安値圏から急反発。本日はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演に注目
〇ドル円、米指標の好調と米長期金利の上昇に、米国時間朝方にかけ146.53まで上昇
〇ユーロドル、欧州指標の不冴え、米長期金利の上昇に一時1.11割れ
〇本日、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演に注目集まる
〇講演後は米FRBによる大幅利下げ観測後退→米金利上昇→ドル円上昇の流れが強まるか
〇本日の予想レンジ:145.00ー148.00
海外時間のレビュー
22日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値144.85まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買いや、(2)本邦輸入企業と思しき実需のドル買い・円売り、(3)日経平均株価の堅調推移、(4)カンザスシティ連銀シュミッド総裁による「利下げを支持する前に、さらなるデータを見る必要がある」「雇用統計の年次改定は私の考え方を変えるものではない」との慎重な発言、(5)米8月総合PMI速報値(結果54.1、予想53.2)の市場予想を上回る結果、(6)米7月米中古住宅販売件数(結果395万件、予想394万件)の市場予想を上回る結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値146.53まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/23午前6時40分現在)では、146.28前後で推移しております。
22日(木)のユーロドル相場は高値圏から急反落。欧州時間朝方にかけて、高値1.1166まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前日記録した年初来高値1.1174を背にした戻り売り圧力や、(2)ドイツ8月製造業PMI速報値(結果42.1、予想43.3)の市場予想を下回る結果、(3)ドイツ8月非製造業PMI速報値(結果51.4、予想52.3)の市場予想を下回る結果、(4)ユーロ圏8月消費者信頼感速報値(結果▲13.4、予想▲12.6)の市場予想を下回る結果、(5)米経済指標(米8月総合PMI速報値、米7月米中古住宅販売件数など)の良好な結果、(6)カンザスシティ連銀シュミッド総裁による慎重な発言、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1098まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/23午前6時40分現在)では、1.1111前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時146.53まで反発するなど、予想外に力強い動きとなりました。米労働省による年次ベンチマーク改定値の冴えない結果(2009年以来で最大となる81.8万人の大幅下方修正を記録→ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長がハト派色を強めるのではないかとの思惑拡大→米金利急低下)に端を発したドル円急落分を僅か1日で全値戻しする形となっております。こうした中、本日はジャクソンホール会議(カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール・経済シンポジウム)におけるパウエルFRB議長講演(日本時間23時開始予定)に注目が集まります。パウエルFRB議長は7月のFOMCにて「9月の利下げが検討される可能性がある」と発言しているため、次回9月FOMCでの利下げ実施は織り込み済みとなっております。従って、市場参加者の関心は、パウエルFRB議長が最近の米経済指標の下振れを踏まえて、利下げ「幅」に関する踏み込んだ発言(通常時の2倍となる50bp利下げの可能性についての言及)が見られるか否かに移っています。
当方は9/6に予定されている米8月雇用統計や、9/11に予定されている米8月消費者物価指数を確認するまでは、利下げ幅を決定できないと見ているため、パウエルFRB議長より踏み込んだ発言は出てこないと予測しております。この為、パウエルFRB議長講演後は、週末前のポジション調整も相俟って、米FRBによる大幅利下げ観測後退→米金利上昇→ドル円上昇の流れが強まると予測しております。尚、本日はジャクソンホール会議以外にも、本邦衆参両院の閉会中審査における植田日銀総裁発言にも注目が集まっております(市場の焦点は植田日銀総裁が追加利上げ方針に固執するか否か→可能性は低いものの、追加利上げ方針に固執する場合は、日本株安→円買いの流れが強まる恐れあり)。
本日の予想レンジ:145.00ー148.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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