ドルは147円台での小動き、米小売売上高は注目だが市場は落ち着きを取り戻す
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、4−6月期GDP速報値が市場予想を上回ったものの、影響は限定的、147円台前半から半ばでの小動き推移となった。
昨晩の海外時間では、連邦準備制度理事会(FRB)が注視している7月消費者物価指数(CPI)コア指数は前年比で4カ月連続の伸び鈍化となった。利下げを正当化する結果となったが、一部の項目でインフレの根強さが示され、7月雇用統計以降強まっていた大幅な利下げ観測は後退。ドル売りも限定的となり147円台半ばまで値を戻した。
東京時間では147円前半から半ばでの小動き推移となった。朝方に伝わった4−6月期GDP速報値は年率換算3.1%増と2四半期ぶりにプラス成長。市場予想を上回る成長だったことで、東京株式市場では、日本株上昇の材料となったものの、為替への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円28銭
高値:147円62銭
安値:147円05銭
終値:147円14銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円22銭
高値:162円46銭
安値:161円95銭
終値:162円00銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 97円22銭
高値: 97円67銭
安値: 96円83銭
終値: 97円39銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:188円94銭
高値:189円35銭
安値:188円76銭
終値:188円96銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:36381円40銭
高値:36885円16銭
安値:36381円40銭
終値:36726円64銭(前日比+284円21銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:23.3万件、市場予想:23.7万件
21時30分、米、8月NY連銀製造業景気指数、前回:−6.6、市場予想:−6.0
21時30分、米、フィラデルフィア連銀景況指数、前回:13.9、市場予想:5.0
21時30分、米、7月小売売上高(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.4%
21時30分、米、7月小売売上高(コア、前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.1%
22時10分、米、ムサレム・セントルイス連銀総裁が講演
22時15分、米、7月鉱工業生産指数(前月比)、前回:0.6%、市場予想:−0.3%
26時10分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁がイベント講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間では、GDPの7割を個人消費が占めていることから7月小売売上高に関心が向かおう。13日の7月生産者物価指数、14日のCPIはともに弱く、9月FOMCでの利下げ実施をほぼ確実とする結果となった。ただ、米景気減速懸念が強まるほどの結果ではなかったことから、ちょうどいい塩梅といったところか。
内閣府が発表した2024年4−6月期名目GDP速報値は、年換算で初めて600兆円を突破した。かつて安倍政権がターゲットとした水準にようやく到達したわけでが、主に円安を背景とした物価上昇の影響が大きく、成長している実感は乏しい。
一方、GDPの半分を占める個人消費が5期ぶりにプラス。春闘での賃上げ効果が顕在化しているとの見方から、7−9月期実質GDPもプラス成長を維持する可能性はある。経済成長を感じる強いGDPの伸び、というわけではなく、年内再度の利上げ実施を後押しする内容でもないが、8月上旬に強まった日本経済・金融政策の先行き不透明感はいくらか和らいだと考える。
テクニカルでは、5日に下影(下ヒゲ)を残した後、反発していたが、148円手前で上値は重くなっている。日足の一目均衡表の転換線を上回ったことで反発基調も強まりそうな状況だったが、勢いは止まった様子。来週22−24日に開催される米ジャクソンホール会合までは、転換線水準でのもみ合い相場となりそうだ。
今晩の海外時間では、小売売上高に注目だが、市場は落ち着きを取り戻していることから反応は限定的か。上値メドは147円80銭、下値メドは146円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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