本日も米指標注目、ただ下値は意外に堅そう
〇本日のドル円、田村日銀委員の発言で一時的に値を崩すも、142円前半では下値が堅い
〇その後ドルは買い戻され、16時現在142.60-65で推移
〇市場は来週予定されている日米の金融政策決定会合に注目
〇本日のECB政策金利発表、0.25%の利下げ予想
〇今夜は米8月生産者物価指数、新規失業保険申請件数の発表予定
〇ドル高・円安方向、東京時間で超えられなかった143円レベルが最初の抵抗か
〇ドル安・円高方向、本日東京安値142.25レベルの攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:142.10-143.50
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが底堅い。本日も日銀審議委員の講演を受け、やや荒っぽい変動をたどるも下値は限定的だった。
ドル/円は142.35円レベルで寄り付いたのち、ややドル買い優勢。日経平均株価が1000円を超える上昇をたどったことなどをにらみつつ、ドルの買い戻しが目に付いた。途中、昨日の中川氏に続き田村日銀審議委員の発言が伝えられ、一時的にドルは値を崩すも142円前半では下値が堅い。そののち再びドル買いは買い戻され、16時現在では142.60-65円で推移し欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「自民党総裁選」について。
前者は、前述したように昨日は日銀の中川委員から「金融緩和の度合いを調整していくことになる」とのコメントが聞かれ、ドル売り・円買いの一因に。それに続き、本日は一説によると「現在の日銀審議委員でもっともタカ派」−−などと言われる田村委員が岡山県で講演を行い、その内容が伝えられていた。タカ派の田村氏らしく「少なくとも1%程度まで利上げが必要」、「物価の上振れリスクが膨らんでいるのではないかと懸念」といった強気コメントが聞かれたが、市場ではほぼ予想の範囲内といった声が多く、実際にそれほど円買いは盛り上がらず。期待外れ、あるいは尻すぼみのままで終了となった。
後者は、本12日に自民党総裁選の告示が行われ、過去最多の9人が出馬を表明した。石破元幹事長や小泉元環境相、高市経済安保担当相などが表明した反面、推薦人集めに苦労した野田聖子氏や斎藤健経産相らは逆に撤退を明らかにしている。また青山繁晴参議院議員は、期限ギリギリまで20人とされる推薦人集めに奔走する考えを示しているが、実際に集めることは難しいとの見方が大勢。結局、先で記した石破氏や小泉氏ら9人で総裁選が実施されることになりそうだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日東京時間に今年の最安値を下回る140.71円を示現。ドルの下値を拡大させており、次のサポートは昨年12月につけた安値の140.26円、そしていよいよ140円割れも意識されている。しかし、短期的には小康を保っており、ドルは思いのほか底堅い。油断は禁物ながら、ドルのさらなる下値模索は、日米の金融政策決定会合をにらみつつ来週へと持ち越しされる可能性もありそうだ。
市場は来週予定されている日米の金融政策決定会合に注目。ただし、日本はともかく米国については、発表される経済指標を受けて具体的な利下げ幅の見通しが二転三転しており、本日も予断を許さない。なお、それとは別に本日はECBによる政策金利発表が予定されており、そちらも警戒されている。ちなみに、市場では「0.25%の利下げ」が実施されるとの見方が大勢だが、果たして「サプライズ」はあるのだろうか。
テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続きドル安方向のリスクがくすぶるものの、目先については円高の動きも一服か。日米の金融政策決定会合が予定されている来週はさておき、今週は昨日の140.71円がドルのサポートとして寄与する可能性もある。
しかしドルの上値も重そうで、144円程度までの戻りはなんとかイメージできるがそれ以上はなかなか難しいか。そう考えると、目先はおおよそ141-144円程度のレンジ取引か。
本日は米経済指標として、8月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。昨日は同消費者物価指数が相場の波乱要因となっていただけに、本日の生産者物価を警戒する向きもある。またECBによる政策金利発表も要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.10-143.50円。ドル高・円安方向は、東京で超えられなかった台替わりとなる143円レベルが最初の抵抗か。抜ければ今週高値の143.80円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる142.25円レベルの攻防にまずは注目だ。下回るとさらに1円程度の下値余地が広がりかねない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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