ドル円 引き続き米指標に注意、中東情勢も気掛かり(10/2夕)

東京市場はドルが上げ渋り。再び144円台へと乗せてくる局面も観測されたが、ドル高の勢いは続かなかった。

ドル円 引き続き米指標に注意、中東情勢も気掛かり(10/2夕)

引き続き米指標に注意、中東情勢も気掛かり

〇東京市場のドル円、144.15-20まで値を上げるも勢い続かず144円割れ「行って来い」の展開
〇141.50-146.50の5円ほどの大レンジ取引、短期的には143.00-144.50の1.5円レンジへ収斂されそう
〇日米金融政策が引き続き注目集めるが、中東情勢は要注視
〇本日、MBA住宅ローン申請指数や9月ADP雇用統計などの米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向、東京高値に当たる144.15-20が最初の抵抗、超えれば144.53がターゲット
〇ドル安円高方向、東京安値143.40-45が最初のサポート、割り込むと21日線目指す展開か
〇欧米時間のドル円予想レンジ:143.20-144.50

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが上げ渋り。再び144円台へと乗せてくる局面も観測されたが、ドル高の勢いは続かなかった。

ドル/円は143.55円前後で寄り付いたのち、ドル買い優勢。寄り付きから500円以上も下げて始まった日経平均株価の動きや、実施された民主党ウォルズ氏と共和党バンス氏による米副大統領候補のテレビ討論会などに一喜一憂しつつ、ドル/円は144円台へ。日中高値である144.15-20円まで一時値を上げたものの、勢いは続かずそののち144円割れとなった。15時現在では寄り付きレベルまで値を下げた「行って来い」の展開をたどるなか、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「石破新政権」と「中東危機」について。
前者は、昨1日に発足したばかりの石破新政権。通常であれば、少なくとも100日程度のあいだを「ハネムーン期間」などと呼び、マスコミ等も悪い材料を流すことを手控えるもの。しかし当の石破氏自身が、正式な首相就任を待たずに約束破りとなる「衆院選は10月27日投開票」とぶちまけたこともあり、いつもとは様相がやや違っているようだ。野党からも、「敵前逃亡内閣」などと不名誉なネーミングを受けている。なお、そんな石破首相は、本日早朝にバイデン米大統領と15分程度の電話会談を行ったもよう。また、引き続き金融市場で根強く燻る「積極的な金融引き締め派」との見方について、赤沢再生相から「石破首相が利上げに前向きとの見方は必ずしも正しくない」とのフォロー発言も聞かれていた。

後者は、事前に「ドイツがレバノンから大使館員らを退避」といった情報や、ロイターによる「米当局者、イランがイスラエルにミサイル攻撃の兆候ありと発言」などと伝えられ、中東危機はいよいよ待ったなしの感。そうしたなか、イスラエル国防軍から「イランがイスラエル標的にロケット弾発射した」との発表が聞かれていた。そののち米補佐官から「イランのミサイル攻撃は失敗した」との発言もあるなど、取り敢えず目立った被害は確かに確認されていない。とは言え、イスラエル首相から「イランは代償払う」と報復を示唆するなど、完全に泥沼化の様相を呈している。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円相場は、前述したように昨日NY時間「イランがイスラエル標的にロケット弾発射」との報道がなされたものの、予想以上に底堅い。下値は143円前後までだった。油断は禁物ながら、ドル下値はだいぶ耐性がついてきたのかもしれない。しかしながら、上値が重いことも確か。短期的には145円を視界内に捉えつつ、なかなか届きそうでとどかない。上抜けた場合には、先週末の「石破ショック」の起点である146円台までの戻りを予想する声も聞かれるが、話はそう簡単でなさそうだ。
日米金融政策が引き続き注目を集めていることは確かで、本日の欧米時間も発表される米経済指標や要人の発言などには要注意。それらを受け、たとえ一時的にせよ乱高下をたどる可能性もある。しかし、それとともに気になるのは中東情勢。イランのミサイル攻撃に対し、イスラエルは報復の構えを見せていることで、全面戦争を懸念する声も本気で聞かれ始めた。続報などには十分な注意を払いたい。なお、今晩日本時間23時から国連安保理が、中東情勢に関して緊急会合を開催すると報じられている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末の146円半ばで当面の上値、週明けの141.65円で同下値を達成した感もある。つまり広めにとれば、おおよそ141.50-146.50円といった5円ほどの大レンジ取引をたどりそうで、短期的にはそれが143.00-144.50円といった1.5円レンジへと収斂されているとも言えそうだ。いずれにしても、まずは後者の1.5円レンジをめぐる攻防に注目したい。

本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数や9月のADP雇用統計などが発表される予定だ。昨日は「イランのミサイル攻撃」報道で影が薄くなってしまったが、発表された9月ISM指数の悪化がドル売りに一時寄与していた面もある。引き続き発表される米指標の内容には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.20-144.50円。ドル高・円安方向は、まず本日東京高値に当たる144.15-20円が最初の抵抗。超えれば昨日示現した144.53円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ごく目先であれば東京安値の143.40-45円が最初のサポート。割り込むと143円前後に位置する21日線を目指す展開か。

引き続き米指標に注意、中東情勢も気掛かり

ドル円日足


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