明日以降の材料待ち、基本は保ち合いか
〇本日のドル円、147.50-148.20レンジの中で往来相場
〇しばらくは強保ち合い継続、次の材料待ちで目先は方向性を探る動きか
〇本日の米8月貿易収支、レッドブック、要人発言、明日のFOMC議事要旨に要注目
〇ドル高・円安方向、本日東京高値148.20レベルの攻防にまず注目
〇ドル安・円高方向、本日東京時間に示現した147円半ばが最初のサポート
〇ドル円予想レンジ:147.10-148.30
<< 東京市場の動き >>
東京市場は揉み合い。基本は148円挟みの一進一退で、方向性は乏しかった。
ドル/円は、寄り付いた148.20円レベルが日中高値となるなど、ドルの上値は重い。しかし、一方で下値も堅く安値は147円半ばまで。つまり株価や金利の動きをにらみつつ、147.50-148.20円というレンジの中で往来相場をたどっている。16時現在では147.95円レベルで推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「中東危機」について。
前者は、長かった国慶節の休暇がようやく明けた中国に絡むニュースが複数聞かれており、一部で話題に。たとえば「中国住宅販売、国慶節連休中に増加」や「大型連休(1-7日)の海外旅行は過去最高になった」といった明るいニュースが聞かれる反面、ブルームバーグは「中国が経済目標の達成に自信を示すも、大規模な追加景気刺激策は見送り」と指摘していた。後者が連休明けで一時急騰していた中国株式相場を冷やし、上げ幅を急縮小させた一因になっていたことは間違いない。なお、それとは別に中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会が、「規律違反」で唐前司法相の党籍をはく奪したと発表している。権力闘争に敗れた結果、などといった醒めた見方をする向きも。
後者は、パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃から1年を迎えるに当たり、米国のバイデン大統領がイスラエルのヘルツォグ大統領と電話会談を実施。しかし、イスラエルの頑なな態度を崩すには至らず、同国首相から改めて「人質がガザにいる限り、我々は戦い続ける」とした動画声明が発表されている。また、イスラエルの国連大使からは「国連はその使命を果たしていない」とする非難コメントも聞かれていた。その一方、イランサイドからは、アラグチ外相による「イランに攻撃なら一段と強力な対応に直面」などの発言が聞かれており、とても状況が好転しているとは思えない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日東京時間に8月16日以来の高値149.13円を付けたものの、以降ドルはやや冴えない。引き続きドル高方向にバイアスを掛けつつも、短期的な上値を示現した可能性も取り沙汰されていた。したがって、たとえば147-149円あるいは146-149円といった強保ち合いをいま少し続けることも予想されている。次の材料待ちで、目先は方向性を探る動きも。
市場は引き続き日米金融政策に注目。そうしたなか、明日予定されている9月開催分の米FOMC議事録要旨公開を、注視している向きがある。ボードメンバーの判断がいったいどういったものだったのか、その内容如何では上下どちらにも動く可能性を秘めていると言えそうだ。また中東情勢や、明日に日本の衆院解散を控えた日米政治情勢などにも一応注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日149円台を一時示現しドル高方向の展望を広げた感があったものの、そののち失速。日足チャートも陰線引けで、あまり上値を積極的に買いたくはない印象だ。
それに対して、ドルの下値は基本底堅そうだが、以前から指摘しているように147-148円は先週末の米雇用統計後ほぼ取引のない価格帯にあたることが気掛かり。一旦崩れはじめると予想以上に早い可能性もある。
本日は米経済指標として、8月の貿易収支やレッドブック週間小売売上高が発表される予定となっている。また、アトランタ連銀総裁やボストン連銀総裁の講演も予定されており、そちらにも注意を払いたい。そのほか、ロシア主催で開催される「独立国家共同体(CIS)」首脳会議にも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.10-148.30円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる148.20円レベルの攻防にまず注目。しっかり超えれば昨日高値149.13円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、同様に本日東京時間に示現した147円半ばが最初のサポート。下回っても基本は底堅そうだが、147円レベルを割り込むと波乱含みか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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