東京市場ドルは一時144円台突入、雇用統計の下方修正次第ではドル売り圧力強まるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、144円台を付ける場面もあったが、じりじりと盛り返し145円70銭台まで値を戻した。
昨晩の海外時間では、米8月フィラデルフィア連銀非製造業景況指数が一段と悪化し20年12月来で最低となったため、利下げ観測が強まり、金利は低下。ドル売りに拍車がかかった。日本の追加利上げ観測を受けた円買いも優勢となり145円台前半までドルは下落した。
東京時間スタート直後、8月7日以来となる144円台をつける場面もあったが、東京株式市場が底堅い値動きを見せたことなどから、リスクオンの円買いドル売りは強まらず。日経平均が下げ幅をじりじりと縮小したこともあり、ドルはじりじりと値を戻し145円台後半まで上昇した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:145円12銭
高値:145円79銭
安値:144円94銭
終値:145円67銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円50銭
高値:162円10銭
安値:161円36銭
終値:161円95銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 97円88銭
高値: 98円38銭
安値: 97円80銭
終値: 98円20銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:189円12銭
高値:189円92銭
安値:188円94銭
終値:189円67銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:37653円34銭
高値:38026円02銭
安値:37605円83銭
終値:37951円80銭(前日比−111円12銭)
【本日の海外市場の重要指標】
日本時間
20時00分、欧、パネッタ伊中銀総裁が講演
23時00分、米、米労働統計局が基準改定値(速報値)、市場予想:60万人減少
23時30分、米、週次原油在庫、前回:135.7万バレル
27時00分、米、FOMC議事要旨(7月30日−31日開催分)
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間では、23時00分の米労働統計局が基準改定値(速報値)公表と27時00分の7月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に関心が向かおう。これらの内容次第では、ジャクソンホール会合でのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)の発言にも影響しかねないことから要注目だ。
7月FOMC声明で、労働市場は力強いが過熱していないとし、インフレをもたらすものではないとの見解が示された。また、労働市場の大幅な落ち込みがあれば対応するとし、金融政策の意思決定に際して、従前のインフレ重視から労働市場や景気をより意識したスタンスに軌道修正したことが示された。
本日発表される雇用統計下方修正の証券会社予想は、30万人減少から100万人減少と振れ幅が大きい。また、あくまで速報値のため明確な数字は25年2月の年次改定まで待つ必要がある。ただ、7月FOMCで雇用情勢重視のスタンスに大きく変わった矢先の雇用統計の下方修正なので、市場の関心は非常に高く、警戒感が強まっている。
テクニカルでは、5日に下影(下ヒゲ)を残し反発した後、下値を切り上げていたが、20日移動平均線に頭を抑えられ反発は一服。回復していた転換線水準を再び下回った。先週末から上値が重くなっていることから、週末までは下を意識した地合いを警戒したい。本日の経済指標の内容次第では、景気後退観測が強まりドル売り圧力が増す可能性はあろう。
今晩の海外時間は、予想よりも雇用統計の下方修正幅が大きかった場合、ドル売り圧力が強まると想定する。上値メドは146円50銭、下値メドは144円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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