ドル円 再び158円台へ、基本はドル底堅そう(6/20夕)

東京市場はドルが底堅い。上値が重いなか、それでもおおむね158円台を中心とした一進一退をたどっている。

ドル円 再び158円台へ、基本はドル底堅そう(6/20夕)

再び158円台へ、基本はドル底堅そう

〇本日のドル円、30ポイント強の値動きでレンジ相場、ドルは底堅く158円台で推移
〇ドルの高値圏にもかかわらず、本邦要人から円安けん制発言なし
〇本日も先週高値158.25をクリアに超えられず、抜ければ4月末に示現した160円が視界内に
〇テクニカルにドルは上値・下値ともに堅い状況だが、近くレンジを抜ける可能性も
〇本日は米5月住宅着工件数、週間ベースの新規失業保険申請件数等の発表予定
〇英中銀をはじめとする欧州中銀の政策発表にも一応要注意
〇ドル高・円安方向、まだしっかりと超えられない158.25をめぐる攻防に引き続き注目
〇ドル安・円高方向、まずは昨日安値157.61円が最初のサポートか

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが底堅い。上値が重いなか、それでもおおむね158円台を中心とした一進一退をたどっている。

ドル/円は158.05-10円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。値動きは30ポイント強にとどまったが、取引の多くは158円台でドルは底堅かった。日本の長期金利の動きなどをめぐり思惑が一時交錯するなか、158円というドルの高値圏にもかかわらず、本邦要人などからの円安けん制発言はとくに聞かれていない。16時段階では158.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「プーチン氏の外遊」と「中国情勢」について。
前者は、ロシアのプーチン大統領は北朝鮮の金朝鮮労働党総書記と19日に会談を行い、「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結した。いずれかが攻撃を受けた場合、相互に支援する条項などを盛り込んだ内容で、西側諸国から懸念の声が広がっている。たとえば日本の林官房長官は「我が国を取り巻く地域の安全保障環境に与える影響の観点からも深刻に憂慮している」と述べていた。一方、プーチン氏は早くも北朝鮮から次の訪問先であるベトナムに移動。詳細は伝えられていないが、ラム国家主席と会談したとの情報も聞かれていた。

対して後者は、南シナ海南沙諸島の領有権を争っている中国とマレーシアだが、李強首相がマレーシアを訪問したうえで、アンワル首相と会談したと報じられている。そのなかで、米国などの介入を意識してか、対立する南シナ海の領有権問題をめぐり「二国間の対話を通じて解決すべきだ」と強調したという。一方、それとは別に中国とフィリピンの小競り合いは依然として観測されているようで、一連の動きについてブリンケン米国務長官がフィリピンのマナロ外相と電話会談し、「危険かつ無責任な行動で、地域の平和と安定を損なう」と中国を強く非難したと伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は上値が重く、昨日そして本日と先週高値158.25円をクリアに超えられず。同レベルが依然として強い抵抗となっているようだ。引き続き攻防に注目で、抜ければ4月末に一度示現している160円が名実とも視界内に。いずれにしても、基本的なリスクはドル高方向に高いことで間違いないものの、やや気になるのは先でも指摘したような日本当局の動きだ。158円台で推移したにもかかわらず、円安けん制発言が聞かれなかったことが逆に憶測を呼んでいる。
6月に予定されていた日米の金融政策会合はともに終了したが、市場の関心はすでに次へと移行している。ちなみに、米国については次の次「9月会合での利下げ」が現在のところ最有力で、日本は来「7月会合での利上げ」も意識されているようだ。ただ、どちらにせよまだ時間的な猶予が幾らかあるだけに、そのあいだに発表される指標や要人発言などを受け、思惑に変化が生じる公算が大きく油断は禁物かもしれない。また本日は英中銀をはじめ、幾つかの欧州中銀が金融政策を発表する予定。こちらも一応要注意だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は上値が重く、昨日そして本日と先週高値158.25円をクリアに超えられず。同レベルが依然として強い抵抗となっているようだ。引き続き攻防に注目で、抜ければ4月末に一度示現している160円が名実とも視界内に。いずれにしても、基本的なリスクはドル高方向に高いことで間違いないものの、やや気になるのは先でも指摘したような日本当局の動きだ。158円台で推移したにもかかわらず、円安けん制発言が聞かれなかったことが逆に憶測を呼んでいる。

6月に予定されていた日米の金融政策会合はともに終了したが、市場の関心はすでに次へと移行している。ちなみに、米国については次の次「9月会合での利下げ」が現在のところ最有力で、日本は来「7月会合での利上げ」も意識されているようだ。ただ、どちらにせよまだ時間的な猶予が幾らかあるだけに、そのあいだに発表される指標や要人発言などを受け、思惑に変化が生じる公算が大きく油断は禁物かもしれない。また本日は英中銀をはじめ、幾つかの欧州中銀が金融政策を発表する予定。こちらも一応要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は上値が重いが下値も堅いという状況に変化なし。とは言えチャートの形状からすると、そろそろ上抜けするかあるいは反落に転じるか、いずれにしても遠くないタイミングでレンジを抜けていくことも予想されるが果たしてどうなるか。ちなみに、上抜けた場合には当然160円を意識した展開が予想される反面、底割れした場合には12日安値である155.72円レベル程度までの下落を考えておく必要がありそうだ。

本日は米経済指標として、5月の住宅着工件数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。もちろん、それらも予断を許さないが、英中銀による政策金利発表などを受けた広義の欧州情勢にも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは157.60-158.60円。ドル高・円安方向は、まだしっかりと超えられない158.25円をめぐる攻防に引き続き注目。上抜けると160円まで目立った抵抗はなく、波乱含みの可能性もある。
対するドル安・円高方向は、依然としてドルの下値を切り上げている状況を続けているだけに、まずは昨日安値157.61円が最初のサポートか。下回ると移動平均の21日線も近い157円レベルを目指す。

再び158円台へ、基本はドル底堅そう

ドル円日足


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