ドル円、約3週間ぶり高値圏へと急上昇。心理的節目145.00突破が射程圏内に(9/26朝)

ドル円は一時144.85まで急伸するなど力強い動きが見られました。

ドル円、約3週間ぶり高値圏へと急上昇。心理的節目145.00突破が射程圏内に(9/26朝)

約3週間ぶり高値圏へと急上昇。心理的節目145.00突破が射程圏内に

〇ドル円、米国時間午後にかけ高値144.85(9/4以来の高値圏)まで上昇
〇5・10日、フィキシングに絡むドル買い、米8月新築住宅販売件数予想を上回る結果等が背景
〇ユーロドル、リスク選好ムードに年初来高値1.1214まで急伸後、米金利上昇等で1.11台前半に反落
〇ドル円、日足が主要テクニカルポイントを上抜け、強い買いシグナルも点灯、地合い好転
〇ファンダメンタルズも円キャリー再開期待、中国金融緩和からの株高期待等がドル円をサポート
〇心理的節目145.00を突破できれば、9/3高値147.21に向けてドル買いが進む可能性も
〇本日、米重要指標、要人発言多く、米国時間のボラティリティ拡大要注意
〇本日の予想レンジ:144.00ー146.00

海外時間のレビュー

25日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値142.91まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦輸入企業の5・10日に絡むドル買い・円売り観測や、(2)中国の大規模金融緩和を好感した世界的なリスク選好ムード(上海総合指数上昇→日経先物上昇→リスク選好の円売り再開)、(3)米8月新築住宅販売件数(結果71.6万件、予想70.0万件)の市場予想を上回る結果、(4)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(5)ロンドンフィキシングに絡むドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値144.85(9/4以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/26午前6時05分現在)では、144.71前後で推移しております。尚、昨日はクーグラーFRB理事より「インフレの進行が続けば更なる利下げを支持する」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

25日(水)のユーロドル相場は年初来高値更新後に急反落。(1)中国の大規模金融緩和を好感した世界的なリスク選好ムードや、(2)直近高値突破に伴う仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが支えとなり、米国時間朝方にかけて、年初来高値1.1214(昨年7/20以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(4)米8月新築住宅販売件数の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)ロンドンフィキシングに絡むドル買いフロー、(7)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1121まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/26午前6時05分現在)では、1.1133前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時144.85まで急伸するなど力強い動きが見られました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、一目均衡表基準線、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けした他、4時間足ベースで強い買いシグナル示唆する「一目均衡表三役好転」が点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による早期利上げ観測の後退(植田日銀総裁は今週「政策判断にあたり時間的な余裕がある」と発言→週末の総裁選でアベノミクス継承派の高市早苗経済安全保障担当相が選ばれれば、日銀による利上げ観測がもう一段遠のく公算大)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落(先週実施された米FOMCが予想されたほどハト派的では無かった他、今週はボウマンFRB理事からも「インフレが依然として目標を上回っているため50bp利下げへの反対は正当化される」「慎重な利下げペースが適切」との発言あり)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(日米金利差に着目した構造的なドル買い・円売り)、(4)中国人民銀行による大規模金融緩和とそれに伴うリスク選好ムードの再開期待(株高→リスク選好の円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

心理的節目145.00を突破できれば、9/3に記録した高値147.21に向けて一気にドル買い・円売りが進む可能性もあるため、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米経済指標(米4ー6月期GDP統計確報値、米8月耐久財受注速報値、米新規失業保険申請件数、米8月中古住宅販売成約指数、米9月カンザスシティ連銀製造業活動指数)に加えて、米当局者発言(パウエルFRB議長、ボストン連銀コリンズ総裁、クーグラーFRB理事、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁)も複数予定されているため、米国時間帯のボラティリティ拡大に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:144.00ー146.00

注:ポイント要約は編集部

約3週間ぶり高値圏へと急上昇。心理的節目145.00突破が射程圏内に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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