思いのほかドル売り意欲強く再下落にも注意
〇ドル円、157円半ばで寄り付き底堅さ見せるも、夕方底割れし156.30レベルに
〇寄り付きから1円を超える下げ幅記録し、下値リスクが拡大
〇トランプ氏「ドル安政策への転換懸念」も円買い要因、金融ファクター絡めば更なるドル安円高も
〇本日、6月シカゴ連銀全米活動指数が発表予定、バイデン氏撤退表明の米大統領選ニュースも要注意
〇ドル高円安方向、短期チャートで抵抗になりつつある157円レベルを確り超えれば158.85が再び視界内
〇ドル安円高方向、156円前後が最初のサポートで、割り込むと先週安値がターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ:156.00-157.20
<< 東京市場の動き >>
週明けの東京市場はドルが弱含み。とくに夕方、下げ足を速めると一段安の展開に。
週末最終盤、日本時間では本日未明に、バイデン氏が米大統領選からの撤退を突然表明し話題をさらう。また、自身の後継候補としてハリス氏を支持する考えを示していた。
そうした状況下、ドル/円は157円半ばで寄り付いた。前述したバイデン氏の選挙戦撤退が相場の波乱要因となることを懸念する声も少なくなかったが、為替市場は思いのほか静か。157.15円レベルで底堅さを醸す動きをたどっていたものの、夕方底割れすると、そのまま一気に日中安値の156.30円レベルへ。16時現在では、そのままドル安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米大統領選」と「中国情勢」について。
前者は、先週末にも米ネットメディアのアクシオスが「党幹部はバイデン大統領が今週末にも大統領選からの撤退を表明するとみている」−−と報じているとレポートしたが、それが現実のものとなった。しかし、バイデン氏は次期選挙への出馬は見送るものの、現在の任期をまっとうする考えを示しており、今度はトランプ氏など共和党サイドがそちらに矛先を向けていたようだ。たとえば、トランプ氏から副大統領候補として指名を受けたバンス上院議員による「出馬できないなら、大統領職を務めることもできない。いますぐ辞任すべきだ」と退陣を要求するコメントが聞かれていたという。
後者は、中国共産党が先週開催した重要会議、いわゆる「3中全会」の決定全文を公表し、習国家主席が掲げる発展モデル「中国式現代化」の推進に向けた詳細を明らかにした。不動産不況への対処として、地方政府に権限を与えるなど不動産制度の改革を進める内容などが示されたが、具体策も乏しく期待外れといった厳しい見方をする向きも少なくない。そうしたなか、米国務長官はラオスで中国外相と今週中に会談する旨を明らかにしたものの、中国商務省が米国の半導体規制に反発のコメントを発するなど、関係改善は簡単でなさそう。「もしトラ」が現実のものとなれば、さらなる対中強硬策に打って出るとの見方もあり、米大統領選と絡めての動きにも注目だ。
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ドル円相場は、週明けの本日東京時間に大幅安。寄り付きから1円を超える下げ幅を記録している。個人的には先週示現した155.37円で目先ボトムを付けたと考え、短期的には156-159円を中心としたレンジ取引を予想していたのだが、先の155.37円は目先ボトムでなかったのかもしれない。もう少し情勢を見極めたいが、思いのほかドルの下値リスクが高い気もしている。
月末に予定されている日米中銀による金融政策発表に注視しつつも、短期的には米大統領選ファクターが相場の波乱要因に。なお、6月末のテレビ討論会で、トランプ氏がバイデン氏に圧勝した際には「内向き政策」や「保護主義強化」が米金利高を長期化させるとの見方からドル買いに反応したが、ここにきてはむしろトランプ氏による「ドル安政策への転換懸念」などが取り沙汰され、むしろ円買い要因となっているかもしれない。これに、今後金融ファクターが絡んでくれば、将来的にはさらなるドル安・円高もありうるか。
テクニカルに見た場合、ドル/円は本日東京時間だけで1円を超える下落をたどっており、下値リスクが拡大しているようだ。一目均衡表の先行帯の雲の上限や移動平均の90日線が位置する156円から156.20円レベルを下回ると、先週安値155.37円が再び視界内に。
ただ、ざっくり言って156-159円をコアレンジとするレンジ相場入りする可能性も否定できず、果たしてドルがどのレベルで下げ止まるのかをまずはしっかりと見極めたい。
本日は米経済指標として、6月のシカゴ連銀全米活動指数が発表される予定となっており、そちらは一応要注意だが、トータル的には材料と呼べるものはさほど多くない。とは言え、前段で取り上げた「もしトラ」あるいは、バイデン氏が撤退を表明した米大統領選に絡むニュースなどには注意が必要だろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.00-157.20円。ドル高・円安方向は、時間足など短期チャートで157円レベルが抵抗になりつつある。ただ、しっかり超えれば先週高値158.85円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、複数テクニカルポイントが位置する156円前後が最初のサポート。割り込むと先週安値がターゲットとなり、その攻防にも注目だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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