ドル円 発表される米指標に本日も注意、乱高下の可能性も(8/14夕)

東京市場は結局ドルが小高い。一時146.10円レベルまで下落する局面も見られたが、そこから1円以上も戻している。

ドル円 発表される米指標に本日も注意、乱高下の可能性も(8/14夕)

発表される米指標に本日も注意、乱高下の可能性も

〇東京時間のドル円、岸田首相総裁選不出馬の意向で146.10レベルまで下落
〇その後、急速な戻りを試し日中高値147.30レベル示現
〇米CPI要注視、NY時間に146-148円レンジ超えなければ月末に向け膠着度増すか
〇予断許さない中東情勢や、岸田首相総裁選不出馬受けた日本の政局を海外勢がどう判断するか要注目
〇ドル高円安方向、8/12高値148.23含め148円前後が抵抗として意識、上抜ければ149.40-45ターゲット
〇ドル安円高方向、146.10レベルまで下落するも146円半ばからはビッドも厚く下値は底堅そう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:146.30-148.30

<< 東京市場の動き >>

東京市場は結局ドルが小高い。一時146.10円レベルまで下落する局面も見られたが、そこから1円以上も戻している。

ドル/円は146.80-85円で寄り付いたのち、当初は揉み合い。147円挟みで底堅い値動きをたどるなか、NZドル/円の下げに連れる格好でドル/円も下値を試す展開となった。また、「岸田首相が自民党総裁選不出馬の意向を示した」と伝えられたことも政局不安を醸し、材料視されていたという。ドル/円は一時146.10円レベルまで下落したが、その後は急速な戻りを試す。一転して日中高値である147.30円レベルを示現し、16時現在ではそのまま高値圏をキープ、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の政局」と「中東情勢」について。
前者は、NHKや共同通信が午前10時過ぎに「岸田首相が自民党総裁選不出馬の意向を示した」と報じ物議を醸す。そののち岸田首相は記者会見を開き、「自民党が変わることを示す最初の一歩はわたしが身を引くこと」などと述べ、総裁選不出馬の理由を説明していたようだ。今回の岸田首相の宣言以前から、すでに次期自民党の総裁選は事実上スタートしている感があり、そのひとつとして「石破元幹事長の台湾訪問」なども挙げられている。いずれにしても今回の件を受け、次期総裁選をめぐる動きはさらに加速することになりそうで、場合によっては為替市場の波乱要因にもなりかねない。

後者は、中東情勢がさらに危機的レベルへと達してきた。カービー米大統領補佐官が、「イスラエル攻撃が今週にも行われるかもしれない」と危機感を取り沙汰するなか、イスラエルのメディアは、イランが自国への「報復攻撃」に踏み切った場合、イラン領内に反撃することを欧米諸国に伝えたと報じていた。一方、米ニュースサイトのアクシオスは、「不確実性」を理由に、ブリンケン米国務長官が13日から予定していた中東訪問を延期したと報じている。一触即発も近いか。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、141.68円で目先底値を付けたのち、その調整ともいえるドルの上値追いをたどっていたが、ようやく終了した可能性も取り沙汰されている。12日高値の148.23円がその戻り高値に当たり、実際以降、本日に至るまで相場は概ね146-148円の値動きだ。本日はこのあとのNY時間に注目の米消費者物価指数が予定されていることは気掛かりながら、146-148円のレンジを超えられなければ、月末に向けさらに膠着度を増すことになりそう。動静に注目だ。

欧米時間にもっとも注意すべきは、本日もNYダウを中心とした株価の動き。また、次回FOMCを視界内に捉えつつ、米消費者物価指数の発表にも注意を払いたい。昨日は発表された同生産者物価指数が予想を下回り、一時ドル売りで反応したが、本日も同様の展開をたどらないとも限らない。そのほか前述した予断を許さない中東情勢や、岸田首相総裁選不出馬を受けた日本の政局を海外勢がどう判断するのかといった点にも注意を要したい。

テクニカルに見た場合、ドル/円はなかなか超えられなかった148円レベルを、12日に超えるも定着出来ず。高値161.96円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは149円半ばをメドに続伸しても不思議はないものの、むしろ上値の重さを感じさせる値動きだ。断定するにはまだ早いが、しばらくのあいだ146-148円をコアにしたレンジ相場をたどる可能性もある。ちなみに、上抜けした場合には先の149円半ばが次のターゲットとなる反面、底割れした際には8日安値の145.43円や145円が意識されそう。

本日は米経済指標として、7月の消費者物価指数などが発表される予定となっている。昨日も発表された7月の生産者物価指数めぐり一時ドル売りに振れるなど、相場の波乱要因となっていたことは間違いなく、本日も同様の値動きを懸念する声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.30-148.30円。ドル高・円安方向は、12日高値148.23円を含め、148円前後が引き続き抵抗として意識されている。しかし、しっかり上抜ければ、少し遠いが149.40-45円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京で146.10円レベルまで下落したものの、146円半ばぐらいからはビッドも厚い。下値は底堅そうな雰囲気に変化なし。

発表される米指標に本日も注意、乱高下の可能性も

ドル円日足



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