ドル円 ドル高維持できるか、米雇用統計を注(10/4夕)

東京市場はドルが弱含み。おおまかに言えば、「寄り付き高・大引け安」の様相で、トータル1円を超える下落だった。

ドル円 ドル高維持できるか、米雇用統計を注(10/4夕)

ドル高維持できるか、米雇用統計を注

ドル高維持できるか、米雇用統計を注視

〇本日のドル円、緩やかな右肩下がりで1円程度下落、一時145円台を示現
〇本日も石破首相から利上げ慎重発言聞かれる
〇今夜発表の米9月雇用統計、そして中東情勢に要注目
〇ドル高・円安方向、本日東京でとどかなかった147円の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、本日東京安値を含めた146円レベルが最初のサポート
〇ドル円予想レンジ:145.50-147.30

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが弱含み。おおまかに言えば、「寄り付き高・大引け安」の様相で、トータル1円を超える下落だった。

ドル/円は日中高値の146.90-95円で寄り付いたのち、緩やかな右肩下がり。石破首相の所信表明演説に関心を寄せつつも、基本的にはNY時間の米雇用統計発表にらみ。週末らしい調整に終始押される格好で、目先高値から1円程度下落し145円台を一時示現する局面も観測されていた。16時現在では、辛うじて146円台を回復したものの引き続き安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「中東危機」について。
前者は、2日夕方に石破首相と植田日銀総裁の会談が実施されたことに続き、昨3日にも植田氏と加藤財務相と赤沢経財相の会談が実施されている。日経新聞によると、「2日の首相発言を受けた円安進行と日経平均株価の反発などを協議」したもよう。そうしたなか、石破首相からまたぞろ「日銀と密接に連携しデフレ早期脱却へ政策運営に万全期す」、「金融政策は日銀総裁と同じ認識」−−などとした利上げ慎重発言が聞かれていた。しかし一方で、IMFのコザック報道官からは、内政干渉にも当たりそうな「日銀はインフレ見通しに沿って政策金利を段階的に引き上げていくべき」との発言も聞かれ、一部で物議を醸していたようだ。

後者は、G7首脳から改めて、中東情勢の悪化に対する深い懸念を改めて表明する声明が発表されたほか、中国などが属することで見解の一致が見いだせず機能不全となっている「国連常任理事国」を尻目に、日本など安保理非常任理事国10ヵ国が、「すべての敵対行為の即時停止と国際法上の義務を尊重するよう求めた」共同声明を発表している。そうしたなか、米国務省報道官は「紛争リスク拡大でもイスラエル作戦を支持」と発言。また、バイデン米大統領も「米国がイスラエルのイラン石油施設への攻撃を支援するかを議論している」とコメントし、金融市場の波乱要因に。実際、原油の供給懸念が高まり、WTI先物は8月下旬以来の高値をつける局面も観測されていた。引き続き予断を許さない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日東京時間に147.25円の高値を示現。その後、本日に至るまで何度か147円に接近あるいは一時的に超える局面は観測されているが、昨日高値を抜けるまでには至っていない。ドルの上値は重いと言わざるを得ない状況だ。このあと発表される米雇用統計次第で油断は禁物ながら、基本的にドル上値は重い展開か。たとえ好数字であっても、勢いよく148円そして150円といった一本調子のドル高は予想しにくい気がしている。
日米金融政策が引き続き注目を集めるなか、日銀については先で取り上げたIMF報道官発言が気掛かりながら、基本的には「早期利上げ見通し」が後退したと考えられる。それに対して、米国はまだまだ予断を許さず、そうした意味も含め本日発表される米雇用統計の内容にまずは注目したい。また混迷の度合いが深まる中東情勢も、それとは別にリスク要因としてしっかり注視ておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日1ヵ月ぶりの147円台を示現。再びドル高方向へのリスクが高まった感も見られたが、いわゆる「石破ショック」の起点を超えるレベルまで戻っていたこともあり、そののちは逆に上げ渋りの感も。さらなるドル高の進行には慎重さを求めたい。
対してドルの下値もだいぶ底堅さを醸してきたが、引き続き予断を許さない。しかし、本日NYの米雇用統計発表を経過してなお、146円あるいは145円を維持できれば来週にかけ改めて上値トライが見えてくる。

本日は米経済指標として、9月の雇用統計が発表される予定となっている。ちなみに、市場で注視されている非農業部門雇用者数はプラス15万人、失業率は4.2%ほどが予想の中心か。2日に発表されたADP雇用統計は予想よりも良い内容、それも当月分だけでなく前月分も上方修正されていた。それからすると、本日も好数字が期待できそうだが果たしてどうなるか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.50-147.30円。ドル高・円安方向は、本日東京でとどかなかった147円の攻防にまずは注目。上抜ければ昨日高値の147.25円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた146円レベルが最初のサポート。しっかり下回ると、さらに1円程度の下落も否定できない。

ドル高維持できるか、米雇用統計を注

ドル円日足


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