ドルは底堅い値動き続くが上値も重そう
〇本日のドル円、全体的に動意は乏しく、16時現在157.65-70で推移
〇4月日銀会合の議事要旨が公開されたが、市場への影響は極めて限定的
〇テクニカルには、基本的なリスクはドル高方向
〇昨日は先週高値158.25に接近するも超えられず、ドルの上値重い状況は当面継続か
〇本日は米MBA住宅ローン申請指数等の発表に一応注意
〇ドル高・円安方向、先週高値158.25をめぐる攻防に引き続き注目
〇ドル安・円高方向、昨日安値157円半ばが最初のサポートか
〇欧米時間のドル円予想レンジ:157.20-158.20
<< 東京市場の動き >>
東京市場はレンジ取引。終日を通して値幅は30ポイントにもとどかず、大きな値動きは見られなかった。
ドル/円は157.85円レベルで寄り付いたものの、積極的な売買は見送られている。比較的早い段階で4月に開催された日銀会合の議事要旨が公開されたが、市場への影響は極めて限定的だった。日経平均株価の動きなどをにらみつつも全体的に動意は乏しく、16時現在では157.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「露朝の接近」と「米ファンダメンタルズなど」について。
前者は、本日未明にロシアのプーチン大統領は北朝鮮へ到着。金朝鮮労働党総書記が出迎えたと報じられている。そののち露朝首脳会談が開催され、そのなかで軍事や経済面を含めて両国の包括的な関係強化をうたう「戦略的パートナーシップ条約」に合意する見通しだ。そうした一連の動きに西側諸国は懸念を表明。たとえば米国防総省は「朝鮮半島の平和と安定の維持に関心を持つ者にとって懸念すべきこと」とする声明を発表したほか、NATO事務総長はロシアによる「北朝鮮のミサイルや核開発支援を懸念している」と発言していたようだ。
対して後者は、昨日の欧米時間は発表された米経済指標に右往左往。注目されていた5月の米小売売上高は予想を下回る内容となり、為替市場はドル売り反応。ドル/円は158円台から157円半ば近くまで一時値を下げた。しかし、そのあと発表された同鉱工業生産などは、逆に予想よりも好数字でドル買戻しの材料になっていた感がある。なお、そうしたなか米セントルイス連銀総裁は、利下げを裏付けるデータ見極めるには「数四半期かかる」と発言。また、ボストン連銀総裁は「インフレ率が目標とする2%に持続的に向かっているか判断するのは時期尚早」、クーグラーFRB理事からは「年内に利下げをするのがFRBにとり適切となる可能性が高い」とのコメントが聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日158円台に乗せるも先週高値158.25円を超えられず。またNYクローズで定着も出来なかった。リスクは引き続きドル高で間違いないものの、むしろ上値の重さを再確認したと言えるかもしれない。いずれにしても、ドルの頭の重い状況がいましばらく続く見込みだ。次の材料をにらみつつ、157円後半を中心とした一進一退、基本的にはドルの強保ち合いが予想されている。
先週、日米の金融政策が発表されたが、うち日本については本日東京時間に4月に開催された日銀会合の議事要旨が公開され、その内容が一部で話題となっていた。具体的には、何人かの委員が指摘したとされる「為替は経済・物価に影響、リスク変化すれば対応」の見解になる。いま現在でも、金融市場では7月利上げ期待が根強く指摘されるが、その7月会合に向けてドル/円でさらなるドル高が進行すれば、日銀が追加利上げに踏み切る可能性は一段と高まることになるか。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場の基本的なリスクはドル高だが、先週高値158.25円に接近するも超えられなかったことはやや気掛かり。上値トライが失敗したというには早計だが、ドルの上値の重い状況はまだ当面続く見込みだ。
それに対するサポートは、昨日安値の157円半ば。下回れば一時的な157円割れも否定できないが、それでも156.80円台までレベルを切り上げている移動平均の21日線が下値を支える展開か。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数や6月のNAHB住宅市場指数が発表される予定となっている。それほど注目度の高い指標ではないが、前述したように昨日も発表された米指標が波乱要因となっていただけに、予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは157.20-158.20円。ドル高・円安方向は、先週高値158.25円をめぐる攻防に引き続き注目。上値は重そうだが、上抜けると160円まで目立った抵抗はない。
対するドル安・円高方向は、昨日安値157円半ばが最初のサポートか。依然としてドルの下値を切り上げている状況を続けているだけに、そのパターンが崩れるか否かにも注目だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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