<< 東京市場の動き >>
〇東京時間のドル円、緩やかな右肩上がりをたどり、終盤には148.65レベル示現
〇下値147.35、上値149.13の2円弱のなかでの一進一退が続く可能性も
〇本日は9月開催分の米FOMC議事要旨公開に要注目
〇ドル高円安方向、東京高値148.65レベルの攻防に注目、しっかり超えれば10/7高値149.13再び視界内
〇ドル安円高方向、東京時間に割り込めず少しずつ底堅さを強めてきた148円が最初のサポートか
〇欧米時間のドル円予想レンジ:147.60-149.10
東京市場でドルは底堅い。上値は重いが、それでも一度も148円を割り込むことはなく、ドルの下値も堅かった。
ドル/円は148.20円レベルで寄り付いたのち、わずかに軟落して日中安値の148.00-05円を示現。しかし、148円を割り込めず反発に転じるなか、緩やかな右肩上がりをたどると、終盤には148.65円レベルも。16時現在では小緩んだ148.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなかNZドルが冴えない。この日は同国中銀が政策金利の発表を行い、事前予想通りとなる「0.5%利下げ」を明らかにしたが、それでも金利差に着目した動きなどから対円やドルで売りに押される展開だった。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「米ハリケーンの行方」について。
前者は、引き続き日米金融政策が市場で注視されるなか、昨日から本日に掛けて米当局者による発言が複数観測されている。たとえば、クーグラーFRB理事は「最近の利下げを強く支持する」と述べたうえで、「予想通りインフレが緩和すれば一段の利下げを支持する」考えを明らかにしていた。またボストン連銀総裁は「インフレは鈍化のトレンド、FRBが追加利下げを実施する可能性は非常に高い」、ジェファーソンFRB副議長からも「インフレ率は目標の2%に非常に近い」とした弱気コメントが聞かれていたようだ。それに対し、アトランタ連銀総裁からは「インフレ率はまだ高すぎる、2%の目標に戻さなければならない」と逆に強気の発言が観測されている。
後者は、現地9日にもフロリダ州へ上陸しようかという大型ハリケーンが、米国のみならず世界情勢にも影響を及ぼすとして注視されているようだ。何故なら、「ハリケーン対応」を理由にバイデン米大統領が予定していたドイツおよびアンゴラ訪問を延期すると明らかにしたためだ。これにより、ウクライナ対応などを行う予定だった、12日の米英独仏4ヵ国首脳会談開催が不透明になったと一部で伝えられていた。どちらが勝つのか不透明、大接戦となっている米大統領選に加え、大型ハリケーン襲来という自然災害が思わぬ格好で地政学リスク解消の足かせになる可能性もある。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、引き続きドル高方向にバイアスを掛けつつも、短期的にはレンジ取引の様相。実際、先週末の米雇用統計発表後の値動きを見ると、紆余曲折ありつつも下値は147.35円。上値は149.13円と2円未満の変動にとどまっていることが見て取れる。また本稿執筆時はちょうど中間地点で居心地が良い。材料的には本日以降週末にかけて注目の米経済指標の発表を控えていることもあり油断は禁物だが、上記2円弱のなかでの一進一退が続く可能性も否定できないようだ。
関心を集める米金融政策だが、前述したようにここ最近の米当局者発言はやや弱気ともいえる内容が少なくない。そうしたなか本日は9月開催分の米FOMC議事要旨が公開される見込みだ。果たして、足もと優勢となっている「やや弱気」な見方を後押しする内容となるのか否か、しっかりと注視しておきたい。また依然として緊迫した状況の続く中東情勢や、本日午後に日本の衆院解散を迎え名実ともに選挙戦へと突入した日本の政治情勢などにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は7日に149円台を一時示現しドル高方向の展望を広げた感があったものの、その後は150円を意識しつつ上げ渋り。次の材料にらみといった様相で、足もとはレンジ取引がいましばらく続くとの見方も聞かれるが、先で取り上げた9月開催分の米FOMC議事要旨公開が予定されており、その内容如何では早々に次なる動意を示す可能性もありそうだ。ちなみに、放れるとすれば上よりも下方向に動いた方が波乱含みかもしれない。
本日は米経済指標として、8月の卸売売上高が発表されるほか、ダラス連銀総裁の講演なども予定されており、そちらも注視されている。また、9月開催分の米FOMC議事要旨公開を、注視している向きも少なくない。果たして当時のボードメンバーの見解はどうだったのか注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.60-149.10円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる148.65円レベルの攻防にまず注目。しっかり超えれば7日高値149.13円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間に割り込めないなど、少しずつ底堅さを醸してきた148円が最初のサポートか。下回っても基本は底堅そうだが、それでも昨日安値147.35円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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