ドル円 上値重く、リスクはやはりドル安方向か(8/21夕)

東京市場はドルが底堅い。しかし、一時は7日以来の144円台を付ける局面も観測されていた。

ドル円 上値重く、リスクはやはりドル安方向か(8/21夕)

上値重く、リスクはやはりドル安方向か

〇東京市場のドル円、安値144.95レベル示現後は持ち直し1円程ドル高円安が進行、16時現在145.90-95
〇米雇用者数基準改定、ジャクソンホールでのパウエル議長講演に影響与えかねず要注目
〇146円台ではドルの上値重く、再びドル安方向へと向かうリスクが高い可能性も
〇安値141.68起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押し、144.60-65レベルの攻防に注目
〇ドル高円安方向、146円レベルが最初の抵抗、超えても昨日高値147.35は遠く、上値重い
〇ドル安円高方向、ビッドが散見される145.20レベル割り込むと、144.95レベルがターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ:144.80-146.30

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが底堅い。しかし、一時は7日以来の144円台を付ける局面も観測されていた。

ドル/円は145.25円レベルで寄り付いたのち、当初は低位揉み合い。一連の過程のなかでドルは145円を割り込み、日中安値の144.95円レベルへと値を下げた。しかし、じりじりと持ち直すと夕方には146円近くへ。安値から1円程度ものドル高・円安が進行している。16時現在ではそのまま高値圏、145.90-95円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ガザ停戦交渉」と「米金融政策」について。
前者は、これまでパレスチナ自治区ガザの停戦交渉について、米国を中心に楽観論が取り沙汰されていたが、案の定、話はそう簡単でなかったようだ。ブリンケン米国務長官が中東を訪問し、エジプト大統領などとの会談のなかで、米国が示した「橋渡し調停案」を受け入れるようイスラム組織ハマスへの圧力を強める要請をしたものの、結果はパっとしなかった。記者団に対し、「時間が最重要だ」と述べたうえで、数日内に交渉を妥結させる必要があると強調したものの、ハマスは「過激なシオニスト政府(イスラエル)が民間人に対してさらなる罪を犯すことに許可を出すものだ」などと批判する声明を発表。先行きは決して明るくないものと思われるが、果たして早期妥結となるのか注目したい。

後者は、22日から開催される通称「ジャクソンホール会合」への関心が高く、とくに23日に予定されているパウエルFRB議長の基調講演が注視されるなか、ブルームバーグが報じた「米雇用者数、基準改定で100万人減も」との内容が物議を醸す。米労働省の労働統計局(BLS)が21日に発表する基準改定値(速報値)で、3月までの年間雇用者数の伸びが、現在の推定から少なくとも数十万人で下向き方向に改定される公算が大きいという。市場はすでに9月の米利下げを100%織り込んでいる状況だが、ジャクソンホールにおける議長講演にも影響を与えかねない、との見方もあり注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は一筋縄で行かない相場。大きな意味ではほぼレンジ内だが、ここ数日は東京と欧米で方向性がまったく逆になるなど、なかなか難しい値動きが少なくない。それからすると、本日の東京時間はとくに夕方に掛けドル高・円安方向への値動きが目に付く展開だったが、果たして信用できるのだろうか。146円台などでドルの上値は重く、むしろ再びドル安方向へと向かうリスクが高いか。
引き続きNYダウなど米株の動きを警戒する声も少なくないが、ジャクソンホール会合を控え、市場の関心は再び米金融政策へと移行しつつあるようだ。うちもっとも関心の高いパウエル講演は前述したように23日だが、会合そのものは明22日から開催される。本日の欧米時間は、基本的には同会合ならびにパウエル発言をにらみ、思惑の交錯した値動きをたどりそう。一方、それとは別にガザ停戦協議の行方を中心とした中東情勢も、リスク要因としてしっかり注視しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は時間足など短期で上値が少しずつ切り下がる一方で、下値を拡大させている感がある。とくに前者、上値の重さは顕著で本日東京では146円台をつけることすら出来なかった。そうした意味では、徐々にドル安リスクが再燃しつつあるのかもしれない。以前にもレポートした安値141.68円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しは144.60-65円。まずは、同レベルの攻防に注目だ。

本日は目立った米経済指標の発表は予定されていないものの、7月末に開催された米FOMCの議事要旨が公開される見込みだ。こちらにまずは注目。また、それとは別に先で指摘した「労働統計局による基準改定値(速報値)の変更」も場合によっては波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.80-146.30円。ドル高・円安方向は、東京で超えられていない146円レベルが最初の抵抗。ただ、超えても昨日高値147.35円は遠く、上値はやはり重そうだ。
対するドル安・円高方向は、145.20円レベルからビッドが散見されており、目先のドル下値を支えそう。ただ割り込むと、本日東京安値の144.95円レベルがターゲットに。

上値重く、リスクはやはりドル安方向か

ドル円日足



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