ドル高基調継続も、発表される米指標に注意
〇本日のドル円、寄り付き当初はドルが小安いが、夕方にかけ逆行高、一時158円近くまで値を上げる
〇昨日と本日東京時間もドル円が一時158円に接近するも超えられず、上値が重い状況は相変わらず
〇目先は158円、さらに先週高値158.25をめぐる攻防に要注意、超えれば160円も視界内に
〇本日発表の5月米小売売上高に注目集まる、数字次第では荒っぽい変動の可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジ157.50-158.60、ドル高・円安方向は158円・158.25をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向、東京安値157円半ばが最初のサポートか
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小幅に続伸。ただし、値動きは50ポイントにも満たず、基本はレンジ取引だった。
ドル/円は157.70円レベルで寄り付いたのち、当初はドルが小安い。157円半ばへとじりじりと値を下げる展開だった。しかし、下げ止まると夕方にかけドルは逆行高。途中、植田日銀総裁の発言が聞かれるなか、寄り付きレベルを超え158円近くまで一時値を上げている。結局、16時段階でもそのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、豪ドルは対円などで強含み。豪中銀が政策金利の据え置きを発表するとともに、「インフレの執拗さは上向きリスクが残ることを示唆」などと指摘したことが材料視されていた。豪ドル/円は104.10円レベルから104.70円台へ。
一方、材料的に注視されていたものは「露朝の接近」と「中比情勢」について。
前者は、24年ぶりとされるロシアのプーチン大統領による北朝鮮訪問が思惑を呼ぶ。ちなみに、露朝首脳会談は19日に開催予定とされるなか、「戦略的パートナーシップに関する条約に署名する可能性がある」といった報道も観測されていたようだ。一方、そんな露朝の接近に対し、日米などからは警戒発言が相次ぐ。たとえば米国は、カービー大統領補佐官(広報担当)が記者会見で「ウクライナ情勢だけでなく、朝鮮半島の安全保障にも影響を与える可能性がある」と述べ、注視する姿勢を示していた。
対して後者は、南シナ海における中国とフィリピンのせめぎ合いがさらに激しさを増している。フィリピン政府は、南シナ海で中国海警局がフィリピンの補給船を不当に臨検。さらに、その際に「フィリピン船乗組員を一時拘束していた」とも伝えられている。そうした状況を受け、フィリピンのテオドロ国防相は声明で、「軍は中国の危険で無謀な行動に抵抗する」、「中国の行動が南シナ海の平和の障害となっていることが明白になった」と訴えていた。また米国務省も、「緊張を高める無責任な行動だ」とした非難声明を発表している。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日はドル/円が一時158円に接近するも超えられず。そして本日東京時間も同様だ。とくに158円が強い節目というわけではないが、ドルの上値が重い状況は相変わらず。目先は158円、さらに先週高値158.25円をめぐる攻防にまずは要注意。超えれば、160円も薄っすらと視界内には捉えられるが、到達は一筋縄ではいかなそう。また、レベル的には円買い介入への警戒感がさらに強まる可能性もある。
注目の日米金融政策は、ともに先週発表されたが、日本についてはその後の植田日銀発言もあり「7月追加利上げ」期待が徐々に高まりつつあるようだ。続報などにも一応要注意か。それに対して米国は、「年内利下げは1回」との見通しがコンセンサスとなっているが、最近発表される米指標がおおむね冴えない内容となっていることが気掛かり。折しも、本日は5月米小売売上高という注目度の高い米指標が発表されることから、数字如何では荒っぽい変動もありそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は158円そして158.25円をめぐる攻防にまずは注目。超えれば160円が再び視界内に。
それに対するサポートは、東京安値の157円半ば。そして昨日安値157.15円など。先週12日の155.72円を目先ボトムに連日下値を少しずつ切り上げてきているだけに、それがいつ途切れるのかを注視している向きも多い。
本日は米経済指標として、5月の小売売上高や同鉱工業生産などが発表される予定となっている。引き続き金融市場では警戒感を抱く向きが多く、とくに悪化した内容には注意が必要だろう。また、通貨当局者など要人による発言機会も多く、そちらも注意を要する。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは157.50-158.60円。ドル高・円安方向は、158円そして158.25円をめぐる攻防にまずは注目。抜けると160円まで目立った抵抗はない。対するドル安・円高方向は、ここ最近連日で下値を切り上げている環境下、東京安値157円半ばが最初のサポートか。ただ、仮に割り込んだとしても底堅そう。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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