東京市場のドルは145円台半ばまで値を戻す、23時のパウエルFRB議長講演に注目
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁が「(内田日銀副総裁の金融政策の考えと)違いはない」と説明したことから、市場は安心感が先行。ドルは145円台半ばまで値を戻した。
昨晩の海外時間では、米先週分新規失業保険申請件数が予想通りの水準にとどまり労働市場の急速な減速への懸念が後退、さらに、8月サービス業PMI速報値や7月中古住宅販売件数が予想を上回ったため長期金利上昇に伴いドルの買戻しが強まった。
東京時間では、衆議院財務金融委員会の閉会中審査にて、植田和男日本銀行総裁は「引き続き金融市場は不安定な状況にある」「当面はその動向を極めて高い緊張感をもって注視していく」と述べたほか、「経済・物価の見通しが我々の思っている姿通りに実現する確度が高まると確認できれば、今後、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な姿勢に変わりない」と説明。7月31日の記者会見での発言とほぼ変わらない内容だったことで、「タカ派」姿勢が意識されて、ドルは145円30銭まで下落した。
ただ、午後の参議院財政金融委員会では、「(内田日銀副総裁の金融政策の考えと)違いはない」と説明したことから、市場は安心感が先行。ドルは145円台半ばまで値を戻した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円17銭
高値:146円34銭
安値:145円30銭
終値:145円67銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円46銭
高値:162円63銭
安値:161円69銭
終値:162円08銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円00銭
高値: 98円15銭
安値: 97円57銭
終値: 97円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円36銭
高値:191円58銭
安値:190円38銭
終値:190円97銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38278円18銭
高値:38424円27銭
安値:38053円47銭
終値:38364円27銭(前日比+153円26銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁がCNBC出演
23時00分、米、7月新築住宅販売件数、前回:61.7万件、市場予想:63.1万件
23時00分、米、パウエルFRB議長がジャクソンホール会合で講演
23時35分、欧、レーンECBチーフエコノミストがジャクソンホール会合で講演
24時00分、英、ベイリー英中銀総裁がジャクソンホール会合で講演
25時30分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁がメディア出演
カンザスシティ連銀主催年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)24日まで開催
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、23時頃から行われるジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演に注目が集まる。
FRBは9月17日−18日に開催されるFOMCにて、0.25%の利下げを実施する公算が大きく、今回のパウエルFRB議長講演は、9月利下げ実施に向けた貴重な準備段階となる。7月雇用統計が市場予想を下回る内容となったことなどから、FRBは9月会合前に臨時会合を実施する話や9月会合は0.5%利下げを実施するといった話が盛り上がったが、金融市場は冷静さを取り戻し状態で今晩の議長講演を迎える。過度な警戒感はさほど高まっておらず、9月会合で0.25%の利下げ実施を検討しており、データの弱さを認識している、といった講演内容だった場合、目立った売買材料とはならないと考える。
テクニカルでは、8月5日の141円68銭で長い下影(下ヒゲ)を残し反発した後、二番底を模索するような格好となっている。20日移動平均線や転換線に頭を抑えられており、下を意識した状況にある。トレンドは弱いことから、5日の終値144円17銭を下回った場合、下へのバイアスが強まると想定する。
今晩の海外時間では、パウエルFRB議長の講演に注目。慎重な発言に終始しドルはさほど動かないと想定、上値メドは146円20銭、下値メドは144円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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