値動き読みにくい、本日も米指標には注意
〇本日のドル円、日中安値示現後は堅調に推移、144円半ばまで続伸
〇ドル円の方向性、見出しづらい状況続く
〇本日発表の米9月製造業PMI確報、ISM製造業景況指数に要注意
〇ドル高・円安方向、本日東京高値144円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、東京安値143.35-40をめぐる攻防にまず注目
〇ドル円予想レンジ:143.30-144.60
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが堅調裡。上値は重く144円半ばでは上げ渋ったが、そのまま強保ち合い。
ドル/円は143.60-65円で寄り付いたのち、当初ドルは冴えない。143.35-40円へと小緩み、日中安値を示現している。しかし以降はドル堅調裡となり、144円を超えると、そのまま144円半ばまで続伸した。結局144円半ばは重く、超えられなかったが一方で下値も堅い。144.20円レベルをサポートに強保ち合いをたどるなか、16時現在ではそのままドルが高値引けし、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の為替政策」と「米金融政策」について。
前者は、本日東京時間午後に石破自民総裁が第102代首相に正式指名されている。そうしたなか、早朝に発表された日銀短観における「為替想定レート」が一部で話題に。全規模・全産業は「145.15円」、輸出企業・大企業・製造業は「144.96円」とされ、これ以上のドル安・円高が進行するようだと、業績悪化懸念も浮上しかねないと思惑を呼んでいた。一方、それとは別に鈴木財務相からは「為替レートは市場を通じて決定されるべきもの」、「円安は経済にプラスとマイナスの両方の影響を与える」、三村財務官からは「為替の無秩序な動きや過度な変動は望ましくない」、「為替含む金融市場はファンダメンタルズ映し安定推移望ましい」との発言が聞かれていたようだ。
後者は、昨日発表された9月のシカゴ購買部協会景気指数、同ダラス連銀製造業活動指数はともに予想を上回る内容。そうしたなか、アトランタ連銀総裁「0.5%の追加利下げを排除せず」とした弱気コメントが聞かれたものの、そののちパウエルFRB議長から「利下げを急いでいるとは感じていない」とのコメントが発せられ、為替市場では逆にドル買い・円売りが進んでいる。米大幅利下げ観測が後退した感があり、実際金利スワップ市場における「11月の利下げ織り込み」は大きく低下していた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日東京時間にみせた10日ぶりのドル/円の141円台示現を受け、下値不安が再び強まったと思ったのだが、そののちまさかの逆行高。昨日だけで2円以上、本日東京時間を加えると3円近い戻りを達成している。ここ最近は上かと思うと下、下かと思うと上、という天邪鬼相場の連続で方向性をまったく見いだせない。145円を仮に超えたとしても、「石破ショック」の起点である先週末東京高値である146円台回復は厳しい気がするのだが果たしてどう動くか。
日米金融政策が引き続き注目を集めるなか、週末のテレビ番組で石破自民党総裁は「金融緩和基調は変えない」などと発言。それに続き、米国では前述したようにパウエル氏が「利下げを急いでいるとは感じていない」とコメントしていた。つまり、2つを合わせて考えると日米金利差は軽々に縮小するとも思われず、短期的にはドルの支援要因となるかもしれない。とは言え、今週は週末の米雇用統計を中心に重要な指標発表が相次ぐことで、その内容次第では市場からFRBに対し、「大幅利下げ」催促が強まる可能性もある。また、それとは別に、不穏な空気に包まれている中東情勢にも目を配っておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円のトレンドが連日猫の目のように変わり動静が読みにくい。本日東京の動きをみると、明らかにドル高方向のリスクが高そうに思えるのだが、ここ数日は同じように考えてダマされ続けてきた。少なくとも、上値を積極的には買いたくないと思っている。むしろ、143.20円レベルまで下降してきた移動平均の21日線を下回るようだと、素直にドル強気派から撤退したい。
本日は米経済指標として、9月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表される予定となっている。以前より指摘しているように、今週もっとも注視されているのは週末の米雇用統計だが、本日のISM指数などもなかなか重要な経済指標だ。内容如何では相場の変動要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.30-144.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値に当たる144円半ばが最初の抵抗。超えれば145円台回復がみえてくる。
対するドル安・円高方向は、東京安値の143.35-40円をめぐる攻防にまず注目。その少し下には21日線も位置している。割り込むと143円割れも。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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