ドル円 明日のJ会合にらみつつ米指標などにも注意(8/22夕)

東京市場は乱高下。145円台前半を中心とした一進一退で方向性は乏しかった。

ドル円 明日のJ会合にらみつつ米指標などにも注意(8/22夕)

明日のJ会合にらみつつ米指標などにも注意

〇本日のドル円、方向性に乏しく1円に満たないレンジ取引、16時現在145.30-35で推移
〇本日から始まるジャクソンホール会合、特に明日のFRB議長講演に注目
〇明日開催の衆参両院閉会中審査、日銀総裁の聴取が株価・為替の波乱要因になる可能性も
〇テクニカルには、141.68を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%の攻防に注目
〇本日は米新規失業保険申請件数・8月製造業PMIの発表、結果次第で再びドル安へ向かうか
〇ドル高・円安方向、本日東京高値の145.65レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、昨日安値144.46がかなり強く重要なサポートか
〇ドル円予想レンジ:144.40-145.90

<< 東京市場の動き >>

東京市場は乱高下。145円台前半を中心とした一進一退で方向性は乏しかった。

ドル/円は145.20-25円で寄り付いたものの、明確な方向性は乏しい。145円を下回っても前日安値にはとどかず144.85円レベルで下げ渋った反面、上値も重く高値は145.65円レベルまで。株価などの動きをにらみつつ、1円にも満たないレンジ取引に終始した。16時現在では145.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米経済指標」と「米金融政策」について。
前者は、昨日取り上げた「米労働省による労働統計基準改定」がやはり物議を醸す。ブルームバーグが事前に報じていた「米雇用者数、基準改定で100万人減も」といった予想をする向きもいるにはいたが、予想の大勢は40万人減といったもの。それを大きく下回る「1ヵ月当たりで約6.8万人減、1年間で81.8万人の下方修正」となり、市場にとってはネガティブサプライズとなった。ちなみに、下方修正幅は2009年以来最大。発表後は「労働市場が当初の想定よりはるかに早い段階から減速していた可能性を示唆している」などといった解説も聞かれていたようだ。ジャクソンホール会合などを含め、今後米利下げを後押しする強い一因となりかねない。

後者は、上記のような環境を踏まえたうえで、7月末に開催された米FOMCの議事録要旨が公開され、大多数が「9月利下げ適切」との見解を示すなか、幾人からは「7月利下げの論拠」が指摘されたという。つまり、予想よりも弱い内容だったとの見方もあり、これまでの予想よりも速いペースでの利下げに着手する可能性も取り沙汰されていた。なお先物市場では実際に、次回9月のFOMC会合における「0.5%利下げ」観測が20%程度まで高まったとの指摘もある。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円相場は、予想通りというべきなのか、東京時間と欧米時間で逆方向の動き。東京はとくに夕方に掛けドル高方向への値動きが目に付いたが、欧米はその逆。日中安値を更新する144.46円まで一時値を下げている。それからすると、本日東京はややドル高有利と言える値動きだったものの、果たしてこの後どう動くか。たくさんの米経済指標などが発表されるなか、数字が悪化し失望を誘い市場が再びドル安へと向かう−−などという可能性もある。
引き続きNYダウなど米株の動きを警戒しつつ、市場の関心は本日から始まるジャクソンホール会合に。ちなみに、そのなかでももっとも関心を集めているパウエルFRB議長の講演は明23日に実施される見込みだ。一方、それとは別に少し気になるのは明日の東京時間に開催される衆参両院の閉会中審査。午前に衆院財務金融委、午後に参院財政金融委でそれぞれ2時間半ほど行われ、植田日銀総裁の聴取などが予定されている。発言内容によっては、株価や為替の波乱要因にも。

テクニカルに見た場合、決して一本調子ではないものの、トータルすればドル/円は下値を切り下げつつある感を否めず、ドルはじり安の様相だ。ただ昨日安値144.46円は、以前にもレポートした安値141.68円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しに近く、まだギリギリ下げ止まっているとも言える。まずはその攻防に注目で、割り込むようだと同76.4%押しの143円半ばがターゲットに。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や8月の製造業PMI速報などが発表される予定だ。前者は、先週の相場の波乱要因となっていたうえ、先で取り上げたような「米労働省による労働統計基準改定」もある。大いに注意しておいて、損がないだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.40-145.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の145.65円レベルが最初の抵抗。ただ、146円台で頭は重く上げ渋りそうだ。
対するドル安・円高方向は、前記したように昨日安値がかなり強く、そして重要なサポートか。割り込んでしまうと143円台も。底堅いイメージもあるが・・・。

明日のJ会合にらみつつ米指標などにも注意

ドル円日足



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