ドル円144円台をじり高推移、中東情勢緊迫化に方向感定まらず
2日午前の東京市場でドル円はじり高推移。朝方、143.57レベルで取引の始まったドル円は、序盤143.43まで小幅に値を崩したものの切り返し、その後は、積極的買い材料も無い中で、もみ合いながら上昇する展開となりました。正午前には144円台に乗せ、144.03の高値をつけた後、東京時間正午現在は144円ちょうど付近での取引です。
日経平均株価は、昨晩イランによるイスラエルへの弾道ミサイル攻撃が行われたとの報道で、米主要株価指数が軒並み下落した流れを受け売りが先行。中東情勢悪化による原油高の恩恵を得られる可能性のあるエネルギー系銘柄には買いが入った反面、他の多くの業種は売られ、下げ幅は一時700円を超えました。午前の取引は前日比638円安で終了しています。
昨晩海外市場では、発表された9月のISM製造業景況指数が市場予想に届かなかったこと、支払価格も予想を大きく下回ったことから、米長期金利が急低下。ドル円も欧州時間の高値144.53から、142.98まで急落しました。その後イランがイスラエルに対しミサイル攻撃を実施するとの報道に金利、為替ともに乱高下する展開になり、ドル円も143円台をもみ合った後、143.57でアジア時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、基準線(本日143.39レベル)と転換線(同144.07)の間での取引。21日線をクリアしたためややドル買い地合いが強まったと言えるものの、方向感に欠けるチャート形状です。
午前中イラン外相は昨晩の約200発とされるイランの弾道ミサイル攻撃について「更なる報復を招くような決定をしない限り、イランの軍事行動は終了した」と述べる一方、(もし報復した場合)「我々の反応は一層激しく、より強力なものになるだろう」とけん制。これに対しイスラエルのネタニヤフ首相は「イランは今夜、大きな過ちを犯した。その代償を払うことになるだろう」「イランは自国を守り、敵に対して報復する我々の決意を理解していない」と述べており、今後も報復の応酬が続く可能性が高くなっています。
中東の地政学リスクの増大は、ドル円に対しては、ドル買い、円買い双方に働くため方向感が定まりにくいものの、株価、原油価格、米債価格に対する影響は大きく、今晩にかけても中東情勢は引き続き要注意です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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