リスクはやはりドル安方向、続落にも注意
〇本日のドル円、ドルが続落、9/11安値140.71も更新し、再び年初来安値更新する局面も
〇WSJが報道したように、来週の米FOMCで0.5%の利下げが実施されるとの見方が取り沙汰される
〇ドル円は再び下値を試す展開、ドルの下落リスクが高い
〇来週の日米の金融政策決定会合に注目集まる、要人発言などをめぐり思惑が交錯する可能性
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは140.60-141.90、ドル高・円安方向は142円レベルが抵抗に
〇ドル安・円高方向は、140.65レベルの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが続落。年初来安値を再び更新する局面も観測されていた。
ドル/円は、寄り付いた141.85円レベルを日中高値にドルは冴えない。むしろ、緩やかなドルの下降をたどる展開で141円を割り込むと、11日に記録した安値140.71円も更新している。来週の米FOMCで0.5%の利下げが実施されるとの見方が取り沙汰され、ドル売り・円買いに寄与していたという。16時現在では小戻した141.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ECB金融政策」について。
前者は、昨日発表された8月の米生産者物価指数は予想通りながら、週間ベースの新規失業保険申請件数はわずかに悪化し、ドル売りに寄与。またそののち、本日東京のドル安進行に繋がるWSJ紙記者による「FRBが来週の会合で0.25%にするか0.5%にするか決めかねている」などとの内容が伝えられ、予想よりも大幅な利下げが実施される可能性が高まったとの見方が広がる格好に。さらに続けて、ダドリー前NY連銀総裁の発言として「9月の0.5%利下げに論拠あり」と報じられたことがダメ押しとなり、ドル/円相場は前述したように東京時間に年初来安値を更新している。
後者は、昨日ECBが政策金利予想通り0.25%引き下げ、3.50%にすると発表。しかし次回利下げについて、ラガルド総裁は「データ次第」といった発言に終始し、明言しなかった。次の理事会までの期間は5週間と通常よりも短いこともあり、ラガルド発言を受けて10月利下げ期待がいくぶん後退したようだ。ただ、そうしたなかイタリア外相が「下げ幅が不十分」などとECBに対する不満を表明。一国ではなく集合体であるが故に、意見を集約することもなかなか難しく、今後もこうした不満が表面化し政治問題となる危険性も取り沙汰されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、再び下値を試す展開。ここ最近は下値追いも一服したと見せかけて、再度ドル安が進行するという動きが目に付くが、今回もまさにそれ。11日に安値140.71円を付けたのち、143円台まで一時戻したのは結果として「ダマシ」だったことになる。いずれにしても、ドルの下落リスクが高いことは間違いない。本日東京安値の140.65円レベルを下回ると昨年12月安値の140.26円、そしていよいよ140円割れが意識されそうだ。
市場は来週予定されている日米の金融政策決定会合に注目。うち日本については「金利据え置き」見込みで、次回利上げは「12月」といった見方が取り敢えずは優勢か。ただ問題は米国で、先で指摘したように「9月0.5%利下げ」見通しが、ここにきて勢いを増してきた。実際の利上げまで要人発言などをめぐり思惑が交錯、不安定な環境下で右往左往する展開が続く可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は一時的にドルが戻す局面が見られても、結局ダマシに終わることが多い。そして基本的なリスクはやはり下向きだ。そうした意味で、本日東京安値の140.65円レベルを下回る攻防にまずは注目をしたい。
それに対するレジスタンスは142円などとなるが、いずれにしても一時的な戻りでトレンド転換したわけではない。常にドルの再下落については念頭に置きたいところだ。
本日は米経済指標として、8月の輸出入物価指数や9月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表される予定となっている。昨日もドル安に振れる最初の一歩は、米指標の悪化からスタートしただけに本日も予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.60-141.90円。ドル高・円安方向は、本日東京で一度も超えられなかった142円レベルが抵抗に。抜ければ昨日高値143.04円がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる140.65円レベルの攻防にまずは注目。下回ると140.26円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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