ドル円、円キャリートレードの巻き戻しが継続する中、一時148円台半ばへ急落(8/2朝)

月初1日(木)のドル円相場は急落後に反発するも戻りは鈍い。

ドル円、円キャリートレードの巻き戻しが継続する中、一時148円台半ばへ急落(8/2朝)

ドル円、円キャリートレードの巻き戻しが継続する中、一時148円台半ばへ急落

〇ドル円、材料出尽くし感等に米国序盤に150.88まで反発後、米指標不冴えに149.30台に反落
〇米新規失業保険申請件数、米7月ISM製造業景況指数、米6月建設支出がいずれも景気減速を示唆
〇米金利は低下し、米株は大幅に下落
〇ユーロドル、欧州債利回り低下、株価の軟調等に一時1.0777まで反落、上値重い
〇ドル円、主要テクニカルポイントを下抜け、強い売りシグナルも点灯、地合い極めて弱い
〇ファンダメンタルズも円キャリー巻き戻し、米指標不冴え、株価の下落等がドル円の重石に
〇一時的な反発は騙しとなる可能性が高く、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日は米7月雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均時給)に注目
〇本日の予想レンジ:147.00ー151.00

海外時間のレビュー

月初1日(木)のドル円相場は急落後に反発するも戻りは鈍い。(1)日米金融政策イベント通過に伴うドル売り・円買いの継続(日銀による追加利上げ決定と、米FRBによる次回FOMCでの利下げ示唆)や、(2)上記1を背景とした円キャリートレードの巻き戻し(ドル円・クロス円ロングの大規模解消)、(3)日経平均株価の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)、(4)テクニカル的な地合いの悪化(上昇トレンド崩壊に伴う仕掛け的なドル売り・円買い)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値148.51まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)急ピッチな下落に対する反動買い(押し目買い)や、(6)材料出尽くしに伴うあく抜け感が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値150.88まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)米新規失業保険申請件数(結果24.9万件、予想23.6万件)の冴えない結果や、(8)米7月ISM製造業景況指数(結果46.8、予想48.8)の市場予想を下回る結果、(9)米6月建設支出(結果▲0.3%、予想+0.2%)の市場予想を下回る結果、(10)米金利低下に伴うドル売り圧力、(11)米主要株価指数の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/2午前6時30分現在)では、149.34前後まで反落する動きとなっております。

月初1日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間正午にかけて、高値1.0835まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力や、(2)欧米株の冴えない動き(リスク回避のユーロ売り・ドル買い圧力)、(3)英ポンドの冴えない動き(英ポンド急落→ユーロドル連れ安)、(4)7/30に記録した直近安値1.0797を下抜けたことに伴う仕掛け的なユーロ売り・ドル買いが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0777まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/2午前6時30分現在)では、1.0793前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時148.51まで急落するなど、3/15以来、約4ヵ月半ぶり安値を更新しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限、ボリンジャーミッドバンド)を軒並み下抜けしたことや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「弱気のパーフェクトオーダー」が点灯していること、ダウ理論の上昇トレンドが崩壊したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて弱い(戻り売り優勢)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げ(←訂正 ×利下げ)観測の高まり(7/31に開催された日銀金融政策決定会合で追加利上げが実施された他、植田日銀総裁は記者会見で更なる利上げの可能性を示唆)や、(2)米FRBによる早期利下げ観測の高まり(パウエルFRB議長は9月FOMCでの利下げを示唆)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの巻き戻し、(4)米経済指標の冴えない結果(市場は年3回の利下げ織り込みをスタート)、(5)株式市場の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)など、ドル円相場の更なる下落を連想させる材料が揃っています。

市場ボラティリティが極度に高まっているため、一時的に反発する局面は出てくるものの、上記要因を踏まえると一時的な反発は騙しとなる可能性が高いため、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続(戻り売りスタンスの継続)をメインシナリオとして予想いたします(3/11に記録した安値146.48を試すシナリオを想定)。尚、本日は米7月雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率、平均時給)に注目が集まります。

本日の予想レンジ:147.00ー151.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、円キャリートレードの巻き戻しが継続する中、一時148円台半ばへ急落

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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