ドル円 本日も米指標に注目、内容如何で波乱含み(9/4夕)

東京市場はドルが小安い。しかし、大荒れの日経平均株価を横目に、ドル/円は145円挟みの一進一退と比較的平穏だった。

ドル円 本日も米指標に注目、内容如何で波乱含み(9/4夕)

本日も米指標に注目、内容如何で波乱含み

〇東京時間のドル円、日米株価が大きく崩れたことでリスク回避の円買い散見するも下値は限られる
〇いったん持ち直したあとの再下落うけ、16時現在、日中安値圏の144.90前後で推移
〇日経平均株価、今年3番目の下げ幅となる1638円安で大引け
〇昨日のISM製造業景況指数は予想下回るも、雇用指数が回復傾向みせたことが好感されドル買い
〇週末の米雇用統計発表に向け、雇用を中心とした米指標の内容に要注視
〇ドル高円安方向、東京高値145円半ばが最初の抵抗で抜けると昨日下回った21日線が再び意識されそう
〇ドル安円高方向、ごく短期的には144.85-90がサポート、下回ると144.30レベルがターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ:144.30-145.50

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。しかし、大荒れの日経平均株価を横目に、ドル/円は145円挟みの一進一退と比較的平穏だった。

ドル/円は145.45円レベルで寄り付いたものの、ドルの上値は重い。145円半ばからは上げ渋りとなったが、下値も堅く大崩れはせず。時間外のNYダウ先物を含め、日米株価が大きく崩れたことでリスク回避の円買いが一時散見されたが、ドル/円の下値は限られた。とは言え、いったん持ち直したあとの再下落をうけ、16時現在では日中安値圏の144.90円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、先でも簡単に取り上げた日経平均株価は、大引けで1638円安。今年3番目の下げ幅を記録していた。

一方、材料的に注視されていたものは「米経済情勢」と「ガザ情勢」について。
前者は、米金融政策を見極めるうえで注視されている2つの米指標を大きく言うと、「インフレ」と「雇用」。前者は消費者物価などで、後者は雇用統計などになる。そうしたなか、昨日発表された8月のISM製造業景況指数は予想を下回る結果となったが、為替市場の反応はむしろドル買い。これはそのなかに含まれる同雇用指数が回復傾向をみせたこと、具体的には43.4から46.0にアップしたことが好感されていたようだ。メインイシューは週末の米雇用統計発表になるが、それに向け本日以降も雇用を中心とした米指標の内容にはしっかりと注意を払いたい。

後者は、カービー米補佐官から「ガザ停戦交渉の合意は可能」とするやや楽観的な発言が聞かれるも、状況は依然として厳しい。そうしたなか、9月の国連安保理議長国を務めるスロベニアの国連大使は、ガザ早期停戦が実現しない場合、安保理として何らかの新たな行動を検討することになるだろうと述べていた。また、それとは別に国連総会一般討論演説に合わせ、ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザの戦闘など世界的な紛争を協議する首脳級会合が25日に開かれることが明らかになっている。国連憲章や国際法の順守などを盛り込んだ議長声明を発表する方向で調整しているという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、引き続き明確な方向性が定まらない。とは言え、基本的なリスクという意味ではドル安方向にバイアスが掛かる気もしている。テクニカルにも、今週初めにかけてNYクローズで上回っていた移動平均の21日線を再び「しっかり」と下回った感を否めず、イメージはあまり良くない。144円前後を割り込むようだと、8月26日安値の143.45円が視界内に捉えられかねないだろう。
引き続き日米の金融政策が注視されるなか、目先的には発表される雇用関連を中心とした米経済指標の発表に一喜一憂する展開か。本日も7月のJOLT雇用動態調査などが発表されるだけにしっかりと注意を払いたい。一方、日本の自民党総裁選における石破氏の「金融所得課税強化」発言が憶測を呼んでいる感もある。総裁選の行方を含め、続報などもウォッチしておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は大局的な意味で引き続きレンジ内。とは言え、2日そして3日に見せた一時147円台、ドル戻り高を試す動きはダマシだった可能性も取り沙汰されている。むしろ、敢えてリスクを取り沙汰すれば、ドル安方向にバイアスか。実際、本日東京で昨日安値を下回るだけでなく、再び144円台へ。144.30円レベルを割り込んでしまうと143円台、8月26日安値の143.45円がみえてくる。

本日は米経済指標として、7月の製造業受注や同JOLT雇用動態調査などが発表されるうえ、米地区連銀経済報告の公表も予定されている。先でも触れたように、昨日は米指標が波乱要因となったが、本日も引き続き予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.30-145.50円。ドル高・円安方向は、東京高値に当たる145円半ばが最初の抵抗。抜けると昨日下回った21日線が再び意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、ごく短期的には144.85-90円がサポートで、まずはその攻防に注目。下回ると144.30円レベルがターゲットに。

本日も米指標に注目、内容如何で波乱含み

ドル円日足


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