東京市場のドルは147円台後半で推移、リスク選好のドル買い継続か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株の上昇を材料にリスク選好のドル買いが進み、147円台後半まで上昇した。
昨晩の海外時間では、連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事が、「インフレは依然、不快なほど目標値を上回っている」とし、インフレ上振れリスクに言及し利下げに慎重な姿勢を示したため、長期金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。その後、NY連銀の期待インフレ率の低下で年内の利下げ観測に伴い金利が低下に転じたことでドル買いは一服。イランが24時間以内にイスラエルを攻撃する可能性が報じられ、中東地政学的リスクの上昇でリスク回避の円買いが強まり147円台前半までドルは押し下げられた。
東京時間では、朝方147円台を割り込む場面も見られたが、東京株式市場で日経平均が36000円台を回復。大型株中心に買戻しも入ったことで、ドルもじりじりと上昇し、「日本株上昇と円安ドル高」の地合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円14銭
高値:147円82銭
安値:146円92銭
終値:147円65銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:160円87銭
高値:161円70銭
安値:160円64銭
終値:161円53銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 96円94銭
高値: 97円53銭
安値: 96円73銭
終値: 97円36銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:187円85銭
高値:188円91銭
安値:187円59銭
終値:188円72銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:35490円58銭
高値:36232円51銭
安値:35476円79銭
終値:36232円51銭(前日比+1207円51銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、8月独ZEW景況感指数、前回:41.8、市場予想:34.2
18時00分、欧、8月ZEW景況感指数、前回:43.7
21時30分、米、7月生産者物価指数(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
21時30分、米、7月生産者物価指数(前年比)、前回:2.6%、市場予想:2.3%
26時15分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間では、7月生産者物価指数の結果を睨んだ展開ではあるが、引き続きドルしっかりの地合いとなりそうだ。日米政府関係者は足元の株安に関する収束に動いており、市場沈静化につながる発言がやや目立っており、要人発言は追い風になりやすい。
今晩の海外時間で講演が予定されているボスティック・アトランタ連銀総裁(FOMC投票権を保有)は、タカ派でもハト派でもない中立派のため、為替への影響は限定的と考えていたが、市場動向を忖度して「ややタカ派」な発言を行う可能性はある。ここ2カ月ほど目立った発言は観測されておらず、5月31日に行った発言は下記の通りだ。
「適切なら9月の利下げあり得る」
「政治的な理由ではない」
「インフレはゆっくりと低下する見通し」
「7月に利下げは予想しないが、データが裏付けるなら利下げは検討する」
「失業率の急上昇なしにインフレ目標達成を見込んでいる」
「ややハト派」な発言内容に見えるが、5月末時点と現時点では市場環境やインフレ、雇用等のデータが大幅に異なっていることからあまり参考にはならない。日銀同様、市場の安定化を最優先と考えて、「ややタカ派」な発言となってもおかしくはない。
テクニカルでは、5日に下影(下ヒゲ)を残した後、下値をじりじりと切り上げている。日足の一目均衡表の転換線を上回ったことで反発基調も強まりそうな状況だ。200日移動平均線が位置する151円半ばをターゲットにしたいところだが、まずは心理的な節目である150円台が意識されよう。
今晩の海外時間のドルは、地政学リスクを意識しつつも、リスク選好のドル買いを想定して上昇を想定する。上値メドは148円80銭、下値メドは147円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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