ドル円見通し 143円割れからの反騰で9月16日以降の高値更新、7月からの円高に対する修正続く(24/9/26)

26日早朝に144.84円へ上昇して9月16日以降の高値を更新した。

ドル円見通し 143円割れからの反騰で9月16日以降の高値更新、7月からの円高に対する修正続く(24/9/26)

143円割れからの反騰で9月16日以降の高値更新、7月からの円高に対する修正続く

〇ドル円、9/25午前序盤に142.91までいったん下げが、9/25午前からはドル高がぶり返す
〇9/25夕刻に144円を突破、9/26早朝144.84へ上昇して9/16以降の高値更新
〇9/25午前から人民元高がやや過剰だったとしてドル高元安となる、人民元の反落もドル高に影響
〇米長期債利回りは総じて反発、NYダウは4連騰の反落、ナスダックは3連騰
〇144円台を維持する内は上昇余地ありとみる、145円到達ではいったん売られやすいと注意する
〇144円を一時的に割り込んでも回復する内は、上昇再開の可能性ありとする

【概況】

ドル円は米FOMCと日銀金融政策決定会合を乱高下しながら9月16日安値139.57円以降の円安基調を維持し、24日夕刻に144.67円まで高値を伸ばしたが、米CB消費者信頼感指数が予想外に大幅悪化したことや中国人民銀の大規模金融緩和方針による元高ドル安に触発されて25日午前序盤には142.91円までいったん下げた。しかし25日午前からは人民元高がやや過剰だったとしてドル高元安に風向きが変わったことと、連騰してきたポンドや豪ドル等が下落に転じたことが重なってドル高のぶり返しとなり、ドル円は夕刻に144円を突破し、米長期債利回り上昇も加わり26日早朝に144.84円へ上昇して9月16日以降の高値を更新した。

25日夜に発表された8月の米新築一戸建て住宅販売件数(季調済、年換算)は前月比4.7%減の71.6万戸、前年同月比は9.8%増だったが市場の反応は鈍かった。
FRBのクグラー理事は25日に9月FOMCにおける0.50%大幅利下げを支持するとし、11月会合での大幅利下げについては具体的に言及しなかったものの今週末の8月PCE価格指数は前年比で2.2%程度に鈍化すると予想し、「インフレが自分自身の予想通りに進展すれば一段の利下げを支持する」とした。

【人民元の反落もドル高に影響】

中国人民銀が24日に預金準備率の引き下げや政策金利引き下げ方針を示したことによる景気回復期待を背景に人民元は対ドルで7.016元へドル安元高となり昨年9月以来の元高水準としたが、過剰反応だったとして26日早朝に7.032元へドル高元安となった。
同様のタイミングでポンドドルも25日午前に1.3420ドル台に付けて2022年9月以降の最高値を更新したところから26日早朝に1.3310ドル台へ急落し、豪ドル米ドルも25日午前に8月5日以降の高値を更新してから失速した。ユーロドルも25日夜に一段高してから急落しており、FOMC通過後のドル安に一服感が出ている印象だ。
上海総合株価指数は24日に前日時4.15%高の急伸となり、25日も一時3%を超える続伸だったものの前日比1.16%高に終わり大半を上ヒゲとした陰線で終了している。

【米長期債利回りは総じて反発、米国株は利食い先行】

9月25日の米長期債利回りは欧州の長期債利回り上昇やドル高のぶり返しを見て総じて上昇した。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.06%上昇の3.79%となった。24日には一時3.81%へ上昇して9月17日に付けた昨年10月以降の最低である3.60%以降の高値としてから失速していたが、25日は前日の低下幅の大半を解消して日足終値としては9月17日以降の最高とした。
30年債利回りは前日比0.05%上昇の4.14%となった。24日は一時4.15%まで上昇してから低下に転じて前日比横ばいとしていたが、25日は前日の低下幅をほぼ解消して10年債同様に終値としては9月17日につけた3.90%以降の最高とした。
政策金利動向に敏感な2年債利回りは一時3.51%へ低下して2023年10月に付けた5.26%以降の最低を更新してから持ち直して前日比0.02%上昇の3.56%となった。

米金利先物市場における11月FOMCでの利下げ幅期待は0.50%利下げで6割、0.25%の通常利下げが4割程度であり、連続して大幅利下げへ向かう期待が高く、2年債利回りはこの動向を反映しているものの10年債利回りはやや上昇し過ぎの印象もある。

一方で米国株式市場はまちまちの動きとなり24日への4連騰で史上最高値を更新したNYダウは利食い売りに圧されて前日比293.47ドル安と下落し、ダウと比較して出遅れてきたナスダック総合指数は前日比7.69ポイント高と小幅ながら23日から3連騰として8月5日以降の高値を更新し、S&P500指数は5741.03まで取引時間中の史上最高値を更新してから利食い売りに圧されて前日比10.67ポイント安と小幅下落に終わった。
全般的に8月5日以降の米国株高基調は継続していることと、米長期債利回りも2年債利回りの低下傾向に反して指標の10年債利回りが9月17日から上昇を維持していることでドル円には押し上げ効果を見せている印象だ。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は9月25日午前の143円割れから一段高したため9月16日以降の上昇基調を継続している。9月24日夕高値を超えたため目先の高値形成期を27日の日中から10月1日にかけての間と想定するが、144円を中心としてやや高値切り上がり気味のジグザグ相場に留まる可能性もあるので145円到達後の反落に注意し、144円割れから続落する場合は143円前後を試す下落を想定する。

60分足の一目均衡表では26日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き返したため、遅行スパン好転中の高値試し優先とし、先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とみる。ただし先行スパンから転落するところからはジグザグ型の騰落における下落期とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は9月26日早朝への上昇で70ポイントを超えてその後も60ポイント台を維持しているのでまだ上昇余地ありとするが、70ポイント台後半は反落注意とする。60ポイント割れからは50ポイント前後への低下を想定するが50ポイント割れを買い戻されるうちは上昇基調の継続とし、50ポイント割れから続落に入る場合はいったん仕切り直しの下落期に入るとみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、144.00円を下値支持線、145.00円を上値抵抗線とする。
(2)144円台を維持する内は上昇余地ありとみる。145円到達ではいったん売られやすいと注意するが、145円超えから勢い付く場合は145.50円前後へ上値目途を引き上げ、144.50円以上での推移なら27日も高値試しへ進むとみる。
(3)144円を一時的に割り込んでも回復する内は上昇再開の可能性ありとするが、143.75円割れからは143円台序盤への下落を想定する。25日午前安値142.91円割れに至らなければその後の上昇で9月16日以降の高値更新へ進む可能性ありとするが、25日安値を割り込む場合は9月16日以降の上昇一巡による下落期入りと考える。

【当面の予定】

9/26(木)
15:00 (独) 10月 GFK消費者信頼感 (9月 -22.0、予想 -22.5)
21:30 (米) 4-6月期 GDP・確定値 前期比年率 (改定値 3.0%、予想 3.0%)
21:30 (米) 4-6月期 GDP個人消費・確定値 前期比年率 (改定値 2.9%、予想 2.9%)
21:30 (米) 4-6月期 コアPCEデフレーター・確定値 前期比年率 (改定値 2.8%、予想 2.8%)
21:30 (米) 8月 耐久財受注 前月比 (7月 9.8%、予想 -2.6%)
21:30 (米) 8月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (7月 -0.2%、予想 0.1%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.9万件、予想 22.5万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 182.9万人、予想 183.8万人)
22:10 (米) コリンズ・ボストン連銀総裁、クーグラーFRB理事、討論会参加
22:20 (米) パウエル米FRB議長、会合挨拶
22:25 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、会合参加
22:30 (欧) ラガルド欧州中銀総裁、会合挨拶

23:00 (米) 8月 NAR住宅販売保留指数 前月比 (7月 -5.5%、予想 1.0%)
23:00 (米) 8月 NAR住宅販売保留指数 前年同月比 (7月 -4.6%、予想 -5.5%)
26:00 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、バーFRB副議長、討論会

9/27(金)
08:30 (日) 9月 東京区部CPI(生鮮食料品除く) 前年同月比 (8月 2.4%、予想 2.0%)
14:00 (日) 7月 景気一致指数CI・改定値 (速報 117.1)
14:00 (日) 7月 景気先行指数CI・改定値 (速報 109.5)
16:55 (独) 9月 失業者数 前月比 (8月 0.20万人、予想 1.35万人)
16:55 (独) 9月 失業率 (8月 6.0%、予想 6.0%)
18:00 (欧) 9月 消費者信頼感・確定値 (速報 -12.9)
18:00 (欧) 9月 経済信頼感 (8月 96.6、予想 96.5)

21:30 (米) 8月 卸売在庫 前月比 (7月 0.3%、予想 0.2%)
21:30 (米) 8月 個人所得 前月比 (7月 0.3%、予想 0.4%)
21:30 (米) 8月 PCE(個人消費支出) 前月比 (7月 0.5%、予想 0.3%)
21:30 (米) 8月 PCEデフレーター 前年同月比 (7月 2.5%、予想 2.3%)
21:30 (米) 8月 コアPCEデフレーター(食品・エネルギー除く) 前月比 (7月 0.2%、予想 0.2%)
21:30 (米) 8月 コアPCEデフレーター(食品・エネルギー除く) 前年同月比 (7月 2.6%、予想 2.7%)
22:30 (米) コリンズ・ボストン連銀総裁、クーグラーFRB理事、会合出席
23:00 (米) 9月 ミシガン大学消費者態度指数・確報値 (速報 69.0、予想 69.3)



注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る