東京市場のドルは144円台後半で推移、PCEデフレータ発表で下に動くか(24/8/30)

【本日の東京市場】

東京時間（日本時間8時から15時）のドル・円は、しっかりとした日本株の流れに引っ張られ、ややドル買戻しの地合いとなった。

昨晩の海外時間では、4-6月期国内総生産（GDP）、個人消費改定値が予想外に上方修正されたか、米先週分新規失業保険申請件数も減少し、経済や消費、雇用の底堅さが証明されたため長期金利上昇に伴うドル買いに拍車がかかり145円台半ばまでドルは上昇した。

その後、米7月中古住宅販売成約指数が予想に反し低下し、過去最低水準に落ち込みドルは伸び悩んだが、ボスティック・アトランタ連銀総裁が「利下げ決定前に、再利上げのリスクがないことを確認する必要がある」など、連邦準備制度理事会（FRB）の慎重姿勢を示唆。ドル売りの流れは限定的となった。

東京時間では、144円台後半でのもみ合いが続いたが、東京株式市場が大引けにかけて日経平均がやや上げ幅を拡大したことで、ドルがやや買い戻される地合いとなった。なお、朝方に発表された8月の東京都区部の消費者物価指数は、前年同月比2.4％上昇と前月の同2.2％上昇から伸び率が拡大したが、市場への影響は限定的。

ドル・円（日本時間8時―15時）
始値：144円89銭
高値：145円07銭
安値：144円66銭
終値：144円87銭　

ユーロ・円（日本時間8時―15時）
始値：160円55銭
高値：160円73銭
安値：160円19銭
終値：160円46銭

豪ドル・円（日本時間8時―15時）
始値： 98円50銭
高値： 98円64銭
安値： 98円26銭
終値： 98円58銭

ポンド・円（日本時間8時―15時）
始値：190円76銭
高値：190円98銭
安値：190円49銭
終値：190円78銭

日経平均（日本時間9時―15時）
始値：38388円04銭
高値：38669円79銭
安値：38316円87銭
終値：38647円75銭（前日比＋285円22銭）

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

18時00分、欧、8月ユーロ圏消費者物価指数（概算値速報、前年比）、前回：2.6％
市場予想：2.2％
18時00分、欧、8月ユーロ圏消費者物価指数（概算値速報、コア前年比）、前回：2.9％
市場予想：2.8％
18時00分、欧、7月ユーロ圏失業率、前回：6.5％、市場予想：6.5％
19時00分、日、外国為替平衡操作実施状況（月次ベース、7月30日―8月28日）
21時30分、米、7月PCEデフレータ（前月比）、前回：0.1％、市場予想：0.2％
21時30分、米、7月PCEデフレータ（コア前月比）、前回：0.2％、市場予想：0.2％
21時30分、米、7月PCEデフレータ（前年比）、前回：2.5％、市場予想：2.6％
21時30分、米、7月PCEデフレータ（コア前年比）、前回：2.6％、市場予想：2.7％
23時00分、米、8月ミシガン大学消費者信頼感指数（確報値）、前回：67.8、市場予想：67.8

※予定は変更することがございます。

【今晩の海外時間の見通し】

本日の海外時間は、FRBが雇用関連の経済指標同様に重要視するPCEデフレータに注目が集まる。

PCEデフレータの市場予想は、総合指数が前年比2.5％で、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数は同2.7％。パウエルFRB議長は23日のジャクソンホール会議の講演で「金融政策を調整する時が来た」と述べており、市場は次回9月17-18日の米連邦公開市場委員会（FOMC）での利下げ幅が0.25％なのか0.50％なのかが争点となっている。

来週の雇用関連を見極める必要はあるが、今晩のPCEデフレータが市場予想を下回る結果になれば、0.50％幅の利下げ観測が強まる公算が大きい。10年債利回りは低下し、ドルインデックスも低下。瞬間的にドルは143円台に突入する可能性はあるだろう。

テクニカルでは、8月5日の141円68銭で長い下影（下ヒゲ）からの反発を試していたが、20日移動平均線に頭を押さえられ反発は一服。日足の一目均衡表では、基準線、転換線ともに下向きとなっておりトレンドは弱い。143円台では底堅い動きはみられるが、「二番底」への警戒感は残っていると考える。PCEデフレータ発表で一回下に振れる可能性もあろう。

今晩の海外時間は、PCEデフレータ発表のタイミングでいったん下に振れると想定。上値メドは145円50銭、下値メドは143円50銭とする。