ドル円 米利下げ幅は果たして如何に、激しい変動も(9/18夕)

東京市場はドルが弱含み。米FOMCをにらみつつ、「大幅利下げ期待」に幻惑される一日だった。

ドル円 米利下げ幅は果たして如何に、激しい変動も(9/18夕)

米利下げ幅は果たして如何に、激しい変動も

〇東京時間のドル円、寄り付きの142.40-45が日中高値、緩やかな右肩下がりの展開
〇基本的な流れはドル安円高だが、足もとは思いのほか底堅い
〇昨日の米指標好調で大幅利下げ観測やや後退するもロイター「雇用懸念でFRBは0.5%利下げ」と報じる
〇FOMCの「読み」難しく、意見が一本化されていないだけに発表前後の相場が荒れること不可避か
〇年内にFRB合計1.0%程度の利下げといった見方も取り沙汰され、東京時間のドル売りに繋がる
〇ドル高円安方向、東京高値の142円半ばが最初の抵抗、超えると21日線のある143円後半がターゲット
〇ドル安円高方向、短期的に底堅くなった141円巡る攻防注目、下回ると140円接近か割り込む可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジ:140.00-143.50

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが弱含み。米FOMCをにらみつつ、「大幅利下げ期待」に幻惑される一日だった。

ドル/円は、寄り付いた142.40-45円を日中高値にドルは冴えない。緩やかな右肩下がりの展開をたどるなか、142円をあっさり割り込み、夕方には日中安値の141.20-25円まで1円以上も値を下げた。とくに大きな材料があったわけではなく、これまで取り沙汰された「米大幅利下げ期待」が改めて思惑を呼ぶ格好。ドルのジリ安が進むなか、16時現在では141.50-55円で推移し欧米市場を迎えている。
なお、早朝の早い時間帯に「北朝鮮が弾道ミサイルと思しき飛翔体を発射」などと伝えられたが影響は限定的だった。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「イスラエル情勢」について。
前者は、昨日発表された8月の小売売上高や同設備稼働率といった米経済指標が、いずれも予想を上回る好数字。それもあり、18日会合における「米大幅利下げ」観測はわずかに後退したものの、大勢には変化なし。実際、ブルームバーグでは「9月の米利下げ、小売売上高発表後も市場の予想は0.5%に傾く」、ロイターも「雇用懸念でFRBは0.5%利下げ」−−などと報じていた。なお、今回を含めて「年内にFRBは合計1.0%程度の利下げに動く」などといった見方も一部で取り沙汰されており、そうした思惑が本日東京時間のドル売りに繋がっていたようだ。

後者は、イスラエルの隣国レバノンの首都ベイルート郊外や同国南部で爆発があり、親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘員ら1000人以上が負傷したと報じられ、物議を醸していた。イラン外相はレバノン外相と電話会談を実施したうえで、「レバノンでの爆発はイスラエルのテロ行為」と発言したことが明らかになっている。一方、イスラエル放送が、ガラント国防相をサール元司法相と交代させる人事についてネタニヤフ首相とサール氏が最終合意に近づいていると報じていたが、同国の経営者団体は「国の分断と弱体化を招く」などとして、ガラント国防相を解任しないようネタニヤフ首相に求めた、と別に伝えられている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円の基本的な流れはドル安・円高だが、足もとは思いのほか底堅い。週明け16日に一時140円割れを達成したものの、以降はむしろドルの底堅さが目に付く展開だ。とは言え、再び140円割れそして16日安値の139.58円を下回るようだと、138.05円や137.25円などを目指す動きが見込まれている。それに対し、予想外のドル高方向へと振れた場合には、移動平均の21日線が位置する143円後半がターゲットとして意識されそう。
米国の金融政策を決定するFOMCが注目されることは決して珍しいことではないが、今回ぐらい「読み」の難しい会合はそうないだろう。先でも指摘したように「0.5%利下げ」との見方が優勢ではあるものの、「0.25%の利下げにとどまる」といった声も決して少なくはないようだ。どちらにしても意見の一本化、集約されていないだけに、FOMC発表前後の相場が荒れることは不可避かもしれない。激しい変動を念頭に、取引には細心の注意を持って臨みたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は16日の140円割れでドル安第1波は終了した感があり、足もとは小康。本稿執筆時は141円台半ばでの推移だ。
しかし、再三再四指摘しているように本日NY時間には米FOMCの結果発表を控えていることで、平穏は長く続かないのかもしれない。早ければドル安の第2波が本日にも始まる可能性がある。140円割れそして16日安値の139.58円を下回る展開もないとは言い切れない。

本日は米経済指標として、8月の住宅着工件数や同建設許可件数率などが発表されるものの、市場の関心はやはり米FOMCの結果発表。また、それとは別に米下院で「つなぎ予算案の採決」が実施されることで、そちらを警戒する声も一部で取り沙汰されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.00-143.50円。ドル高・円安方向は、まず本日東京高値にあたる142円半ばが最初の抵抗。超えれば、少し遠いが21日線などが位置する143円後半がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足などでみた短期的に底堅さを醸してきた141円レベルをめぐる攻防に注目。しかし、下回ると一気に140円接近あるいは割り込む可能性もある。

米利下げ幅は果たして如何に、激しい変動も

ドル円日足



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