ドル高基調は一応継続、ただ上値重そう
〇本日のドル円、上値重く161円に届かず、一時円買い優勢となり160.25前後まで下落
〇下値も堅くV字型の戻りとなり、16時現在日中高値圏160.85-90まで反発
〇本日は新規材料がやや乏しいため、基本は160円台を中心とした一進一退か
〇テクニカルにはドル高基調継続だが、地合いはやや不安定、調整は不可避か
〇今週は半期に一度のパウエルFRB議長の議会証言に要注目
〇ドル高・円安方向、東京で超えられなかった161円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、先週末、本日東京と2度下げ止まった160.30前後の攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:160.30-161.40
<< 東京市場の動き >>
週明けの東京市場は一進一退。一時160円割れをうかがう様相を呈するも、続かなかった。
週末に実施されたフランス国民議会選挙は、予想外ともいえる結果で「左派政党連合が第1党」に。一方、先月末のテレビ討論会以降バイデン氏の米大統領選撤退の動きが加速しており、週末にもマサチューセッツ州知事から辛辣な発言が聞かれていた。
そうした状況下、ドル/円は160.70円レベルで寄り付いたものの、上値は重い。一度も161円にはとどかなかった。むしろ、日米金利の動きなどをにらみつつ、一時円買いが優勢となり、160.25円前後まで下落したが下値も堅く、結果は「行って来い」。Vの字型の戻りから、16時現在では日中高値圏の160.85-90円まで反発し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「各国選挙結果」と「米大統領選」について。
前者は、実施されたイラン大統領選決選は改革派ペゼシュキアン氏が勝利。プーチン氏や習中国主席が祝電を送ったと伝えられるも、新大統領は米国の制裁の解除に向けて、イラン核合意再建の公約を守る意向を表明するなど強硬路線からの変更を示唆していた。今後の動きに注目だ。それに対し、投開票されたフランスの国民議会選は予想外の結果。左派連合が第1党となる見通しで、過半数を確保して次期政府の組閣を狙っていたルペン氏率いる極右政党・国民連合は第3党に沈む見込みとされていた。一方、日本の都知事選は事前予想通り、現職の小池氏が圧勝。有力対抗馬と目されていた前参院議員の蓮舫氏は2位にも入れず、3位で惨敗となった。
対して後者は、前述したように先週末にもバイデン氏が所属する民主党のマサチューセッツ州知事から辛辣な発言。具体的には「米国民の声に耳を傾け、トランプを打ち負かす最善の希望であり続けるかどうか慎重に判断するよう促す」−−とのコメントが聞かれていた。またNYタイムズによると、そんなヒーリー知事のほか「撤退を求める下院議員は10人に拡大した」と伝えられている。なお、外堀が少しずつ埋められてきた当のバイデン氏だが、ABCのインタビューでまた「やらかした」ようだ。「わたしは日本に予算を増加させた男だ」と発言したが、これが失言だったと報じられている。また、認知機能検査を強固に拒否したこともマイナスポイント、と専門家には分析されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル円相場は先週162円にはとどかず反落に転じたものの、目先の分岐点と考えていた160円割れは辛うじて回避。したがって、ドル高基調差のものはまだ続いていると考えられる。とは言え、以前ほど強気になり切れないのは確かであり、本日東京をみても161円から上はかなり重そう。むしろ、発表される米経済指標などの内容如何になるものの、再度ドル売りに振れる展開には要注意だろう。
依然として日米金融政策が注視されるなか、今週も発表された米経済指標とともに、実施される半期に一度のパウエルFRB議長の議会証言に要注目だ。ただ、本日は新規材料がやや乏しいため、基本は160円台を中心とした一進一退か。一方、それとは別に前述したように週末に結果が判明したイラン大統領選決選、そしフランス国民議会選の結果を受けた金融市場の反応にも、一応注意を払っておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は辛うじてドル高基調の継続が確認されたものの、地合いはやや不安定。以前からレポートしているように、160円をしっかり割り込めば黄信号が点灯することになるという状況に変化はない。価格だけでなく、時間的にも上値追いの余裕はそれほど大きくなく、やはり調整は不可避という気もしている。いずれにしても、上値におけるドル買いには慎重さが必要だろう。
本日は米経済指標として、5月の消費者信用残高が発表される見込みだ。それほど関心の高い指標ではないが、先週発表された米経済指標が総じて悪化しただけに、通常以上に米指標への関心が高いとの指摘もあり一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは160.30-161.40円。ドル高・円安方向は、東京で超えられなかった161円レベルが最初の抵抗。上抜けると先週末高値161.39円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末そして本日東京と2度下げ止まった160.30円前後の攻防にまずは注目。下回っても基本は底堅いが、それでも160円割れを否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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