ドルは連日の高値更新、流れ変わらず
〇本日のドル円、日中安値示現後じり高推移に、夕方161.75-80を付け前日高値をわずかに更新する局面も
〇ドルの高値更新は早くも3日連続となり、162円方向に向けた値動きが予想される
〇実弾介入警戒もあり動きは比較的緩やかだが流れは依然ドル高、同時に下げに対するリスクも一応注意
〇ドル円予想レンジは161.00-162.10、ドル高・円安方向は161.75-80をめぐる攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、160円後半から161円が最初のサポートに
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小幅続伸。162円にはとどかなかったが、前日高値を5ポイントほど上回る局面も。
ドル/円は161円半ばで寄り付いたのち、161.40円レベルへと小緩み日中安値を示現。しかし、以降は一転してドルがじり高推移をたどると、夕方には161.75-80円を付け、前日記録した高値161.72円をわずかに更新する局面も観測されていた。なお、そうしたなか鈴木財務相から「為替に関する考え方はこれまで通り」といった口先介入が聞かれたが、影響はほとんど見られていない。16時段階でもドルは高値圏、161.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策など」と「欧州金融政策」について。
前者は、昨日発表された米経済指標はまちまちながら、総じていえば悪い内容の指標が多かった。とくに注視されていた6月の製造業PMI、同ISM製造業景況指数はともに予想を下回る内容で、市場も直後はドル売りで反応。しかし、米10年債利回りが思ったほど下がらず、むしろ再上昇へと転じたことなどを受け、為替市場も結局ドル買い・円売りに押されていた。ブルームバーグによると、トランプ氏の米大統領返り咲きを念頭に「インフレ加速のすべてが現実のものになるとの観測が広がった」結果だという。
対して後者は、ユーロ圏やドイツの製造業PMI、ドイツ消費者物価−−などが発表されるなか、ユーロの金融政策についても市場で話題となっていた。ECB理事会メンバーでもあるリトアニア中銀総裁は、「7月利下げ可能性は消えた」と発言したうえで、「年内に2回の追加利下げを行う可能性はある」とコメント。また、ベルギー中銀総裁は「理論的には7月も選択肢のひとつだが、実際には慎重にならざるを得ない」、ラガルド総裁は「仕事は終わっていない。警戒を維持する必要がある」−−と述べていたもよう。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル円相場は連日の高値更新。本日を含めドルの高値更新は、早くも3日連続となった。基本的なリスクは引き続きドル高方向に高いと言わざるを得ず、162円方向に向けた値動きが予想されている。しかし、当然ながらレベルなどを勘案しての実弾介入には要注意だし、各種メディア報道で一段の円安を予想する向きが急に増え始めていることも気掛かり。相場格言の「人の行く裏に道あり花の山」−−ではないが、むしろ反転に注意するタイミングに入りつつあるとも考えられる。
市場は7月以降の日米金融政策を注視。また米大統領選ファクター、いわゆる「もしトラ」も足もとはドル高要因として捉えられているようだ。しかし後者の「もしトラ」、米大統領選におけるトランプ氏の勝利は、逆にドル売り要因ではないか、といった見方もある。実際、前回の大統領就任時には「日本は何年も円安誘導している」(2017年1月31日)などと述べ、金融市場で物議を醸したこともあった。「トランプ米大統領誕生=ドル高」という構図は早計であると考えられる。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場はすでに明確な上値メドが見当たらない。実弾介入警戒もあり、動きは比較的緩やかだが流れは依然としてドル高だ。基本は162円を目指す展開が続きそう。
しかし、2022年ぐらいからのドル高サイクルをみると、最短では目先安値から10円程度、7-8週間の上昇でピークを迎えている。円買い介入でも観測されれば、下げも早いだけにそちらのリスクも一応念頭に入れておきたい。
本日は米経済指標として、5月のJOLT雇用動態調査などが発表される予定となっている。あまり注目度の高い指標ではないが、ここ数週間は発表される米指標が相場の変動要因となることがあるだけに、本日も一応要注意。また、パウエルFRB議長やラガルドECB総裁らによるパネル討論会参加も注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは161.00-162.10円。ドル高・円安方向は、本日高値161.75-80円をめぐる攻防にまずは注目。上抜けると明確なメドがないものの、それでも162円が一応のメドか。
対するドル安・円高方向は、すでに短期的な底堅さを醸してきた160円後半から161円が最初のサポートに。割り込むと160.30円レベルや160円などが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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