ドル円 依然レンジ内、関心は11日の米指標発表に(7/10夕)

東京市場は引き続きレンジ取引。しかし、161円半ばを挟んだ高値圏で、年初来高値の更新も意識されていたようだ。

ドル円 依然レンジ内、関心は11日の米指標発表に(7/10夕)

依然レンジ内、関心は11日の米指標発表に

〇ドル円、161円半ばを挟んだ30ポイント強の値動きにとどまるも円売り基調継続
〇本日のパウエル議長議会証言、基本的には昨日と同じ内容が見込まれ、材料視はされにくいか
〇明日の米消費者物価指数発表をにらみ、それまで160-162円のレンジ取引継続か
〇NATO首脳会議ならびに参加国による二国間の首脳会議なども注視
〇ドル高円安方向、東京高値161.60レベルが最初の抵抗。上抜けると161.96ターゲット
〇ドル安円高方向、短期的には161.10-20が弱いサポートになりつつあり下回ると160.74意識される展開
〇欧米時間のドル円予想レンジ:160.80-161.70

<< 東京市場の動き >>

東京市場は引き続きレンジ取引。しかし、161円半ばを挟んだ高値圏で、年初来高値の更新も意識されていたようだ。

ドル/円は161.30円前後で寄り付いたものの、市場は次の材料待ちといった様相で積極的な動意に欠ける。結局、値動きは30ポイント強にとどまる動きながら、流れとしてクロスを含めた円売り基調そのものは継続していたようだ。16時現在では161.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、NZドルが全般弱含み。同国中銀が政策金利の据え置きを発表するなか、対円では99円前後から98円前半へ、一時1円近い下落をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、半期に一度実施されるパウエルFRB議長の議会証言が上院銀行委員会で行われた。そのなかで、「労働市場は強いが過熱してはいない」と述べるなど利下げを示唆するようなコメントも聞かれたが、反面で「信頼が高まるまで政策金利の引き下げは適切ではない」、「第1四半期のデータは信頼を裏付けなかった」−−といった発言も聞かれており、トータル的には予想ほどハト派ではなかった、とする見方がやや多かったようだ。いずれにしても、市場では明11日に発表される米消費者物価指数に注目。その内容が「信頼を高める」ものとなるのか否かをめぐり、たとえ一時的にせよ乱高下をたどる可能性も取り沙汰されていた。

対して後者は、ロシアによるウクライナの小児病院や保育園などへの攻撃がそこここで非難されていた。ゼレンスキー氏から「報復する」との発言が聞かれたほか、安保理の緊急会合が開催され、そのなかでたとえば米国のトーマスグリーンフィールド国連大使から「プーチンは平和に関心がない。侵略戦争のために死と破壊をもたらすことに全力を注いでいる」と非常に強い口調での批判が聞かれている。なお、そうしたなかインドのモディ首相はロシアを訪問し、プーチン氏と会談を実施。そのため、ゼレンスキー氏からは個人名は避けつつも、「血塗られた犯罪者と抱擁する様子を見て、非常に失望した」とするコメントも発せられていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル円相場は、注目のパウエルFRB議長の議会証言をめぐり乱高下をたどったが結局元の木阿弥。過去2週間近く推移している160-162円のレンジを放れることは出来なかった。そんなパウエル議会証言は本日も予定されているが、基本的には昨日と同じ内容が見込まれ、材料視はされにくそう。よって、明日の米消費者物価指数発表をにらみ、本日も基本的にはレンジ取引継続か。上記2円レンジが続く見込みだ。
引き続き日米金融政策が注視されるなか、昨日のパウエル講演は前述したように強気派にとってはやや期待外れだったようだ。それもあり、11日に予定されている米消費者物価指数の内容に期待を寄せる向きもあるようだ。インフレの落ち着きが示されれば、年内利下げ観測が補強されることになるが果たして如何に。なお、それとは別に開幕したNATO首脳会議ならびに、参加国による二国間の首脳会議なども注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は次の材料をにらみつつ、短期的には160-162円といったレンジを形成。本日欧米から明日の東京までは上記の2円レンジにとどまる公算が大きいものの、問題はそのあとか。上放れすれば、実弾介入警戒のなか165円に向けた値動きが予想される反面、底割れなら移動平均の21日線も同時に割り込み、ドルは大幅続落の危険性もありそう。いずれにしろ、当面のヤマ場と言えるかもしれない。
本日は米経済指標として、5月の卸売売上高などが発表される予定となっている。また前日に続き、今度はパウエルFRB議長が下院金融サービス委員会で、半期に一度の議会証言を行う見込み。基本的には昨日と大差なさそうだが、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは160.80-161.70円。ドル高・円安方向は、東京高値の161.60円レベルが最初の抵抗。上抜けると161.96円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期的には161.10-20円が弱いサポートになりつつある感。まずはその攻防に注目だ。下回ると昨日安値160.74円が意識される展開か。

依然レンジ内、関心は11日の米指標発表に

ドル円日足


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