基本はドル底堅い、発表される米指標に注意
〇東京時間のドル円、日経平均株価と米長期金利の動き材料に148円うかがう動き
〇日経平均株価、終値ベースで1,207円の大幅高、8/2日以来の36,000円台回復
〇ロイター「与野党、8/23に株価乱高下や金融政策巡る衆院財務金融委の閉会中審査開催検討」と報じる
〇本日、7月PPIや週間小売売上高等の米経済指標発表、明日の米CPIにも関心集まる
〇ドル高円安方向、昨日高値148.23が最初の抵抗、上抜ければフィボナッチポイント149.40-45意識
〇ドル安円高方向、146.90-95の攻防に注目、下回っても底堅く短期的には146円台で下げ止まりそう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:147.00-148.50
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドル買い優勢。前日定着できなかった148円を再びうかがう動きとなっている。
ドル/円は147.20円前後で寄り付いたのち、147円を割り込み日中安値を示現。しかし、以降ドルは小じっかりで、夕方に掛けては148円近くと、トータル1円ほどの上昇をみせている。日経平均株価と米長期金利の動きを材料としていた向きが少なくないようだ。16時現在ではドル高値圏147.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、日経平均株価は終値ベースで1207円という大幅高。2日以来となる36000円台も回復している。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「ウクライナ戦線」について。
前者は、ロイターが、株価乱高下や金融政策をめぐる衆院財務金融委員会の閉会中審査について、「与野党が23日午前9時半から開催する方向で検討していることが分かった」と報じており思惑を呼ぶ。参考人として日銀の植田総裁の出席を求める方向、とも言われていた。為替、日本株ともに最悪期を脱した感があるものの、果たして如何なる議論がなされるのか注目だ。
後者は、ロシアへの越境攻撃を行っているウクライナ軍が「28集落を制圧」するなど、2022年2月にロシアが侵攻を開始して以降、最大級の打撃を与えたとみられることが話題に。ちなみにウクライナサイド発表ではなく、ロシアサイドの発表であることから、ロシア側が大ダメージを負っていることはほぼ確かだと思われる。また、この件についてプーチン氏から、「ウクライナはロシア南部への攻撃でロシアを不安定化させようとしているが成功しない」と述べたとされるが、現状は強がりにしか聞こえない。ただし英紙タイムズによると、ウクライナは報復と考えられる「ロシアからの数百発に及ぶ大規模なミサイル攻撃を警戒している」と伝えられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、引き続きドル安基調のなかの戻りを試す動き。昨日、目先の抵抗と見られた148円を超えたものの定着までは出来なかった。そうした意味で上値は重い。しかし、先でも指摘したように本日東京時間に再び148円乗せをうかがう様相で、このあと続伸することが出来るか否かに注目だ。当初は145-148円といったレンジ内での一進一退、次の方向性を探る展開を予想していたのだが、1-2円上方修正させた、たとえば146-150円のレンジ取引をたどる可能性もある。
少しずつ落ち着いてきた感もある日経平均やNYダウなどの日米株価だが、前述したように本日東京で日経平均株価は1207円という大幅高で取引を終えている。依然として油断は禁物という気もしないではない。加えて、本日は発表される米経済指標や要人発言にも要注意。また中東情勢や、ウクライナ軍による巻き返しも活発な状況ながら、世界的な地政学リスクも引き続き市場変動要因として頭にとどめておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は5日に安値141.68円を付けたあとの、ドル戻りを試す展開。昨日ついに148円を一時超えてきた。以前から何度かレポートしているように、高値161.96円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しは149.40-45円。一朝一夕に到達するとも思われないが、本稿執筆時のレベルからは1円以上もドル高が進行しても不思議はないのかもしれない。
対するサポートは、まず本日東京で示現した安値146.90-95円の攻防注目だ。
本日は米経済指標として、7月の生産者物価指数や米レッドブック週間小売売上高が発表される予定となっている。もっとも関心を集めているのは明日の消費者物価指数だが、本日も数字如何では波乱含みとなりかねないだろう。また国連安保理がガザ情勢についての緊急会合を日本時間14日早朝に開催するとしており、そちらも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.00-148.50円。ドル高・円安方向は、昨日高値の148.23円が最初の抵抗。上抜ければ、少し遠いがフィボナッチポイントの149.40-45円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値146.90-95円の攻防にまずは注目。ただし、下回っても底堅そうな雰囲気で、短期的には146円台で下げ止まりそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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