ドル円 米指標に注目、内容次第で激しい上下動も
〇本日のドル円、前日高値を超える147.20レベルを示現するも、その後146円前後まで下落
〇ドル円相場は方向性が定まらない、昨日ドル高が進行し147円台をつけたが本日は一転しドル安進行
〇今週は重要な米経済指標の発表が相次ぐ、最大の材料は週末の米雇用統計
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.60-146.90、ドル高円安方向は146円半ばから後半が最初の抵抗
〇ドル安円高方向は、146円レベルの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが弱含み。一時的に前日高値を超える局面も観測されたが、その後は一転してドル売り優勢だった。
ドル/円は146.90円前後で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。前日高値を超える147.20円レベルを示現した。しかし、高値を付けたのちは一転して下値を試す動き。日経平均とNYダウ先物、日米株価の動きなどをにらみつつドル売りがかさむ展開となり、あっという間に1円以上も下落。146円前後まで値を下げ、16時現在ではそのままドル安値圏で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米経済情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、昨日NYが休場となるなか、今週発表される米経済指標をめぐり様々な憶測が飛び交っていた。とくに関心を集めていたものは、週末に発表される米雇用統計を中心とした雇用関連データについて。ADP雇用統計や週間ベースの失業保険申請件数のほか、ISM製造業景況指数などに含まれる雇用データも注視されていたようだ。そのひとつが、米労働省が先日発表した雇用統計の年次改定と絡めた動き。正式な改定値は2025年1月分に合わせて公表されるが、市場では今回の指標についても先行する格好で予想値の下振れを警戒する声があった。とは言え、逆に言えば悪化警戒が強いだけに、好数字が出た場合にはポジティブサプライズとなる可能性もある。
後者は、ロシアのプーチン大統領が、ノモンハン事件「戦勝」85年の記念式典などに出席するため、国際刑事裁判所(ICC)加盟国のモンゴルに到着。加盟国であるモンゴルは当然逮捕の義務を負うが、実際逮捕は見送られており、ウクライナからも非難の声とともに「遺憾の意」が示されていた。なお、ウクライナのゼレンスキー大統領はオランダのスホーフ首相と会談後、西側諸国に対し供与した兵器の使用制限を撤廃し、ロシア領の奥深くまでの攻撃を容認するよう改めて求めたとともに、一段の兵器供与についても訴えていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、なかなか方向性が定まらない。昨日欧米時間、NYが休場となるなかドル高が進行し147円台をつけたことも驚きだったが、本日東京は一転してドル安が進行。146円前後まで下落するなど元の木阿弥、昨日のドル高進行がまったくなかったことになっている。以前も指摘したが、今週は重要な米経済指標の発表が相次ぐだけに、それらを受けて思惑が交錯。このあとも荒っぽい上下動が続く見込みだ。
引き続き日米の金融政策が注視されるなか、それと絡め今週は重要とされる米経済指標の発表が多く予定されている。なかでも、前段で指摘したように雇用データが大いに注目を集めていることは間違いない。もちろん内容次第だが、本日の欧米時間も波乱含みだ。また、それとは別に日本の自民党総裁選や米大統領選など、情勢がやや不安定な各国政治情勢を警戒する声も聞かれている。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に上抜けた移動平均の21日線をサポートに、昨日147円台へ。しかし、示現した高値(147.17円)は、高値149.40円を起点とした下げ幅の61.8%戻しにほぼ合致するテクニカルポイント。ちょうど良いレベルで上げ止まったと言えるだろう。いずれにしても、それからすると21日線と昨日高値に挟まれた146円台は、なかなか居心地が良さそうなイメージなのだが果たして如何に。
本日は米経済指標として、8月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表される予定となっている。最大の材料は週末の米雇用統計になろうが、本日も指標の内容如何では市場の波乱要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.60-146.90円。ドル高・円安方向は、オファーが再び並び始めた146円半ばから後半が最初の抵抗。抜けると昨日高値147.17円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京でしっかりと割り込めなかった146円レベルの攻防に注目。近くには21日線も位置している。下回ると昨日安値145.78円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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