結果レンジ取引継続、本日も米指標に要注意
〇本日のドル円、144.95前後で寄り付き、日中安値144.65レベルへと小緩むも底堅い
〇ここ最近の143.45-145.17といった狭いボックスを一時上抜けるも、結果として元のレンジへ回帰
〇引き続きボックス相場の様相、143.50-145.50をコアにしたレンジ取引が目先は続く可能性
〇発表される米指標に要注意、本日PCEデフレーターやミシガン大学消費者信頼感指数確報が発表予定
〇ドル円予想レンジは144.30-145.50、ドル高・円安方向は昨日高値145.55がなかなか強い抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値の144.22が最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが底堅い。大きな動意は観測されなかったが、下値は144.65円レベルまでと堅かった。
ドル/円は144.95円前後で寄り付いたのち、日中安値144.65円レベルへと小緩むも底堅い。早い時間帯に7月の完全失業率や8月の東京区部消費者物価など日本の経済指標がまとめて発表されたものの、影響は限られた。ドル/円は144円台後半を中心とした一進一退をたどるなか、16時現在ではほぼ寄り付きと同じレベルで、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「米金融政策」について。
前者は、27-29日に訪中していたサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、習国家主席との会談で、ハリス副大統領の外交姿勢を説明したことを明らかにしている。また中国サイドの発表によると、習氏は「米中首脳会談にも前向きだった」とされ、比較的早いタイミングで電話会談などが実施される可能性も取り沙汰されていたようだ。一方、それとは別に、いわゆる「中国軍機の日本の領空侵犯」問題について中国国防省から「深読みしないように望む」とのコメントが繰り返し聞かれるなか、防衛省の大和防衛政策局長が在日中国大使館の国防武官に「極めて厳重に」抗議したと発表されている。外交だけでなく、防衛ルートでも一応の措置はとられているもよう。
後者は、29日のNY時間に発表された米経済指標、4-6月期のGDP統計改定値や週間ベースの新規失業保険申請件数などはこぞって好数字。それもあり、米長期金利が上昇しドルの買い要因となっていたことは間違いない。そうしたなか、リッチモンド連銀総裁から「インフレは下げたが、まだ道半ば」、アトランタ連銀総裁は「9月利下げを支持するためにはさらなるデータを見たい」−−などと発言していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日報じたここ最近の143.45-145.17円といった2円にも満たない狭いボックスを一時上抜けたものの、値は飛ばず。結果として元のレンジへと回帰してきた。つまり、前記レンジを上方向にやや拡大させただけで、引き続きボックス相場の様相を呈している状況だ。月末の駆け込み需給要因などもあり、油断は禁物だが大まかに143.50-145.50円をコアにしたレンジ取引が目先は続く可能性もある。
市場筋の多くは引き続き日米の金融政策を注視。うち米国については「9月利下げ実施」はほぼ確定ながら、実際の利上げ幅などについては発表される米経済指標を受けて一喜一憂するという状況が続いている。前述したように、昨日は米指標が好数字で市場の弱気見通しがやや後退した感。そうした意味も含め、本日も発表される米指標には注意が必要だろう。強めの数字となれば、昨日高値を超えていく展開もありそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドル安方向へのリスクを残した状況ではあるが、26日安値143.45円をいまだ下回れず、徐々に強いサポートになりつつあるようだ。また、その手前144円台に、これまでは目立ったサポートが見当たらなかったが、昨日安値144.22円など弱いものであれば現在幾つか観測され始めている。少しずつ底堅くなってきたようにも見える状況だ。
逆に上値は、昨日高値145.55円の攻防に注目。超えると146.10-20円までレベルを切り下げてきた移動平均の21日線がターゲットに。
本日は米経済指標として、7月のPCEデフレーターや8月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。昨日も米指標が相場の波乱要因となっていただけに、本日も注意を払いたいところだ。なお、別途実施予定の米・ウクライナ国防相会談も注視されていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.30-145.50円。ドル高・円安方向は、昨日高値145.55円はなかなか強い抵抗。抜けても上値は重そうだが、それでも146円台乗せを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同じく昨日安値の144.22円が最初のサポート。下回ると143円半ばが再び視界内に入りそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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