ドル円 パウエル発言注視、目先のレンジ放れ期待も(8/23夕)

東京市場はドルが弱含み。一時持ち直しも、終盤にかけドルは再下落へと転じていた。

ドル円 パウエル発言注視、目先のレンジ放れ期待も(8/23夕)

パウエル発言注視、目先のレンジ放れ期待も

〇本日のドル円、一時145.30レベルへ値を下げたが145.90レベルまで持ち直し、終盤にかけ再び小緩む
〇閉会中審査における植田日銀総裁発言、相場の波乱要因となる
〇ここ数日は144.50-147.00といった値動きにとどまる、短期的にはやや方向性を欠いた状況にあるか
〇本日ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長講演が予定されており、レンジ放れの可能性も
〇ドル円予想レンジは144.80-146.60、ドル高・円安方向は昨日高値の146.53が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、145円前後が弱いサポート、下回ると8/21安値144.46がターゲットに

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが弱含み。一時持ち直しも、終盤にかけドルは再下落へと転じていた。

ドル/円は146.25-30円で寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。しかし、注目されていた「閉会中審査」における植田日銀総裁発言を材料に、ドル売り・円買いが進行している。一時145.30円レベルと、日中高値から1円程度も値を下げた。ただ、目先底入れ後はドルも底堅い。145.90円レベルまで持ち直しをたどるなか、16時現在では再び小緩んだ145.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「米金融政策」について。
前者は、本日開催された衆参両院の閉会中審査がやはり相場の波乱要因となった。午前に衆院財務金融委、午後に参院財政金融委で植田総裁と鈴木財務相の聴取が行われ、そのなかでの発言が金融市場で思惑を呼んでいたことは間違いない。鈴木財務相から「デフレから完全に脱していない、後戻りする可能性も」などといった少し抑え目のトーンが聞かれた反面、植田総裁の発言は全体的にタカ派、利上げに積極的という印象だ。「金融市場は引き続き不安定な状況にある」と認識しつつも、「これまでの政策調整を適切だったと考えている」と行動を正当化したうえで、「見通し実現なら緩和調整という基本姿勢は変わらない」などと述べ追加利上げにも含みを持たせていた。

後者は、昨22日の欧米時間に数多くの米経済指標が発表されたものの、その内容は強弱混在。たとえば、7月のシカゴ連銀全米活動指数や8月の製造業PMI速報は予想を下回ったものの、8月のカンザスシティ連銀製造業活動指数などは逆に予想を上回っている。また、ボストン連銀総裁が「FRBの利下げ時期は年内が適切」と述べるなど、先々の利下げを容認しつつもそれほど切迫した雰囲気が感じられなかったことで、利下げ急進派的な傾向に歯止めが掛かったようだ。いずれにしても、それらを受けた本日ジャクソンホール会合におけるパウエルFRB議長発言に注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、本日東京時間を含め上下に振れるなかなか荒っぽい変動ながら、大局的にはほぼレンジ内。実際、ここ数日は144.50-147.00円といった値動きにとどまっている。つまり、短期的にはやや方向性を欠いた状況にあると言えそうで、次なる動意そして方向性にまずは注目だ。前述したように、本日は欧米時間にジャクソンホール会合におけるパウエルFRB議長発言(講演)が予定されていることで、レンジ放れの可能性もあるだろう。
依然としてNYダウなど米株の動きを警戒しつつも、市場の関心は昨日から始まったジャクソンホール会合、なかでもパウエルFRB議長の講演が注視されている。市場では「よりハト派」的なコメントを期待する声もあるが、現実的には「9月利下げを示唆する」程度という従来の見解にとどまるのではと言った見方が有力か。後者の場合には、一部から失望を誘う展開も考えられるが、実際の反応は如何に。

テクニカルに見た場合、ドル/円は前述したように最近144.50-147.00円といったレンジでの往来相場ながら、敢えて言えばリスクはドル安方向に高い。レンジ下限の144.50円を下回ると次のターゲットは143円半ば、そして5日安値141.68円ということになりそうだ。
対してドル高方向は、147円を超えても上値には限界がありそう。移動平均の21日線が位置する148円台前半が強い抵抗として寄与する可能性もある。

本日は米経済指標として、7月の新築住宅販売件数が発表されるものの、市場の関心はやはりジャクソンホール会合。ベイリー英中銀総裁らの講演も実施される予定だが、とくにとなるとパウエルFRB議長による講演にもっとも要注意か。予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.80-146.60円。ドル高・円安方向は、昨日高値の146.53円が最初の抵抗。超えれば当然147円を目指す展開だ。
対するドル安・円高方向は、145円前後が弱いサポートで、下回ると21日安値の144.46円がターゲットに。それを割り込むようだとドル下値は波乱含みに。

パウエル発言注視、目先のレンジ放れ期待も

ドル円日足


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