発表される米指標注意、3日連続の波乱も!?
〇本日のドル円、積極的な売買は控えられ、147円前半を中心とした動きに終始
〇日本GDPや豪雇用統計、中国経済指標などを受け、多少動意付く
〇テクニカルには短期的には上下ともに達成した感も、146-148円をコアとした値動きをたどるか
〇本日は米7月小売売上高、新規失業保険申請件数等に要注目
〇ドル高・円安方向、昨日と本日の高値に当たる147.60レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値の147.05レベルをめぐる攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:146.50-147.90
東京市場はレンジ取引。147円前半を中心とした、やや狭いレンジ取引に終始している。
ドル/円は147.30円レベルで寄り付いたものの、積極的な売買は手控えられた。発表された日本のGDPや豪雇用統計、中国経済指標などを受け、多少動意付くも基本的にはレンジ内。147円前半を中心とした60ポイント足らずの値動きに終始している。16時現在では寄り付きに近い147.20-25円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策など」と「日本の政局」について。
前者は、昨日発表された7月の米消費者物価は予想を下回る内容。前日の13日に発表された同生産者物価に続き、連日で期待を裏切る結果となった。そのため、金融市場においてはドル売り要因とみなされ、初動はドル売りで反応。しかし、米債利回りが予想より低下しなかったことなどで、影響も限られた。ドル/円で言えば146円半ばが底堅い。そうしたなか、ブルームバーグはシカゴ連銀総裁が、物価上昇圧力の後退や軟調な雇用関連データを踏まえ、「インフレよりも労働市場への懸念を強めている」と述べたと報じていた。
後者は、昨日の東京時間にサプライズとして伝えられた「岸田首相の自民党総裁選不出馬の意向」だが、早速あちこちで思惑を呼んでいた。そのひとつは、後継候補に関する話題で様々な政治家の名前が改めて取り沙汰されていたほか、公明党の山口代表は早期の衆院解散・総選挙が実施される可能性に言及。思惑を呼んでいたようだ。当初は来年にずれ込む可能性なども取り沙汰されていたが、9月末の自民党総裁選後、新たな自民党総裁のもと年末に掛けて実施される展開もあり得るだろう。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先で取り上げた米生産者物価と消費者物価という2つの指標が、ともに期待を裏切る結果となるも、レンジ放れまでには至らず。大よそ146-148円というレンジは維持されている。本日も重要とされる米指標の発表が多いことから油断は禁物だが、基本は前述した2円レンジにとどまりそう。次なる動意に向けた束の間の休息、短期的には調整局面が続く可能性も否定できない。
為替市場が落ち着きを取り戻しつつあるなか、日米株価も少しずつ落ち着いてきた。NYダウは昨日クローズベースでも4万ドルの大台を回復している。そんな日米を中心とした株価動向において、ここ最近のような変動が続くか否かいま少し状況を見極めたいところだ。一方、それとは別に予断を許さない中東情勢や、日米政治情勢などが波乱要因として取り沙汰されており、リスク要因としてしっかり注視しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は中長期的なリスクはドル安・円高方向に高そうだが、短期的には上下ともに達成した感があり、レンジ相場入りか。146-148円をコアレンジとした値動きをたどる可能性もある。
しかし、12日高値148.23円をしっかり超えた場合には149円半ばが次のターゲットとなる反面、底割れした際には8日安値の145.43円や145円が意識されそうだ。
本日は米経済指標として、7月の小売売上高や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。前述したように、ここ数日は発表される米経済指標が相場の波乱要因となっているだけに本日も注意を払いたいところだ。また米地区連銀総裁らによる講演なども、内容如何では予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.50-147.90円。ドル高・円安方向は、昨日そして本日高値に当たる147.60円レベルが目先の抵抗。超えれば148.23円を目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の147.05円レベルをめぐる攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも146円半ばそして146円前後では底堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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