月CPI。万一、極端に高い数値が出るようなことがあれば、「インフレ見通しの上振れリスク減少と雇用の下振れリスク増加」との大前提すら崩れ、年内の米利下げ観測が霧散しかねないということは、可能性は高くないものの、リスクシナリオとして頭に置いておいたほうがよさそうです。

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