ドル円、日銀・FOMC通過後の下落続き、一時148円台半ばまで急落
1日午前の東京市場でドル円は続落。FOMC前後のドル円急落に、朝方149.98レベルの安値圏で取引の始まったドル円は、序盤150円台を回復する局面もありましたが、9時前には失速。日経平均株価が1,000円を超える大幅安となったことも嫌気され、その後もドル売りが続き、10時台には149円割れを示現。ストップロスを巻き込みながら148.51まで安値を拡大しました。しかし、時間外の米長期金利が下げ止まったこともあり、その後はやや戻して東京時間正午現在は149.66での取引です。
日経平均株価は、日銀のサプライズ利上げの余波が続き、更に円高の急速な進行も嫌気され、ほぼ全面安の様相。金利上昇の影響を受けやすいとされる不動産株、円高を嫌う輸出関連銘柄等が下げを主導する中、昨晩米市場でナスダック総合指数が大幅に上げた事で、序盤わずかに持ちこたえていた情報技術系銘柄もマイナス転し、全業種が下げる形となりました。下げ幅は一時1,300円を超えましたが、その後はやや戻し、1,007円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、FOMCの結果公表を前に、今回FOMCでの利下げ実施を警戒する動きが強まり、米長期金利が急低下、発表された米指標の不冴えもあり、ドル円は米国時間に入って150円を割り込んで、一時149.64まで下値を拡大しました。その後は買い戻しが入り、150円台後半でFOMCを迎えました。
注目された米FOMCにおいては、金融政策は据え置かれたものの、声明文では、雇用の伸びが鈍化し失業率が上昇したこと、2%のインフレ目標に向け更なる進展があった事が盛り込まれました。更にFOMCがインフレを警戒しているとの文言が削除され、代わりにインフレ・雇用二つの使命についての両サイドのリスクを警戒しているとの文言に変化しました。
続く議長会見で、パウエル議長は、あくまで今後のデータ次第との従来の原則を強調しつつも、「利下げに近づいているとの感触を得ている」と語り、今回のFOMCでの利下げ実施の可否についても議論されたことを明らかにしました。
また、次回9月会合での政策決定が非政治的なものであり、大統領選の時期とは無関係であること、次の大統領が誰になるかの予測は政策決定に反映されないこと等を改めて明言しています。
結果として今回のFOMC声明文、議長会見は、ともに9月の利下げの可能性を強く匂わせる、これまでになくハト派色の濃い内容となりました。
市場は声明文公表の時点では、昨晩一部で急速に強まっていた、「今回FOMCでの利下げ」織り込みの剥落に米長期金利が急反発。ドル円も151円台を回復する動きとなりました。しかし、パウエル議長の会見を受け米長期金利、ドル円ともに下落に転じ、会見終了後は再び150円割れ。149.61まで下値を広げ、149.98で東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、昨晩の急落で当面の節目と見られていた200日移動平均線をあっさり下抜け、強いドル売り地合いとなっています。当面のターゲットは昨年12月の戻り安値140.25から今年7月高値161.95までの上昇の61.8%戻し148.54。そこを下抜けると同76.4%戻し145.37までの下落余地が広がります。
今週は週末に米雇用統計も控えており、ドル円相場ももう一波乱あることも覚悟する必要がありそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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