ドル円 160円、「4度目の正直」で上抜け期待も(6/26夕)

東京市場はドルが高原推移。終日159円半ば以上で推移したものの、本日も160円にはとどかなかった。

ドル円 160円、「4度目の正直」で上抜け期待も(6/26夕)

160円、「4度目の正直」で上抜け期待も

〇東京市場のドル円、終日159円半ば以上で推移、160円へ迫るも超えられずトライは持ち越し
〇2週間近く連日安値を切り上げる展開が続き、このパターンが崩れたときの「変化」に要注意
〇円買い介入警戒もあり、噂や思惑によって1円程度下落するような荒っぽい値動きたどる危険性も
〇本日、MBA住宅ローン申請指数や5月新築住宅販売件数などの米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向、抵抗になっている160円めぐる攻防に注目。上抜けると年初来高値160.22意識
〇ドル安円高方向、159円半ばレベルがサポート、下回っても159.18、158.70前後はかなり強いサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジ:159.20-160.20

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが高原推移。終日159円半ば以上で推移したものの、本日も160円にはとどかなかった。

ドル/円は159.65-70円で寄り付いたものの、ドルが底堅い。下値は159.60円レベルまでにとどまった。むしろ、円はクロスを含めた全面安の様相をたどるなか、ドル/円もじり高に推移。160円へと迫るも、超えることは出来ずにトライは持ち越しとなっている。16時段階では159.85円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日発表された米経済指標はまちまちながら、全体的には好数字が目に付く。たとえば、5月のシカゴ連銀全米活動指数や6月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は予想を上回る内容だった。そうした状況下、ボウマンFRB理事は「政策金利をしばらく据え置く必要がある」と発言したうえで、「必要であれば利上げの用意がある」と改めて表明。かなりの強気コメントが思惑を呼んでいた。しかし、そののちクックFRB理事は時期を明言しなかったが、「ある時点で金利を引き下げるのが適切」と述べていたもよう。

対して後者は、国際刑事裁判所がロシアのゲラシモフ参謀総長とショイグ前国防相に、逮捕状を出したと発表し物議を醸していた。ウクライナのゼレンスキー大統領などからは歓迎コメントも発せられている。一方、そうしたなか複数報道でインドのモディ首相が7月8-9日にロシアを訪問する予定だと伝えられ、プーチン大統領との会談を調整しているとの報道も観測されていた。政権3期目を始動させたモディ氏は、旧ソ連時代からの伝統的友好国との関係を重視しているが、訪露については西側諸国からの批判が強まる可能性も取り沙汰されている。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末から昨日まで、過去3営業日のドル/円高値を見ると159.87円、159.93円、159.75円だ。ドルは連日高値圏で推移しているものの、160円を前に上げ渋っている。本日の欧米時間も、まずは160円が意識される展開が予想されている。「4度目の正直」で上抜けられるか。なお、基本的なリスクはドル高・円安方向ながら、円買い介入警戒もあり、噂や思惑などによって1円程度下落するような、やや荒っぽい値動きをたどる危険性も孕んでいることは頭において損はないだろう。
市場は7月以降の日米金融政策に注目。とくに日銀は7月会合で政策変更に動く公算が大きいと見られており、市場の関心は高いようだ。それに対して米国は次の次、9月会合での政策変更がいまのところ見込まれていて、それをにらみつつ短期的には発表される米指標や要人発言に一喜一憂する展開か。一方、それとは別に当局の介入スタンスや、月末週ということでの需給要因などもリスク要因として一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は前述したように近く遠い感もある160円をめぐる攻防にまずは注目。超えれば、年初来高値160.22円がターゲットとなる。
それに対するドルのサポートは、昨日安値159.18円。以前にレポートした連日安値を少しずつ切り上げるという展開はいまだ続いており、すでに2週間近くにも達する。このパターンが崩れたときの「変化」には注意を要したい。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数や5月の新築住宅販売件数などが発表される予定となっている。関心がものすごく高いという指標ではないが、ドル/円が160円トライをうかがう状況下だけに、油断は禁物かもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは159.20-160.20円。ドル高・円安方向は、依然として抵抗になっている感がある160円をめぐる攻防に注目。上抜けると、年初来高値160.22円が名実ともに意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、短期的には159円半ばレベルがサポートとなりつつある。仮に下回っても基本的には底堅そうで、昨日安値159.18円そして158.70円前後はかなり強いサポートか。

160円、「4度目の正直」で上抜け期待も

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