ドルは143円台後半でのもみ合い、ADP注目だが中東情勢などが重しとなり動意薄か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、地政学リスクに日本株の下落も加わったことから143円台後半でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、8月JOLTS求人件数が市場予想を上回ったものの、9月ISM製造業景況指数が予想を下回ったため長期金利低下に伴うドル売りが優勢となった。また、イランによるイスラエルに対するミサイル攻撃開始が報じられると、中東地政学的リスク上昇を警戒したリスク回避の円買い、安全資産としての米国債が買われ、金利がさらに低下し、ドル売りが加速。一時143円台を割り込む場面も見られた。
東京時間では、12時過ぎにかけてドルがやや買われ144円台を付ける場面がみられたものの、日本株安などが影響してドル買いは続かず。買い一巡後は143円台後半でのもみ合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:143円51銭
高値:144円18銭
安値:143円51銭
終値:143円71銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円83銭
高値:159円62銭
安値:158円71銭
終値:158円98銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円78銭
高値: 99円61銭
安値: 98円75銭
終値: 98円86銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:190円56銭
高値:191円56銭
安値:190円42銭
終値:190円75銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38136円20銭
高値:38213円54銭
安値:37651円07銭
終値:37808円76銭(前日比−843円21銭)
【本日の海外市場の重要指標】
日本時間
20時00分、欧、レーンECBチーフエコノミストが会議出席
21時15分、米、9月ADP雇用者数(前月比)、前回:9.9万人、市場予想:12.1万人
22時00分、米、ハマック・クリーブランド連銀総裁が開会挨拶
23時05分、米、ムサレム・セントルイス連銀総裁が開会挨拶
23時30分、米、週次原油在庫、前回:−447.1万バレル
24時00分、米、ボウマンFRB理事が会議出席
25時15分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁がイベントで講演
25時45分、欧、シュナーベルECB理事がイベントで講演
中国市場は国慶節のため休場(7日まで)
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、FRBが重要視する雇用関連の経済指標に関心が集まりそうだ。8月のJOLTS求人件数は市場予想を上回ったが市場の反応は限定的だった。ADP雇用者数や週末の雇用統計と比べてデータが一カ月遅れていることや、ISM景況指数のネガティブなインパクト、そして、中東情勢に引っ張られた感はある。
1日に誕生した石破政権は「岸田政権で進めた成長戦略」の継承がメインで、独自色としては「地方創生」「日米地位協定の改定」あたりに留まる印象だ。地方創生はシンプルなため、株式市場では関連銘柄の物色が続いているが、日米地位協定の改定は日米安保に関わるテーマで非常に重いため、株式市場、為替市場ともに織り込めそうにない。9日には衆議院を解散し27日に投開票が実施されることから、政治空白がほぼ1カ月発生することで円は方向感を失っていると推測。
米大統領選挙も11月5日に控えていることから、ドルも方向感を失いそうだ。
テクニカルでもどっちつかずの状況である。9月27日の長い上影(上ヒゲ)をじりじりと吸収する動きを見せる可能性がある一方、日足の一目均衡表の転換線や基準線、20日移動平均線を下回り140円台前半でのもみ合いとなる可能性もある。日米の政治イベントを前に積極的なポジション取りは手控えられよう。140円台前半から145円の狭いレンジ相場が一カ月ほど続くと考える。
今晩の海外時間は、ADP雇用者数が想定線の内容であれば、中東情勢も重しとなり様子見姿勢の強い静かな動きとなろう。上値メドは144円50銭、下値メドは143円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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