ドル円 日米金融会合こなし、落ち着きどころを探る(8/1夕)

東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進行し、連日の安値更新となったが、そののち大きく買い戻されている。

ドル円 日米金融会合こなし、落ち着きどころを探る(8/1夕)

日米金融会合こなし、落ち着きどころを探る

〇本日のドル円、昨日に引き続きドル売り・円買いが優勢、一時148円半ばまで下落
〇底打ち後はV字回復をたどって寄り付きの150円台に戻す
〇日米の金融政策会合こなし、しばらくは落ち着きどころを探る展開か
〇テクニカルには、昨日安値148円半ばをしっかり割り込むと、ドルの下値余地さらに拡大か
〇本日は米7月製造業PMI確報、ISM製造業景況指数等の発表に注意
〇ドル高・円安方向、東京高値150.30-40が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京で示現した148円半ばが重要なサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジ:148.80-150.80

<< 東京市場の動き >>

東京市場は「行って来い」。一時ドル安が進行し、連日の安値更新となったが、そののち大きく買い戻されている。

ドル/円は150円前後で寄り付いたものの、これまでの流れを踏襲する格好でドル売り・円買いが優勢。前日安値149.61円を1円以上も下回る148円半ばまで一時下落した。しかし、底打ち後はVの字型の回復をたどると、夕方にはオープンレベルの150円台へ。16時現在ではそのままドル高値圏、150.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、日経平均株価は一時1300円を超える下落をたどり物議を醸す。そののち若干戻したが、それでも終値は前日比975円安だった。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀の金融政策」と「米金融政策」について。
前者は、昨日東京時間に日銀が予想外の「「0.25%の利上げ」を発表し、為替市場で円買いを支援したが、夕方に伝えられた植田総裁発言が「予想よりもタカ派」などとして、円買いの動きに輪をかけていた。結果ドル/円は昨日だけで4円以上の変動、3月19日以来の150円割れを記録している。なお、そんな植田総裁の発言や姿勢を総括して、ブルームバーグでは「早くも年内追加利上げの見方が浮上」と報じていた。具体的には10月実施説などが取り沙汰されているという。

後者は、開催された米FOMCの結果として、ほぼ事前予想通りの「7月は利下げを見送ったうえで、9月の利下げを示唆」が発表された。「雇用とインフレという2大責務の両面のリスクに留意する」などとしつつ、「早ければ次回9月の会合で政策金利の引き下げが選択肢となり得る」と結論付けていたようだ。こうした一連の動きについて、市場では好意的に解釈する向きが多いほか、予想よりも「わずかにハト派だった」などとする見方が少なくない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日終了した7月のドル/円相場、その月間変動は実に12.35円(149.61-161.96円)にも及ぶ。これはここ数年の月間最高変動だった2022年11月の11.32円を上回るもので、2016年11月の13.36円(101.19-114.55円)以来の大きさだ。そして、おおよそ7月は「月初高・月末安」の展開をたどっており、月末に向けドルの下値余地が大きく広がったようだ。さすがに短期的には売られ過ぎの域に入っているため、一時的な戻りは否定できないものの、基本的なリスクは依然としてドル安方向にバイアスだ。

注目を集めていた日米の金融政策が発表されたが、金融市場は事前予想以上の大荒れとなった。7月30-31日だけで5円以上も動くとは・・・。そんな注目材料をこなしたことで、しばらくは落ち着きどころを探る展開か。発表される米指標や要人発言などに一喜一憂しつつも、これまでほどの乱高下は回避される可能性がある。ただ、引き続き米大統領選の行方が気掛かりなほか、本日でいえば英中銀による政策金利発表も市場への変動要因として一応注意を払っておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京で148円半ばまで下落したが、これは昨年12月安値140.26円を起点とした上昇に対するフィボナッチ61.8%押しに合致する。つまり、重要なフィボナッチポイントで下げ止まったわけだ。重要ポイントで止まったことで、短期的な底入れを見込む向きもあるものの、逆にしっかり割り込んでしまうと次のターゲットは76.4%戻しの145.40円レベルか。ドルの下値余地がさらに拡大しかねないだろう。

本日は米経済指標として、7月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表される予定となっている。昨日FOMCの結果が発表され、当面の米金融政策の方向性が示されたものの、それでも指標の内容如何では思惑が交錯し乱高下する危険性を警戒する向きもある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.80-150.80円。ドル高・円安方向は、東京高値に当たる150.30-40円が最初の抵抗。超えると、下げ足も早かっただけに戻りも早そうで151円台乗せも見えてくる。
対するドル安・円高方向は、前述したように本日東京で示現した148円半ばが非常に重要なサポートだ。ただ、その手前149円や149.30円などがサポートとして意識される可能性もある。

日米金融会合こなし、落ち着きどころを探る

ドル円日足


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