油断禁物だが、短期的には調整の動き継続も
〇東京時間のドル円、内田日銀副総裁の発言受け一時147.90レベル示現、上げ渋るも下値堅く強保ち合い
〇株価が落ち着いてくれば短期的には調整の動きが活発化
〇7/3高値161.96起点のフィボナッチ38.2%戻し、149.40-45が当面の戻りメド
〇ドル円の基本的なリスクは円高方向だが、7/5の141.68が当面の底値になるか
〇ドル高円安方向、東京高値147.90レベルが強い抵抗、その手前147円レベルも抵抗となりそう
〇ドル安円高方向は146円レベル、145円半ばと50銭刻みで短期サポート、145円下回ると143.63視界内
〇欧米時間のドル円予想レンジ:144.70-147.70
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが堅調裡。一時148円近くと、日中安値からだけで3円を超えるドル高が進行している。
ドル/円は寄り付いた144.30円レベルをボトムに底堅いが、当初は上げ渋り。しかし内田日銀副総裁の発言を受け、レンジを上振れすると、145円そして146円に続き147円も一気に超えてきた。一時は147.90円レベルを示現している。そのレベルではさすがに上げ渋るも、下値も堅くドルは強保ち合い。16時現在では小緩んだ146.65-70円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策など」と「米大統領選」について。
前者は、早朝に財務省から4-6月の為替介入実績が発表され、そのなかで4月29日に一日の金額としては過去最高となる「5兆9185億円のドル売り・円買い介入を実施」していたことが明らかになった。そうしたなか、内田日銀副総裁は函館市で開いた金融経済懇談会で講演し、「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」などと発言。これが為替や株式市場でとくに材料視されていたという。ドル/円が一時148円近くまで戻す原動力に。また内田氏は、「最近の内外の金融資本市場の動きは極めて急激で、その動向や経済・物価に与える影響について高い緊張感をもって注視する」とも指摘していた。
後者は、民主党候補に確定しているハリス副大統領が、自身の副大統領候補に、中西部ミネソタ州のワルツ知事を起用したことを明らかにした。そして、そのままペンシルベニア州フィラデルフィアの集会に2人そろって姿を見せると、聴衆から拍手喝采が上がったと伝えられている。その一方、共和党のトランプ前大統領の陣営は声明で、先のワルツ知事を「危険なリベラルの過激派だ」と早速攻撃。続けて「米中央部の国民を支えているフリをしている」などと批判していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は7月3日の161.96円を目先高値に最大で20円も下落したが、さすがに下げ止まった感。むしろ、ここ数日はドルの戻り歩調が鮮明だ。ドル買い戻しの理由も具体的に取り沙汰されているものの、ともかく短期的には調整の動きが活発化していることは間違いない。ちなみに昨日もレポートしたように、高値161.96円を起点とした下げ幅のフィボナッチによると、38.2%戻しは149.40-45円。いま一段の戻りがあっても不思議はないのかもしれない。
日経平均株価やNYダウなどは連日激しい上下動をたどっている。前者については、本日東京時間にもザラ場ベースでは一時1000円を超える上昇も確認されていた。とは言え、少しずつだが落ち着きを取り戻しつつあるようで、このあとの欧米市場も基本は米株式の鎮静化を期待も込めてにらむ展開か。株価が落ち着いてくれば、ドル/円も144-148円程度で時間調整の色彩を強めることになりそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクは円高方向だが、少なくとも円高の第一波は終了したようだ。5日の141.68円が当面の底値になった感がある。そして足もとは、141.68円まで約20円下落したことの調整的な巻き戻しが先行しており、おおよそ6円ほど、率にして3割ぐらい戻してきた。先で指摘したフィボナッチのポイント149.40-45円や、150円あたりが当面の戻りのメドか。ただし、徐々に上値も重くなりつつあり、一朝一夕にそれらレベルに到達するか否かは不明だ。
材料的に見た場合、中長期的には、人民銀行が、2020年以来初めて金融市場への短期資金供給を見送ったことが市場の一部で話題になっていた「中国情勢」−−に注目。
本日は米経済指標として、6月の消費者信用残高が発表される予定となっているほか、米財務省による10年債の定例入札(420億ドル)も実施される見通しだ。決まり物はそれぐらいだが、先で指摘したように米民主党の副大統領候補も決定したことで、不安定な株価などを題材にしたさらなる「舌戦」にも要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.70-147.70円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の147.90円レベルがなかなか強い抵抗。そして、夕方に崩れてきた動きからすると、その手前である147円レベルも抵抗となりそうだ。
対するドル安・円高方向は、146円レベルそして145円半ばと50銭刻みで短期のサポートあり。ただ145円を下回ってしまうと、昨日安値143.63円が視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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