ドル円 1ヵ月半ぶり158円台、ドル高基調は継続か(6/14夕)

東京市場はドルが一段高。4月29日以来となる158円台を示現する局面も観測されていた。

ドル円 1ヵ月半ぶり158円台、ドル高基調は継続か(6/14夕)

1ヵ月半ぶり158円台、ドル高基調は継続か

〇本日のドル円、157円前後で寄り付き、日銀会合結果発表を受け上値を試す展開、158.25-30を示現
〇日銀は金利据え置きと国債の買い入れ減額の方針を発表、市場はハト派と捉えた様子
〇ドル円は引き続き荒っぽい値動き、本日東京時間の変動も1円を超え、4/29以来の158円台を示現
〇基本的なリスクは上向き、上値は重そうだが更なるドル高進行にも要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは157.50-158.50、ドル高・円安方向は158.25-30が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、157円半ばが強いサポートか

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが一段高。4月29日以来となる158円台を示現する局面も観測されていた。

ドル/円は157円前後で寄り付いたのち、揉み合いながらも円はじり安。その後、注目の日銀会合結果が発表されたことを受け、ドル買い・円売りに拍車がかかるとドルは上値を試す展開に。158円前後で一時上げ渋るも上抜けると、日中高値の158.25-30円を示現している。16時現在では小緩んだ158.05-10円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「米インフレ指標」について。
前者は、本日昼過ぎ、日銀が金融政策決定会合の結果として、金利の据え置きと同時に「国債の買い入れ減額の方針」を発表した。また、「次回7月の会合で今後1-2年程度の具体的な減額計画を決める」としたものの、市場はむしろ「ハト派」といった捉え方をしたようで、実際10年債金利も低下し、為替市場では円売りに繋がっていたようだ。なお、そののち夕方の会見で植田総裁が「金融・為替市場の動向や経済・物価への影響を十分注視」と円安けん制と捉えられる発言を行ったことで、ドル/円はわずかに軟落していた。

対して後者は、現地時間12日の米FOMCで、現行金利の据え置きとともに、先行きについて2024年の利下げ回数をわずか「1回」と予想。米当局は強気の見通しを示したが、同日発表された5月消費者物価指数は予想を下回る内容だった。そして、昨13日に発表された同生産者物価も悪化、それも前月比予想はプラス予想に反してマイナスとなるなど、ネガティブサプライズに。連日の米インフレ指標悪化から、当然為替市場ではドル売り要因として寄与したものの、前日Vの字型の戻りを達成したこともあり、157円割れなどのドル売りは腰が入らず。結局下値は限定的だった。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は引き続き荒っぽい値動きで、本日東京時間の変動もトータルで1円を超えた。ドル高方向に抜けると、前述したように4月29日以来の158円台を示現している。リスクは依然としてドル高方向ながら、高値160.22円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しは158.25円レベルで、本日東京高値にほぼ合致するところは若干気掛かり。とは言え、しっかり超えれば一朝一夕に到達するとは思われないが、160円というレベルが再び視界内に捉えられそうだ。
市場で注目されていた日米の金融政策がともに発表された。結果からすると、日米金利差の早計な縮小は予想しにくく、金利差に着目した場合にはドル高・円安傾向はまたしばらく続くと予想せざるを得ない。「円買い介入シーリング」と考えられるレベルを超え、158円台へと一時到達したこともあり、上値は重そうだがさらなるドル高進行にも要注意だ。なお、そうしたなか開催されているG7サミット、そしてこの週末に実施される「ウクライナ平和サミット」という政治・国際ファクターにも一応注意をしておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日東京で157.71円の5月高値を上抜け158円台へ。まだしっかり定着したとは言えないが、基本的なリスクは上向きで、160円方向にバイアスを掛けた動きが予想されている。
それに対するドルのサポートは、短期的には157円半ば。下回ったからといって大きく崩れるイメージには乏しいものの、それでも1円程度の続落はあり得るだろう。

本日は米経済指標として、5月の輸出入物価指数や6月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値などが発表される予定となっている。先で取り上げたように、12-13日に発表された2つの米インフレ指標が悪化し、相場の波乱要因となっただけに本日も米指標発表は予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは157.50-158.50円。ドル高・円安方向は、フィボナッチポイントにもあたる本日東京高値158.25-30円が最初の抵抗。上抜けると160円も徐々に視界内に。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期で見た場合には157円半ばがなかなか強いサポートか。しっかり割り込めば156円台突入を否定できないが、それでも下値は堅そうだ。

1ヵ月半ぶり158円台、ドル高基調は継続か

ドル円日足


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