ドル円 次の材料にらみつつ、新レンジ形成か(7/19夕)

東京市場は結果行って来い。一時157.90円レベルまで値を上げたが、終盤にかけて勢いは急速に失速した。

ドル円 次の材料にらみつつ、新レンジ形成か(7/19夕)

次の材料にらみつつ、新レンジ形成か

〇本日のドル円、一時157.90レベルまで値を上げたが勢い続かず、終盤に向けては行って来いの相場
〇162円手前でドルの上値トライは終了したと見られ、下値追いも昨日の155.37で一旦終了した可能性
〇155.30-162.00、または156-159円程度の新レンジを形成し、その中で一進一退が続く可能性
〇しかし東京夕方に若干不自然な下げを記録するなど、リスクはドル安方向に高いといった指摘も
〇欧米時間のドル円予想レンジは156.60-158.00、ドル高・円安方向は157.85-90が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、157円レベルをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場は結果行って来い。一時157.90円レベルまで値を上げたが、終盤にかけて勢いは急速に失速した。

ドル/円は157.35-40円で寄り付いたのち、基本的には揉み合い。157.05-55円といったレンジ取引をたどるなか、上抜けるとそのまま日中高値の157.90円レベルまで値を上げている。しかしドル高の勢いは続かず、とくに終盤に向けては完全なる「行って来い」。上げ幅のすべてを吐き出す展開で、16時現在では寄り付きをやや下回る157.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策など」と「米大統領選」について。
前者は、17日にブルームバーグで報じられた河野デジタル相の発言(「円安是正のために日銀が利上げを行うべき」)が物議を醸す。林官房長官から「日銀の金融政策は為替誘導を目的としたものではない」、鈴木財務相は「不用意に市場に影響を与えてはいけない。発言は慎重にするべき」とクギを刺していたようだ。それに対し、当の河野氏は「金利が上がれば円高になるという理論を申し上げただけだ」と弁明したという。一方、それとは別に鈴木財務相は、ブラジル・リオデジャネイロで開催されるG7財務相・中銀総裁会議で「円安懸念」を表明する考えを明らかにしていた。続報などが注視されている。

後者は、6月末のテレビ討論会の失態もあり、以前から指摘されていたバイデン氏の米大統領選撤退観測が再び強まっている。たとえば、昨日はロイターが「米民主重鎮のペロシ氏、バイデン氏撤退要請に全面的な関与」、ワシントンポスト「オバマ元米大統領、バイデン氏は撤退検討が必要と認識」、アクシオス「党幹部はバイデン大統領が今週末にも大統領選からの撤退を表明するとみている」−−など枚挙に暇がない状況となっていた。なお、そうしたなかトランプ前大統領は、共和党大統領候補の指名を受諾し、その流れのまま演説を行っている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円相場はなかなか悩ましいところ。162円手前でドルの上値トライは終了したと考えられる反面、下値追いも昨日の155.37円で一旦終了した可能性が取り沙汰されていた。これが事実とすればおおよそ155.30-162.00円、さすがに広すぎると考えれば156-159円程度の新レンジを形成し、そのなかでの一進一退がしばらく続く可能性もある。ただ、本日も東京夕方に若干不自然な下げを記録するなど、やはりリスクはドル安方向に高いといった指摘もあるようだ。

市場は月内に予定されている日米中銀会合を注視しているものの、見方は二転三転しなかなか定まらない。たとえば日銀についても、植田総裁が利上げを示唆するコメントをこれまで発していたこともあり、「利上げ実施」が有力視されていたと思われるのだが、18日付の日経新聞は「日銀利上げ、消費下振れで7月は無理」と報じていた。実際の金融政策発表まで、日米ともに発表される経済指標や要人の発言に注意を払いたい。また、それとは別に前述したように、一部からは「バイデン氏、今週末にも撤退表明」と伝えられることから、米大統領選ファクターもしっかりとウォッチしておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日155.37円まで一時下落。年初来高値161.96円から半月あまりで6.5円強も下落した計算になる。一目均衡表や移動平均では155.80-00円に複数ポイントが位置しており、それらをザラ場ベースでは一時割り込んだがNYクローズではなんとか維持してきた。ドル安方向にバイアスはかかるものの、先で取り上げた一目均衡表などのテクニカルポイントが位置する156円前後で取り敢えず底堅く推移か。ただ、しっかり割り込むとドルの下値はさらに波乱含みに。

本日はとくに目立った米経済指標の発表などは予定されていない。しかし、NY連銀総裁の討論会参加やアトランタ連銀総裁による発言機会が予定されており、そちらには要注意だ。また、ゼレンスキー大統領と米国のトランプ前大統領との電話会談に注目する向きもある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.60-158.00円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の157.85-90円が最初の抵抗。上抜けると158円台回復も。
対するドル安・円高方向は、157円レベルをめぐる攻防にまずは注目。しっかり下回ると、少し遠いが先で取り上げた一目均衡表や移動平均の複数ポイントが位置する155.80-00円がターゲットに。

次の材料にらみつつ、新レンジ形成か

ドル円日足


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