ドルは148円51銭まで急落、落着きたいところだがISM次第では一段安の可能性も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株安なども加わり円高ドル安が加速し、一時148円51銭まで急落する場面が見られた。
昨晩の海外時間では、日銀の利上げ決定や植田日銀総裁のタカ派姿勢を受けて追加利上げ観測も浮上し円買いが加速したほか、ADP雇用統計が予想を下回る伸びとなり、ドル売りも強まった。米連邦準備制度理事会(FRB)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利据え置きを決定。声明では、利下げにはインフレが目標に近づいているさらなる確信が必要と繰り返したため一時ドル買いが強まったが、パウエルFRB議長が9月会合で、利下げが選択肢となる可能性を指摘したためドル売りが再開。151円台まで戻していたドルは150円を再び割り込んだ。
東京時間では、日米金利差縮小を意識した円売りポジションの解消が進み、ドルは下落傾向が継続。株式市場で日本株が急落し日経平均が一時1300円超下げたことも影響しリスク回避の円買いが加速し、3月18日以来の148円台まで売り込まれる場面が見られた。ただ、売り一巡後はドル買戻しが加速し、149円台後半まで値を戻すなど昨日に続き荒い値動きとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円17銭
高値:150円32銭
安値:148円51銭
終値:149円74銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円56銭
高値:162円70銭
安値:160円89銭
終値:162円15銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円29銭
高値: 98円39銭
安値: 97円20銭
終値: 97円84銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:193円06銭
高値:193円25銭
安値:190円97銭
終値:192円43銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38781円56銭
高値:38781円56銭
安値:37737円88銭
終値:38126円33銭(前日比−975円49銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、6月ユーロ圏雇用統計、前回:6.4%、市場予想:6.4%
20時00分、英、英中銀政策金利、前回:5.25%、市場予想:5.50%
20時30分、英、ベイリー英中銀総裁記者会見
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:23.5万件、23.6万件
22時45分、米、7月製造業PMI(確報値)、前回:49.5、市場予想:49.5
23時00分、米、7 月ISM製造業景気指数、前回:48.5、市場予想:49.0
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間では、明日2日の7月雇用統計発表を前に様子見ムードがやや強まると想定する。ドル・円を始め対円の為替市場は、連日で2−4円ほどの乱高下となっていることで、市場参加者もお疲れ気味だろう。
昨日の値幅は4円27銭と、円買い介入があったとみられる7月11日の4円34銭以来の値幅となった。本日は1円54銭と前日比では値幅は小さいが、約4カ月ぶりの148円台突入と忙しい地合いが続いている。目立った下値支持線は見当たらないが、東京時間で長い下影を残したことから、ドル・円は150円水準で落ち着きそうな雰囲気である。
FRBが重要なデータと位置付けている雇用関連の経済指標はここまでまちまちだ。6月JOLTS求人件数は市場予想を上振れた一方、7月ADP雇用者数は市場予想を下振れた。方向性が見えにくいことから明日の雇用統計を見極めたいとするムードは強くなるだろう。
もっとも、7月製造業景気指数が市場予想を大幅に下振れる内容となった場合、年内複数回の利下げ観測が強まることでドル売りが再加速する可能性はある。そろそろ落着きたいところだが、ボラティリティが高まっている地合いを考慮するとドル一段安の展開は意識しておきたい。
今晩の海外時間は、落着きを多少取り戻す展開を想定するが、米経済指標下振れによるドル一段安の展開も頭に入れておきたい。上値メドは151円00銭、下値メドは148円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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