ドル円 調整のなかドル戻りメドを確認する展開か(8/8夕)

東京市場はドルが小安い。値幅も1.5円近くと、引き続きなかなかの大相場だったが、それでも徐々に落ち着きを取り戻しつつあるようだ。

ドル円 調整のなかドル戻りメドを確認する展開か(8/8夕)

調整のなかドル戻りメドを確認する展開か

〇本日のドル円、日中安値145.40-45を付けた後にV字回復
〇その後146円台前半を中心とした一進一退をたどり、16時現在146.15-20で推移
〇本日公表の日銀「主な意見」は予想より強気の印象
〇日経平均株価やNYダウなどの乱高下、為替市場の変動要因として引き続き要注意
〇本日は米新規失業保険申請件数、6月卸売売上高、リッチモンド連銀総裁による発言に注目
〇ドル高・円安方向、147円レベルが強い抵抗か、抜ければ昨日高値147.93がターゲットに
〇ドル安・円高方向、本日東京安値の145.40-45が最初のサポート
〇ドル円予想レンジ:144.80-147.00

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。値幅も1.5円近くと、引き続きなかなかの大相場だったが、それでも徐々に落ち着きを取り戻しつつあるようだ。

ドル/円は146.65-70円レベルで寄り付いたのち、ドルは下値を試す展開。1円以上下落し、日中安の145.40-45円まで値を下げた。しかし、一転して買い進まれるとドルはVの字型の回復。全戻しを達成したばかりか、寄り付きを超える146.85-90円を一時示現している。その後は146円台前半を中心とした一進一退をたどり、16時現在では146.15-20円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策など」と「米大統領選」について。
前者は、昨日東京時間に伝えられた内田日銀副総裁の「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」、「最近の内外の金融資本市場の動きは極めて急激で、その動向や経済・物価に与える影響について高い緊張感をもって注視する」−−といった発言が物議を醸すなか、本日東京時間には日銀が7月末に実施した会合の「主な意見」を公表、こちらも市場で話題となっていた。「物価の上振れリスクに対する懸念」や「段階的に利上げを実施する必要がある」といった意見があったという。予想より強気な印象だが、その後の株価大幅安や円急騰などもあり、「主な意見」に変化が生じたのか否か次回会合などに注目だ。

後者は、ハリス副大統領が民主党の大統領候補に正式決定したうえ、副大統領候補として中西部ミネソタ州のワルツ知事を起用したことが明らかになった。それもあり、米大統領選が正式に開始した感があり、早速共和党のトランプ前大統領の陣営がワルツ氏を「危険なリベラルの過激派だ」と攻撃。対して、ワルツ氏もウィスコンシン州とミシガン州で演説に臨み、共和党のトランプ前大統領の批判を行っていたようだ。そうしたなか、CBSニュースは、バイデン米大統領がインタビューで、11月の大統領選でトランプ氏が敗北した場合、平和的な政権移行が行われるとは確信していないと述べた、と報じており一部で話題に。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は7月3日の161.96円を目先高値に、約20円下落した141.68円で目先底入れした感がある。つまり短期的な底値を付けた感があるものの、問題はドルの戻り高値。昨日高値の147.93円がそれにあたるといった見方も一部で取り沙汰されているものの、まだ到達していないとの声が有力か。とするなら、当初はたとえば142-150円などというレンジで、それが徐々にいま少し狭いレンジへと収斂していく展開をたどる可能性もある。
少しずつ落ち着いてきているとはいえ、日経平均株価やNYダウなどは依然として激しい上下動だ。実際、本日の日経平均も800円安といった展開からプラス転し200円高という局面も見られたが、クローズは前日比258円安だった。引き続き波乱含みで、為替市場においても大きな変動要因に。まだまだ予断を許さない。また米大統領選の行方とともに、イスラエルによる報復攻撃の可能性が日に日に高まっている中東情勢もリスク要因として注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は5日141.68円を当面の底値として、昨日147.93円まで戻してきた。おおよそ6円ほど、率にして3割ぐらいの戻しを達成していることになり、高値161.96円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは38.2%戻しの149.40-45円が次の上値メドか。抜ければ150円の大台回復も否定できない。
対するドルのサポートは144円前後か。下回ると、少し遠いが先の5日安値が再び視界内に。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や6月の卸売売上高などが発表される予定となっているほか、米財務省による30年債の定例入札(250億ドル)も実施される見通しだ。リッチモンド連銀総裁による発言機会も予定されており、そちらも一応要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.80-147.00円。ドル高・円安方向は、本日東京でとどかなかった147円レベルがなかなか強い抵抗か。ただ、抜ければ昨日高値147.93円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の145.40-45円が最初のサポート。ただ下回っても144円台では底堅そうで、目先の大崩れは予想しにくい。

調整のなかドル戻りメドを確認する展開か

ドル円日足


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