海外市場、ドル買い継続、ユーロ14年ぶり安値
景況感指数が急改善、ドル高、株高継続
15日の海外市場ではFOMC後のドル買いが継続、ドル円は一時高値118.66まで上昇後、117円台後半から118円台前半で方向感を無くした取引となっています。
米長期金利は10年物の国債利回りで一時2.63%をつけるなどこの日も上昇しました。
昨晩発表された12月のニューヨーク連銀製造業景況指数とフィラデルフィア連銀景況指数は前者が予想+4.0前月+1.5に対し+9.0、後者が予想+9.1前月+7.6に対し+21.5と急激な改善を見せており、トランプ政権のインフラ投資等への期待の強さを示す象徴的な結果となりました。他にも消費者物価指数は全体、コア部分ともに+0.2%とほぼ予想通り食糧エネルギー部分を除くコア部分は前月+0.1%から改善、週間の新規失業保険申請件数もやや減少と昨晩の指標はポジティブな内容が目立ちます。
これらの指標の好調を受けてNYダウは再び上昇、前日比59.71ドル上昇して19,852.24ドルで終了しています。
一方で昨晩はドルの対ユーロでの上昇が目立ちました。ドル金利の上昇を背景にユーロは対ドルで1.0367と2003年1月以来約14年ぶりの安値をつけました。このユーロ安を背景に、昨晩は欧州株もほぼ全面高となっています。
時間差を無視した「いいとこどり」?の金融市場
昨日の株・為替の動きは、ドル金利の上昇を前提としたドル高自国通貨安により、日本、欧州の株価が上昇、米国株は経済の先行きの期待感からこちらも上昇と見方によっては矛盾する内容で最近の金融市場、とりわけ株式市場の「いいとこ取り」を象徴するような内容です。
もちろん、「トランプ政権の財政支出拡大と減税により米経済が回復し、米金利が上昇、米ドルが上昇することによって周辺国へもその恩恵が及ぶ」というシナリオは必ずしも間違ってはいませんが、本来時間差のある話です。
大統領選後ここまで金融市場はシナリオの好都合な部分のみを凝縮して突っ走っている感が強く先行き矛盾が顕現化する恐れがあります。
急激なドル高への米国内の反発が懸念材料、休暇前の調整も注意
換言すればここまでの米ドルの急上昇に対して米国内、トランプ氏の周辺から未だに反応らしい反応が見られないことがひとつ違和感の根源としてあり、米国内でこのドル高で大きく輸出採算が悪化している産業が多いはずであることを考えると、先々何らかのリアクションは覚悟せざるを得ないものと思われます。
ドルインデックスは昨晩一時103.56まで上昇、現在も103を超える水準となっていてこちらも約14年ぶりの高値水準です。
本日本邦では重要な経済指標等の発表は予定されていません。
一方で来週はクリスマス週で欧米を中心にアクティビティの低下が予想され、週末の本日は幅広くポジションクローズの動きが出る可能性があり要注意です。
オーダー/ポジション状況
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