東京市場のドルは145円台まで値を戻す、パウエル議長の講演前だが下を警戒か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、東京株式市場の日経平均の動向に連動、上げ幅縮小とともにドル買いも一服し145円台前半まで押し戻された。
昨晩の海外時間では、米労働省労働統計局(BLS)が発表した3月までの年間雇用者数の伸び基準改定の速報値で下方修正された幅が想定内との見方に長期金利が上昇に転じドル買いが強まった。その後、20年債入札の好調な結果、労働市場の減速が確認されたとの見方や連邦準備制度理事会(FRB)が公表した7月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で大多数のメンバーが9月の利下げが適切となる可能性が強いと指摘したほか、数人の高官が7月会合で0.25%の利下げを支持したことが明らかになり、段階的な利下げを織り込むドル売りが加速した。一時144円46銭まで下落。
東京時間では、144円台でスタートした後、東京株式市場で日経平均がじりじりと上げ幅を広げたことからドルがやや買い戻され、145円台半ばまで値を戻す場面が見られた。ただ、日経平均が上げ幅を縮小すると、ドルも買戻し一服となり145円台前半まで押し戻された。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:144円88銭
高値:145円65銭
安値:144円85銭
終値:145円28銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円63銭
高値:162円29銭
安値:161円59銭
終値:161円87銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 97円81銭
高値: 98円14銭
安値: 97円61銭
終値: 97円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:189円68銭
高値:190円57銭
安値:189円64銭
終値:190円04銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38033円78銭
高値:38408円19銭
安値:37883円86銭
終値:38211円01銭(前日比+259円21銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、8月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、前回:45.8、市場予想:45.7
17時00分、欧、8月ユーロ圏サービス業PMI(速報値)、前回:51.9、市場予想:51.7
20時30分、欧、ECB議事録(7月18日開催分)
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:22.7万件、市場予想:23.0万件
22時45分、米、8月製造業PMI(速報値)、前回:49.6、市場予想:49.7
22時45分、米、8月コンポジットPMI(速報値)、前回:54.3、市場予想:53.1
22時45分、米、8月サービス業PMI(速報値)、前回:55.0、市場予想:54.1
23時00分、米、7月中古住宅販売件数、前回:389万件、市場予想:393万件
カンザスシティ連銀主催年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)24日まで開催
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、注目のジャクソンホール会合開催を受けて、様子見姿勢が強まりそうではあるが、ドル一段安の警戒ムードも強く、微妙な状況と言えよう。経済指標や米国株の動向次第では一気に下に動きそうな雰囲気を感じる。
昨晩の海外時間で、ドル・インデックスは一時100.77と昨年12月以来の水準まで下落したほか、ユーロも対ドルで年初来高値を更新。9月FOMCでの利下げ幅は0.25%と見られているが、足元の雇用情勢を鑑みて、23日のジャクソンホール会合にてパウエルFRB議長が踏み込んだ発言をする可能性が意識されている。ドル安のバイアスが強まりやすくなっていることから円高ドル安の地合いは警戒しておきたい。
テクニカルでは、8月5日の141円68銭で長い下影(下ヒゲ)を残し反発した後、二番底を模索するような格好となっている。20日移動平均線や転換線に頭を抑えられており、下を意識した状況にある。転換線、基準線ともに下を向いていることからトレンドは弱い。5日の終値144円17銭を下回った場合、下へのバイアスが強まると想定する。
今晩の海外時間は、週次新規失業保険申請件数やPMIなどをきっかけに下に動くと想定。上値メドは145円80銭、下値メドは144円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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