東京市場のドルは146円水準で推移、日銀に対する疑心暗鬼で方向感乏しいか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日経平均の荒い値動きにつられ、146円台水準での方向感に乏しい動きとなった。
昨晩の海外時間では、内田日銀副総裁のハト派発言を受け日銀が追加利上げに慎重との観測に円の売り戻しが続いたほか、米国10年債入札を控えていたことから利回り上昇に連れドル買いが優勢となった。低調な入札結果を受けて長期金利が一段と上昇しさらなるドル買いが強まったが、同時に株式相場が下落に転じたためリスク回避の円買いに押され、146円台後半で推移した。
東京時間では、日経平均が切り返したタイミングで買われる動きも見られたが、株式市場は引き続き荒い値動きとなったことから、為替市場は短期資金中心の地合い。日経平均が前日比マイナス圏で推移したことからドル買いも一服。午後は146円水準でのもみ合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円53銭
高値:146円88銭
安値:145円43銭
終値:145円97銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:160円11銭
高値:160円52銭
安値:158円96銭
終値:159円64銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 95円47銭
高値: 96円31銭
安値: 94円73銭
終値: 95円64銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円88銭
高値:186円38銭
安値:184円49銭
終値:185円31銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:34645円79銭
高値:35379円65銭
安値:34207円16銭
終値:34831円15銭(前日比−258円47銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:24.9万件
23時00分、米、6月卸売在庫(確報値)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
28時00分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間では、目立った売買材料に乏しいことから、ドルは方向感に乏しい展開となりそうだ。146円水準でのもみ合い地合いとなり、荒い値動きは沈静化を迎える可能性がある。
朝方、日銀が7月30日−31日に開催された金融政策決定会合の「主な意見」が発表された。植田日銀総裁が記者会見で残した「タカ派」ムードは、昨日8月7日の内田日銀副総裁の発言でいったんは打ち消した格好だが、主な意見では「2025年度後半の「物価安定の目標」実現を前提とすると、そこに向けて、政策金利を中立金利まで引き上げていくべきである。中立金利は最低でも1%程度とみているが、急ピッチの利上げを避けるためには、経済・物価の反応を確認しつつ、適時かつ段階的に利上げしていく必要がある。」といった記載があった。この発言主はわからないが、植田日銀総裁が記者会見で発したコメントとほぼ同じであるので、植田日銀総裁の可能性はある。
この主な意見を受けて、日銀は「ハト派」なのか「タカ派」なのか、市場の疑心暗鬼は深まったと言えよう。主な意見は7月30−31日の話なので、最新の内田日銀総裁の発言が、今の日銀のスタンスと考えたいところだが、微妙である。内田日銀副総裁の「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」を信じたいが、株式市場、為替市場、金利市場いずれも方向感を失ったままで、腰を据えた投資資金の流入は期待できそうにない。
テクニカルでは、8月5日の高値146円57銭を明確に上回ったことから反発を強めそうな状況だが、勢いは弱い。5日以降、下値を切り上げているが上値も重いことからドル一段安への警戒は払しょくできていない様子だ。早いタイミングで、日足の一目均衡表の転換線が位置する148円半ば水準を回復したいところだが、手掛けにくい状況か。
今晩の海外時間は、ドルは方向感に乏しい地合いとなりそうだ。上値メドは147円00銭、下値メドは145円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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